イベントレポート 東京オートサロン 2024
HKS、開発中のRB26エンジン用強化シリンダーライナー展示 電動化やCN、サステナブルな次世代カスタマイズを提案
2024年1月13日 08:30
- 2024年1月12日~14日 開催
エッチ・ケー・エスは、「Tune the Next」をテーマに「東京オートサロン 2024」(幕張メッセ:1月12日~14日)に出展。HKSブースでは、チューニングパーツの新製品に加え、RB26エンジンに向けて開発中の強化シリンダーライナーやカーボンニュートラルレーシング燃料の「CNR FUEL」など、電動化やCN(カーボンニュートラル)、サステナブルといった次世代のカスタマイズを提案した。
開発中の「HIGH PERFORMANCE CYLINDER BLOCK RB26 2.8L STEEL LINER」
HKSが持続可能なチューニングを目指して開発中なのが「HIGH PERFORMANCE CYLINDER BLOCK RB26 2.8L STEEL LINER」。
スカイラインGT-R(BNR32)に搭載されたRB26エンジンは、競技で勝つことを目的に開発され、その素性のよさからレースシーンだけでなくチューニングシーンにおいても様々なステージ、スペックで愛用されてきた。最終モデルとなるBNR34の生産が終了して20年以上が経過した現在はチューニングに加えこれからも長きにわたり第2世代GT-Rを大切に乗っていこうというオーナーも増えてきた。
その一方でオーバーホールやリフレッシュには欠かせない純正部品の入手が困難になったり、製廃となったパーツも 増え、シリンダーブロックについても新品を入手することは困難という。そのような状況を踏まえ、HKSでは中古のシリンダーブロックベースでもハイパワーチューニングを施せるよう強化ライナーを開発中とのこと。
HKSによるシリンダーブロックの特徴としては、中古のシリンダーブロックに強化シリンダーライナーを装着して再生させる。ライナーを鋼鉄製にすることで純正より強度をアップし、高出力でのシリンダー割れを防止。シリンダーの表面は特殊な処理をおこない焼き付きを防止してフリクションを低減させるという。
HKS 2024年新商品カーボンニュートラルレーシング燃料「CNR FUEL」を参考出品
HKSが2024 新商品として参考出品したのが次世代のレース燃料「CNR FUEL」。CNR FUEL(Carbon Neutral Racing Fuel)は、再生可能エネルギーを原料として使用。太陽光、風力、水力、バイオ燃料などのクリーンエネルギーを活用して、石油由来の燃料に比べて二酸化炭素の排出量を大幅に削減するとともに、従来の燃料に匹敵する高いエネルギー密度とパワーを提供。環境への負荷を削減しつつ、モータースポーツによる興奮とスリルの体感を将来的にも可能にすることを目指す。
レクサス「LM」、トヨタ「ハイエース」「GR86」、日産「GT-R(R35)」の4台カスタマイズカー
HKSブースでは、車両としては、レクサス「LM」、トヨタ「ハイエース」「GR86」、日産「GT-R(R35)」といった4台が展示された。
HKS e-HIACE “Multi Energy” Concept
HKS e-HIACE “Multi Energy” Conceptは、持続可能な世界「カーボンニュートラル(CN)社会」に向けて、液体・気体・電気、それぞれのCN燃料を動力源として利用できる「マルチエナジー」をコンセプトに、HV(ハイブリッド)コンバージョン車両を製作。既存のエンジンを独立した発電システムに変更し、完全なモーター駆動とするシリーズハイブリッドとし、燃料タンクに加えバッテリを車両中央床下、ガスタンクを車両後方床下に搭載することで、さまざまな動力源に対応させた。
LEXUS LM HKS “e-Driving” Concept
LEXUS LM HKS “e-Driving” Conceptは、「素に戻れる移動空間」がコンセプトのレクサスLMの車内にドライビングシミュレータ「DRiVe-X」を設置。ドライビングを楽しめる「プライベート・スペース」として、高性能な電制アブソーバを生かす「HKSハイトダウンスプリング」「パフォーマンスダンパー」を装着。ハイトダウンスプリングや車重に合わせ専用チューニングを施し、ドライビングを愛するオーナーのこだわりに応える快適性・走行性・スタイリングを兼ねそなえる仕様に仕上げた。
HKS GR86 GT400+ Concept
HKS GR86 GT400+ Conceptは、筑波サーキット最速のGR86となる「HKS Racing Performer GR86」の構成をそのままに、サーキット走行を楽しむことを想定したパッケージのチューニングカーを製作。開発中のボルトオンターボをはじめ、タイムアタックで培ったノウハウをそのまま落とし込み筑波1分切りを可能とするパッケージに仕上げた。