F1マシンなどが走ったHondaコレクションホール走行テストを映像で
7月2日にツインリンクもてぎで一般公開を実施

走行確認テスト中のF1マシン「RA272」

2011年7月2日本番開催



 本田技研工業は、7月2日にツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で開催する「ツインリンクもてぎ 元気と笑顔の復活デー!」で、同サーキット内にある「Hondaコレクションホール」収蔵のレーシングカーのデモンストレーション走行を実施する。

 それに先立ち、当日公開する車両の走行確認テストを実施。報道陣向けに公開した。本記事では、その走行確認テストの模様を映像を交えて紹介していく。なお、映像については1080pのHDモードで掲載してある。通信速度に余裕のある方は1080pに切り替え、高解像度映像で往年のレーシングカーのエンジン音を楽しんでほしい。

4輪車3台と2輪車5台の計8台が走行
 今回走行確認テストが行われた車両は、Hondaコレクションホール収蔵の4輪車3台と2輪車5台の計8台。通常年はツインリンクもてぎの本コースを使用してテストが行われるが、今回は一般公開前のテストということもあり、ツインリンクもてぎの西コースを使ってテストが開催された。

 4輪マシンは、1965年のF1選手権に出場しR.バックナムがドライブした水冷4ストロークV型12気筒1.5リッターの「RA272」、1967年のF1選手権に出場し、J.サーティースがドライブした水冷4ストロークV型12気筒3.0リッターの「RA300」、1991年のF1選手権に出場し、G.ベルガーがドライブした水冷4ストロークV型12気筒3.5リッターの「マクラーレンMP4/6」の3台。

 


RA272

 

 


ピット代わりのテント付近で出走を待つRA272。エンジンにもRA272の刻印が見える(右)最初にテストが行われたのはRA272。12気筒マシンだけに1500ccとは思えないサウンドを響かせる

 


RA300

 

 


出走前のRA300。エキゾーストパイプ後端についている金色のものはHマーク入りのキャップ走行中のRA300

 


マクラーレン MP4/6

 

 


随所にカーボン素材が使われたマクラーレン MP4/6。ゲルハルト・ベルガー、アイルトン・セナによってドライブされたMP4/6はアクセルワイヤーのトラブルのため、早々に走行が打ち切られてしまった。7月2日の本番では無事に走れることを期待したい

2輪車は初代NSR500が登場
 2輪車は、ホンダの2輪レースサポートを行うHRC(ホンダ・レーシング・コーポレーション)の市販レースマシン「RS125R」(1990年)と「RS125R」(2004年)、1967年のWGP(ロードレース世界選手権)に出場し、M.ヘイルウッドが搭乗した水冷4ストロークV型4気筒の「RC181」、2000年のマン島T.T.レースに出場し、J.ダンロップが搭乗した水冷4ストロークV型2気筒1リッターの「VTR1000SPW」(レプリカ)、1984年にWGPの500ccクラスに出場し、F.スペンサーが搭乗した水冷2ストロークV型4気筒の「NSR500」の計5台となった。

ピット替わりのテント内で出番を待つ1990年式RS125R(左)と、2004年式RS125R(右)同、RC181(左)、NSR500(中央)、VTR1000SPW(右)。NSR500とVTR1000SPWにはタイヤウォーマーが装着されている

 


RS125R(1990年)

 

 


真っ白なボディーがまぶしい1990年型のRS125R。カウル形状などに時代を感じる

 


RS125R(2004年)

 

 


撮影用にカラーリングされたRS125R倒立サスペンションやラジアルマウントのフロントブレーキキャリパーなど1990年モデルより進化した要素を持つ

 


RC181

 

 


今回テスト走行した中でもっとも爆音で迫力があったのがRC181V型4気筒のRC181。マフラーは4本出しで、ドラムブレーキが前後に採用されているなど時代を感じるもの

 


VTR1000SPW

 

 


Vツインエンジンということもあり、サウンドはマイルドな印象マフラーにはアクラポビッチ製のものが装着される

 


NSR500

 

 


F.スペンサーが搭乗した初代NSR500。4本のサイレンサーはタンクカウル内に収納されている

 この走行は、7月2日の本番に備えてのセッティングを兼ねており、少し走行しては、セッティングを行うというパターンが繰り返される形となっていた。また、MP4/6は走行中にアクセルワイヤーが切れてしまうというトラブルが発生し、それほど走り込まずにテストを終了する形となった。なお、1988年のF1世界選手権に出場し、中嶋悟氏がドライブした水冷4ストロークV型6気筒の「ロータス100T」のテストも予定されていたが、燃料漏れが発見されたためテストは行われず、7月2日の走行もキャンセルになったとのこと。

 なお、4輪車、2輪車含めてすべてのテストドライブ/テストライドは、元全日本GPライダーであり4輪でのレース経験もある“ドライダー”宮城光氏(http://www.hikarun.net/)が1人で行った。当日は、すべての車両が新品タイヤでの走行となり、ややセッティングに手間取っていたようだ。7月2日の一般公開では、ベストコンディションでの走行を期待したい。

四輪車、二輪車ともすべてのテストドライブは宮城光氏が行った少し走行してはセッティングを繰り返し、マシンの調子を上げていく

(平 雅彦(WINDY Co.))
2011年 6月 30日