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ホンダ、「マクラーレン ホンダ MP4/6」「ウイリアムズ ホンダ FW11」など所蔵車両の走行テスト開催

2輪車では「RC149」「VTR1000SPW」など計6台が走行

2015年8月25日開催

走行確認テストは一般にも公開。昼食時にマシンを間近で見ることができた

 本田技研工業は8月25日、ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)南コースにおいて、ホンダコレクションホール所蔵車両の公開走行確認テストを実施した。

 ホンダコレクションホールは、ツインリンクもてぎ内にあるホンダ製品を展示する施設。2輪および4輪車の収蔵や展示だけでなく、2足歩行ロボット「ASIMO」に関する展示、電動モーターで走る車両の組立てや走行が可能な「ピット工房」なども備えたミュージアムとなっている。

 同施設では収蔵車両のコンディション確認のために定期的に走行を行っており、今回のテストもその一環となる。なお、このテストは報道陣だけでなく一般にも公開されており、コース外からとなるものの走行を見ることができるほか、昼食時にはすぐそばでマシンを見ることも可能。この日も熱心なファンの姿が数多く見られた。

 今回走行したのは、2輪が「RC149」「NSR500(1989)」「NSR250」「RVF/RC45」「VTR1000SPW」「NSR500(2002)」の6台、4輪が「ウイリアムズ ホンダ FW11」「ロータス ホンダ 100T」「マクラーレン ホンダ MP4/6」の3台。ドライバーは全車、元ホンダワークスライダーの宮城光氏が担当。いずれも歴史的に価値の高い車両なだけに、雨天時はテスト自体が中止されてしまうことになるが、この日は一瞬パラリと降ったもののなんとか全車走行することができた。

走行前には入念なチェックが行われる
タイヤも事前にチェック
ガソリンを注入
元ホンダワークスライダーの宮城光氏自らマシンをチェック

2輪

今回テストに参加した2輪は6台

RC149
 1966年の世界GP125ccに投入され、ルイジ・タベリにより10戦5勝を達成。ライダー&マニュファクチャラーズの両タイトルを獲得したマシン。エンジンは4ストロークの並列5気筒で最高出力34PS/20500rpm、最高速度は210km/h以上を誇る。

RC149(1966)
今時のマシンと比べるとかなりコンパクト。ライダーが大きく見える

NSR500(1989)
 全日本ロードレース選手権500ccクラスに投入されたマシン。パワーより扱いやすさを重視した設計で、ライダーやサーキットの特性に合わせてフレームを製作する異例の開発体制が敷かれた。その結果、前年に奪われてしまったタイトルの座をエディ・ローソンがみごと奪還した。

NSR250(1993)

NSR250
 全日本ロードレース選手権250ccクラスで活躍した岡田忠之をはじめ、ロリス・カピロッシ、マックス・ビアッジらが世界GP250ccクラスに参戦。14戦7勝を果たし、ホンダはマニュファクチャラーズタイトル3連覇を達成した。

NSR500(1989)

RVF/RC45(750cc)
 1999年の鈴鹿8耐に投入。岡田忠之/アレックス・バロン組が優勝を果たし、ホンダに8耐3連覇をもたらしたマシン。8耐マシンは2000年からV型2気筒(VTR1000 SPW)となったため、ホンダワークスとしては最後のV型4気筒エンジンを搭載するマシンとなった。

RVF/RC45(1999)

VTR1000SPW
 欧州向け市販車のVTR1000SP-1を8耐仕様にチューニングし、RVF/RC45の後継モデルとして2000年の鈴鹿8耐に登場。宇川徹/加藤大治郎組がみごとに優勝を飾り、ホンダは4連覇を果たした。

VTR1000SPW(2000)

NSR500(2002)
 2スト、4ストが混走となった2002年のMotoGPにホンダが送り出した、最後の2ストロークGPマシン。前年より大幅な出力アップを果たすなど大規模なチューニングが施されたものの、倍の排気量が許された4ストマシンを前に勝利を挙げることなく終わってしまった。一方で4スト1000ccのRC211Vは16戦14勝をマーク、性能差は歴然としたものだった。

NSR500(2002)

4輪

4輪はF1マシン3台が走行した

マクラーレン ホンダ MP4/6
 新型V12エンジンを搭載して1991年シーズンに投入されたマシン。それまでのV10エンジンより5.5kg軽量で、最高出力も700PSオーバー。アイルトン・セナが開幕戦のアメリカGPでポール・トゥ・ウィンを達成した後、ブラジル、サンマリノ、モナコと4連勝。シーズン7勝を挙げ、自身3度目のワールドチャンピオンを獲得。ホンダにとっても4年連続で、ウイリアムズ時代から通算すると6年連続となるコンストラクターズタイトルを手にした。

マクラーレン ホンダ MP4/6
カウルを外した状態
ノーズ部分は別パーツ
カウルは2人でラクラク持てる重さ
リアから
フロントダンパー
インダクションポッドが付いた状態
インダクションポッドを外した状態
芸術品と呼ぶにふさわしいエアファンネル
駆動系とリアサスペンション
ブレーキ

ロータス ホンダ 100T
 1.5リッターターボエンジン最後の年となる1988年に投入されたマシン。熟成不足のアクティブサスペンションから従来型に戻しての参戦だったが、タイトル争いに絡むことはできなかった。ただ、最終戦ではマクラーレン ホンダのワンツーに次ぐ3位を獲得、ホンダエンジンが1-2-3フィニッシュを果たした。

ロータス ホンダ 100T
カウルを外した状態
リアから
エンジンはV型6気筒1.5リッターターボのRA168E
各バンクごとにタービンが付く。タービンはIHI製
ラジエターとインタークーラー
フロントまわり
コクピット。ステアリングは今のF1と比べると驚くほどシンプル
シャシーナンバーは「5」
リアサスペンションと駆動系
ブレーキまわり

ウイリアムズ ホンダ FW11
 1984年に第2期F1で初勝利を獲得したウイリアムズ ホンダが1986年に投入したマシン。1500ccながら1000PSにも達するターボエンジンにより、ナイジェル・マンセルとネルソン・ピケのコンビで16戦9勝をマーク。ホンダ初となるコンストラクターズタイトルを獲得した。

ウイリアムズ ホンダ FW11
リアから
コクピット
シャシーナンバーは「2」
エンジンはV型6気筒1.5リッターターボのRA166E
ホイールは13インチ
FW11はセッティング調整、走行を何度か繰り返していた
1952年製の自転車用補助エンジン「ホンダ カブ F型」も展示されていた
リアにエンジンを取り付ける
チェーンにギヤを挟み駆動するようだ
エンジン部分
燃料タンク
発送用段ボール

(安田 剛/Photo:安田 剛)