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ディフェンダー、ダカール・ラリー2026参戦車両「DEFENDER DAKAR D7X-R」プロトタイプ公開

2025年5月16日(現地時間)発表
テスト走行を行なう競技車両「ディフェンダー ダカール D7X-R(プロトタイプ)」

 ジャガー・ランドローバーは5月16日(現地時間)に、2026年から参戦予定のダカール・ラリーおよびW2RC(FIA世界ラリーレイド選手権)に使用する競技車両「DEFENDER DAKAR(ディフェンダー ダカール)D7X-R」のプロトタイプで、モロッコにあるサハラ砂漠における最初のテスト走行を無事に完了したと発表した。

 ディフェンダー ダカール D7X-R(プロトタイプ)は、V型8気筒4.4リッターツインターボエンジンを搭載した市販車をベースに専用設計した競技用車両で、市販のディフェンダーと同様、堅牢なD7xアルミニウムボディ構造、トランスミッション、ドライブラインのレイアウトを採用することで、究極の耐久性と強度を実現。外装にはカモフラージュを施した状態でテスト走行を実施したという。

ディフェンダー ダカール D7X-R(プロトタイプ)
テスト走行中の「ディフェンダー ダカール D7X-R(プロトタイプ)」

 また、ディフェンダーはダカール・ラリー 2026にワークス参戦するアドベンチャー・ブランドとして、過去にダカール・ラリーで14回の優勝を誇るフランス出身のステファン・ペテランセル選手、新星ロカス・バチュスカ選手、ステージ優勝4回を成し遂げたサラ・プライス選手ら、世界トップクラスのドライバー陣と契約したことも明かした。

ステファン・ペテランセル選手

 ダカール・ラリー史上最も成功したドライバーとして有名なステファン選手は、サハラ砂漠でディフェンダーのテスト走行をした経験もあり、砂漠の過酷な条件に慣れたベテラン。59歳となったステファン選手は、バイクと四輪の両方でダカール・ラリーに35回参戦し、14回の優勝経験を持つ。

 2026年は、ディフェンダーワークスチームからW2RCの全ラウンドに参戦し、豊富な経験と知識をチームにもたらすほか、自身の優勝回数をさらに更新しながら、ディフェンダーのモータースポーツ界での将来を切り拓く役割を果たすという。

ステファン・ペテランセル選手

 ステファン・ペテランセル選手は、「ディフェンダーとともに新たな取り組みを始められて、とても嬉しく思います。W2RCはラリーとオフロード競技の最高峰であり、ディフェンダーはアイコニックでありながら卓越したパフォーマンスを誇る4×4車両です。私にとって、W2RCとディフェンダーは完璧な組み合わせだと思います。この新たな挑戦がとても楽しみで、表彰台の頂点に導けるようにしたいです。これまでダカール・ラリーにはバイクと四輪で参戦してきましたが、Stockカテゴリーは初めてで、このチームと一緒に挑戦できることに興奮しています。また、モロッコでディフェンダー ダカール D7X-R(プロトタイプ)のハンドルを握ったことは素晴らしい経験でした。まだ初期段階ではありますが、2026年ダカール・ラリーへ向けた準備は順調に進んでいます」とコメントしている。

ステファン・ペテランセル選手

ロカス・バチュスカ選手

 25歳のロカス・バチュスカ選手は、ラリー界でも有望な若手ドライバーの1人で、FIA史上初めて2つの異なるカテゴリーで世界チャンピオンを獲得する偉業を打ち立てたドライバー。また、リトアニア人として最年少で初出場したダカール・ラリー 2022では、T4カテゴリーで3位に入賞、その後W2RC 2022 T4カテゴリーではモロッコラリーでの優勝を含む4回の表彰台を獲得し総合チャンピオンとなっている。さらに、ダカール・ラリー2023はT4カテゴリーで2位、ダカール・ラリー2024はT3カテゴリーで3位を獲得している。

ロカス・バチュスカ選手

 ロカス・バチュスカ選手は、「ダカール・ラリーのStockカテゴリーでドライブできることはとても嬉しいです。特にディフェンダーで走ることは、このデビューをさらに特別なものにしてくれます。伝説のディフェンダーがW2RCとダカール・ラリーに参戦することは、モータースポーツ界とブランドにとって歴史的な瞬間といえるでしょう。これから紡ぐ素晴らしいストーリーの一員として、重要な役割を果たせることを楽しみにしています。ディフェンダーは、とどまることを知らない、不可能を可能にするという理念を体現する、素晴らしいブランドです。このプログラムの一員として参加できることは、私にとって大きな誇りです。ダカール・ラリー 2026に向けて、チームとともにディフェンダー ダカール D7X-R(プロトタイプ)のテストをする日が待ちきれません」と述べている。

サラ・プライス選手

 サラ選手は8歳のとき、バイクレースからレースキャリアをスタート。その8年後に四輪レースに挑戦し、19回の全米選手権タイトルを獲得してプロに転向。X Gamesでメダリストとなった。その後も、SCOREインターナショナルのバハ1000におけるトロフィー・トラッククラス優勝や、チップ・ガナッシ・レーシングから電動ラリー選手権Extreme Eに参戦し、チーム初の女性レーサーによる優勝をもたらすなど、さまざまなオフロードカテゴリーで豊富な経験と実績を築いてきたドライバー。

 2024年には、SSVクラスでダカール・ラリーデビューを果たし、アメリカ人女性として初めて、そして女性としては史上3人目のダカール・ラリーのステージ優勝を果たしつつ、総合4位でフィニッシュし、最優秀新人賞も獲得した。

サラ・プライス選手

 サラ・プライス選手は、「ディフェンダーワークスチームの一員としてダカール・ラリーに参戦できることは、私にとって栄誉なことです。ダカール・ラリーはラリーレイド競技の最高峰です。今までこの大会に参加できたことをとても誇りに思っています。ディフェンダーは最高の性能を備えたアイコニックな車両であり、明確な目的を持ったブランドでもあります。英国のアドベンチャー・ブランドの歴史的な瞬間をともにできるのは、私にとって素晴らしい経験となります。舞台裏で行なわれているテストと準備作業は本当に驚くべきもので、実際にドライブするのが楽しみでなりません。私はとても競争心が強い、生まれながらのレーサーであり、ディフェンダーとともに高い目標を目指し、成功するまで決して諦めることはありません」と意欲を語っている。

テスト走行中の「ディフェンダー ダカール D7X-R(プロトタイプ)」
テスト走行中の「ディフェンダー ダカール D7X-R(プロトタイプ)」