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HKS、RB26改2.8L排気量アップキットに高圧縮ピストンを採用した「ハイコンプ仕様」追加設定
2025年6月23日 17:29
- 2025年6月20日 発表
- 220万円
自動車用パーツメーカーのエッチ・ケー・エス(HKS)は6月20日、日産自動車の直列6気筒2.6リッターツインターボエンジン「RB26DETT」の排気量アップキット「RB26 2.8L STEP3」に“Φ86.5ボアサイズピストン”を使用したハイコンプ仕様「2.8L STEP3 φ86.5 フルキット」を追加発売した。ピストン+コンロッド+クランクシャフトがセットになり価格は220万円。
HKSの排気量アップキット「RB26 2.8L STEP3」は、1000PS以上のハイパワーを実現する高強度エンジンパーツで、従来品はボアサイズφ87のピストンを採用して圧縮比は8.7としていたが、今回新たにボアサイズΦ86.5ピストンを設定して、圧縮比9.0を実現。高圧縮化による高出力化を可能としつつ、シリンダー肉厚を増すことで対応できる出力を向上させたという。
高圧縮化により高オクタン価燃料を使用することで、より高出力が望めるピストンは、高温強度に強いA2618材を採用しつつ、削り出し製作にしたことで駄肉を排除してより薄肉化を実現。また、BCD(ブリッジ・コンセプト・デザイン)構造とすることで、構造的にも剛性アップを図ったほか、2層モリブデンコートで初期なじみ性の向上とフリクションの低減も両立した。
さらに、ピストンピンは短縮化したφ22ピンを採用し、曲がり剛性の確保と軽量化を実現。ボアサイズをΦ86.5にしたことで、次回オーバーホール時にΦ87.0でのホーリング(シリンダー内を削ってきれいにする作業)を可能としている。
クランクシャフトは、ストローク77.7mmの削り出しフルカウンタークランクシャフトを採用。高出力下でのメインベアリングの負担を軽減するため、カウンターウエイトを効率的に増加し高バランス率化を実施。また最高出力に対応するため、材質を窒化鋼に変更し、イオン窒化処理を行なうことで表面硬度を上げ、硬化層を厚くすることで耐久性を向上させている。
コンロッドは、ニッケルクロム鋼の削り出しH断面を採用し、φ22のピストンピンに対応させつつ、疲労強度の向上を図るため表面にWPC処理を施している。
また、究極のハイレスポンスを実現する排気量アップキット「RB26 2.8L HIGH RESPONSE」にも同様に“Φ86.5ボアサイズピストン”を使用したハイコンプ仕様「2.8Lハイレスポンスφ86.5 フルキット」を追加設定。価格は184万8000円。
前出のSTEP3との違いは、最高出力をあえて700PSに抑えることで、ウエイトを極限までそぎ落し、レスポンス向上が図られたクランクシャフト。これに同じΦ86.5ボアサイズピストンとニッケルクロム鋼の削り出しH断面コンロッドが組み合わせられる。