イベントレポート 東京オートサロン 2024

ダンロップ、プレミアムカー向けフラグシップタイヤ「SPORT MAXX RS」とオフロードライクなスタッドレスタイヤ「グラントレック XS1」初展示

2024年1月12日~14日 開催

プレミアムカー向けフラグシップタイヤ「SPORT MAXX RS」を装着したBMW M2

 ダンロップ(住友ゴム工業)は1月12日、「東京オートサロン2024」(幕張メッセ:1月12日~14日開催)にて、新たなスポーツブランド「SPORT MAXX」のプレミアムカー向けフラグシップタイヤ「SPORT MAXX RS」と、SUV用スタッドレスタイヤ「グラントレック XS1」を初展示した。

1ランク上のプレミアムカー向けフラグシップタイヤ「SPORT MAXX RS」

BMW M2の装着タイヤサイズは前後285/30R20
1月11日に発表したばかりのプレミアムカー向けフラグシップタイヤ「SPORT MAXX RS」

 現在プレミアムカー向けタイヤとして「ウルトラハイパフォーマンスタイヤ」が主流となっているが、欧州ではさらなる性能向上が図られ、1つ上のレベルとなる「スーパーウルトラハイパフォーマンスタイヤ」が誕生している。そのためダンロップも4年ほど前から、現在ラインアップしているプレミアムカー向けフラグシップタイヤ「SPスポーツマックス 060+」よりも高性能なタイヤの開発を進めてきたという。

プレミアムカー向けフラグシップタイヤ「SPORT MAXX RS」

 住友ゴム工業 タイヤ事業本部の笠井克己氏によると「グリップを高めるだけなら比較的簡単ですが、昨今は厳しい環境規制があり、転がり抵抗性能やウェット性能、ノイズ制限など厳しい基準をクリアしないと市販できません。そこでコンパウンドはもちろんですが、プロファイルなど、すべてを1から見直して設計しました。特に従来とは異なる新たなポリマーを配合したことで、従来品の技術に対してブレイクスルーを果たせました」と開発秘話を語ってくれた。

住友ゴム工業株式会社 タイヤ事業本部 企画本部 グローバルマーケティング部 SPLタイヤ企画部 部長 笠井克己氏

ありそうでなかったマッドテレーンのようなスタッドレスタイヤ

 2023年9月に発売した「GRANDTREK XS1(グラントレック エックスエスワン)」は、一見SUVやジープが泥濘地を走るために履くマッドテレーンのようなトレッドパターンを採用しているが、実はスタッドレスタイヤのコンパウンドを使用した冬用タイヤ。

ホワイトレターとブラックレターの2種類がある訳ではなく、表と裏で異なるデザインを採用している

 また、サイドウォールにある文字を白くレタリングする「ホワイトレター」を採用しつつ、本格派オフローダーの中にはホワイトレターの面をあえて内側に向けて履くという文化があることから、ホワイトレターとは反対側の面を「ブラックレター」にし、両面が異なるサイドデザインを採用した珍しいタイヤとなっている。

GRANDTREK XS1を装着したジムニー

 サイズは現在のところ「LT215/70R16 100/97N」「185/85R16 105/103L LT」の2種類のみで、ジムニーやジムニーシエラへの装着を狙ったサイズラインアップとなっている。性能面ではマクロ領域での剛性とナノ領域での柔軟性を両立する「ナノフィットゴム」を採用し、凍結路面に密着し強力なグリップ性能を発揮するほか、専用パターン設計により、雪上路面における高いグリップ性能とトラクション性能を両立したという。

ホワイトレター面
ブラックレター面には山岳をイメージしたデザインが配されている

筑波サーキット58秒820の記録樹立を祝福

 オートサロン初日の午後、1月9日に行なった筑波サーキットタイムアタックにて、新スポーツブランド「SPORT MAXX」のプロトタイプを履いた「R35GT-R NISMO」がランフラットタイヤで筑波サーキット58秒820を記録したことを祝うイベントが行なわれた。

 会場にはアタックドライバーを務めた飯田章氏、日産自動車 商品企画本部 ブランド・アンバサダーである田村宏志氏、タイヤ開発の中心人物である住友ゴム工業 タイヤ事業本部 企画本部 グローバルマーケティング部の宇野弘基氏がそろいトークショーを実施。

会場でタイムアタックの結果についてのアンベールを行なった
タイムアタックを行なったR35GT-R NISMO

 宇野氏は「今GT-Rが履いている標準タイヤ(SP SPORT MAXX GT600 DSST)を超えるタイヤって作れるのかな? という素朴な疑問から開発が始まり、今考えられるすべての技術を投入しました。通常タイヤメーカーはユーザーや市場のニーズを汲み取って開発することが多いですが、今回だけは技術陣のこだわりで、どこまでできるか? ということにチャレンジしました。その結果59秒の壁を越えて58秒台に入れたことは本当に嬉しいです」と語った。

記録を祝して記念撮影も行なわれた
編集部:塩谷公邦