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スーパーフォーミュラ、IIJグループとローカル5G活⽤に向けた実証実験実施
2025年6月17日 11:12
- 2025年6月16日 発表
⽇本レースプロモーション(以下「JRP」)は6月16日、IIJグループとともに「スーパーフォーミュラ(全⽇本スーパーフォーミュラ選⼿権)」でのローカル5G活⽤に向けた実証実験を実施して、サーキットで⾼速移動するテスト⾞両からオンボード映像等の低遅延伝送に成功したと発表した。
実証実験はIIJ(インターネットイニシアティブ)、IIJエンジニアリング(以下「IIJ-EG」)、ハイテクインター、M-TEC、⽇本サーキット、モータースポーツ無線協会(以下「MoSRA」)と共同で実施。
スーパーフォーミュラが開催されるサーキットにて、独⾃に構築したローカル5Gネットワークを⽤い、⾼速移動するテスト⾞両からオンボード映像やテレメトリー情報を伝送する実証実験を⾏ない、サーキット内において低遅延で伝送できることを確認した。
今回の実験では、他のサーキットでも課題となるロードコース特有の⾼低差や複合コーナーなどを含む区間において、最⾼速200km/hで⾛⾏中のテスト⾞両から遅滞なくオンボード映像等が伝送されたこと、またハンドオーバー(⾛⾏時における接続するローカル5G基地局の切替え)が発⽣する場所において、車速150km/hの⾛⾏時でも途切れることなく伝送ができたとしている。
JRPとIIJグループでは、ITソリューションパートナー契約を結んでおり、今回の実証実験は、JRPが主催するスーパーフォーミュラのレースでの採⽤を⾒据えた試みとしている。
今回の実証実験の背景としては、スーパーフォーミュラが開催されるサーキットの多くは居住⼈⼝の少ない郊外にあり、レースが開催される週末には延べ数万⼈の観客が訪れるため、モバイルキャリア基地局へのアクセスが急増することで、⼀時的にネットワークが混雑(輻輳)することがある。また、広⼤なサーキットの⼀部にはモバイルキャリアの電波が微弱なエリアもあり、レース開催中にレース⾞両と安定した伝送経路を確保するには、モバイルキャリアに依存しない独⾃のネットワークが必要とされており、有⼒な選択肢の⼀つとしてローカル5Gの活⽤が期待されている。
しかし、導⼊コストや電波エリア設計、レーシングカー特有の過酷な環境に耐える伝送端末の開発などの難しさがあり、各課題をクリアするためにIIJグループでは各社とともに2022年より実証実験を続けており、今回の成果を得たことはレースでの採⽤に向けて⼤きく前進したことになる。
今回の成果
実証実験では、サーキットの⼀部区間にてローカル5Gネットワークを構築し、レース⾞両を模したテスト⾞両より遅滞なくオンボード映像等が伝送できることを確認した。
・速度200km/hで⾛⾏するテスト⾞両からのオンボード映像やテレメトリー情報の低遅延伝送
・速度150km/hで⾛⾏するテスト⾞両からのオンボード映像やテレメトリー情報の伝送がハンドオーバー中にも途切れないこと
・サーキット特有の地形に対応するローカル5Gネットワーク構築ノウハウの獲得通信品質を向上させる⾞載アンテナ設置位置および調整⽅法
各社の役割
株式会社インターネットイニシアティブ:ローカル5G ネットワークに関する技術支援
株式会社IIJ エンジニアリング:プロジェクトマネージメント、ネットワーク設計・構築、ローカル5G基地局工事、オンボード映像伝送
ハイテクインター株式会社:ローカル5G機材一式の提供、電波エリアの設計・チューニング
株式会社M-TEC:伝送端末の開発実装、テスト車両「CIVIC TYPE R(FL5) MUGEN Group.A」の提供
株式会社日本サーキット:伝送端末の開発実装
モータースポーツ無線協会:ローカル5G ネットワークの無線局免許取得及び技術協力
株式会社日本レースプロモーション:実証サーキット・テスト車両のドライバー(イゴール・オオムラ・フラガ選手)提供


