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トヨタ自動車東日本、アクシオやフィールダーの生産を10月で終えるもカローラクロスの新たなふるさとに

ファンイベントで達増県知事、石川社長があいさつ

カローラに育てられたというトヨタ自動車東日本。結ギャラリーにはカローラ KE10が展示されていた

 トヨタ自動車東日本は7月27日、岩手工場においてカローラのファンイベントを開催した。このカローラのファンイベントはトヨタ自動車が主催するものとして初めて東北で開かれた。イベントには抽選で選ばれた50組83名が参加した。

 このイベントでは、新たに岩手工場が生産することになった25年型カローラクロス、カローラクロス GRスポーツに加え、カローラシリーズを展示。カローラクロスの試乗、カローラのスペシャルスポーツモデルであるGRカローラの同乗走行、KINTOのカスタマイズサービス展示、開発者トークショーなどが行なわれた。

イベントにはそばっちも駆けつけた

カローラに育てられてきたトヨタ自動車東日本

トヨタ自動車東日本株式会社 代表取締役社長 石川洋之氏

 イベント冒頭、あいさつに立ったトヨタ自動車東日本 代表取締役社長 石川洋之氏は、「トヨタ自動車東日本の岩手工場は、今年5月からこのカローラクロスの生産を開始しました。カローラクロスの新たなふるさとになりました」と、カローラクロスの生産工場となったことを紹介。カローラクロスはグローバル生産モデルであるが、国内ではカローラシリーズを生産している高岡工場で生産されていた。それが5月の2025年型モデルからトヨタ自動車東日本 岩手工場に生産移管され、一部輸出モデルも含め、国内販売モデルについては全量が岩手工場で生産されている。

 石川社長はカローラシリーズとトヨタ自動車東日本のつながりについても言及。「(トヨタ自動車東日本の)前身となっているのは、関東自動車工業、セントラル自動車、トヨタ自動車東北の3社です。ご存じの方もいらっしゃると思いますけれども、前身の時代に遡ってみますと、カローラシリーズを初代からずっと作ってきた歴史があります。1967年、初代のカローラバンから始まりまして、その後この結(ゆい)ギャラリーの中に展示しておりますカローラ、それから80年代には今日、1台お越しいただいていると思いますけどAE86レビンの生産も行なってきました。90年代には、この岩手でスパシオとかルミオンとか、こういった少し個性的なモデルを多数手がけてきました。そしてTMEJとなった今では、宮城県にある工場でアクシオ、それからフィールダーを生産しております。しかしながら、このクルマも今年10月に惜しまれながら生産を終えることになっております」と、これまでのカローラ生産の歴史について語る。

 石川社長はカローラシリーズの生産については、「この5月に新たにカローラクロスがこの岩手工場に来ました。このように、私たちTMEJはいつの時もカローラに育てられてきました。カローラファンのみなさまはその育ての親であります。ありがとうございます」と結び、トヨタ自動車東日本はカローラとともに育ってきたことを、岩手工場を訪れたカローラファンに伝えた。

 石川社長に続いては、来賓代表として岩手県知事 達増拓也氏があいさつ。達増知事は集まったカローラファンを心から歓迎するとともに、岩手で初開催となるTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジの発表、そして地元出身のレーシングドライバーである佐々木選手と、トヨタ自動車 豊田章男会長が開催のきっかけであることを語った。

達増拓也 岩手県知事 あいさつ

達増拓也 岩手県知事

 みなさん、こんにちは! ようこそおいでくださいました! 全国のカローラファンのみなさん、カローラ関係者のみなさん、ようこそ岩手にお越しくださいました。カローラオフラインミーティング、参加されるみなさん、心から歓迎をいたします。

 本日の会場でありますトヨタ自動車東日本岩手工場は、平成5年に前身の関東自動車工業 岩手工場として操業を開始して以来、岩手県の自動車関連産業の中核を担っています。東日本大震災のあの津波災害からの復興に際しまして、国内外のみなさんから多くの支援をいただきました。

 その中でもトヨタグループを挙げてのご支援、復興の星「アクア」をはじめとする魅力あふれるコンパクトカーの生産など、まさに一過性ではない支援、これをいただきまして岩手に希望の光をともし続けてくださった、トヨタ自動車東日本 岩手工場であります。ありがとうございます。

 岩手工場では、これまでアクアやヤリスシリーズ、レクサス「LBX」を生産し、そして今年の5月からカローラクロスの生産が開始されました。トヨタが世界に誇るカローラシリーズが、再び岩手県で生産されること、大変うれしく思います。

 岩手県は広い県土と雄大な自然に恵まれていますが、岩手工場でクルマの生産に使われるエネルギーには、岩手県企業局が運営する水力発電所などのグリーン電力が使われています。地産地消のエネルギーや社員のみなさんの技術力など、岩手の魅力、総力を結集し、カローラクロスというメイドイン岩手の力が1つまた増えたなというふうに感じております。

 岩手県ではトヨタ自動車東日本や県内トヨタ販売店をはじめとした関係者のみなさまとともに、トヨタが主催するラリー競技「ラリーチャレンジ」のプレ大会を来年2月、県内で初めて開催する準備を進めています。

 昨年4月、岩手工場でのLBXお披露目式に参加されたトヨタの豊田章男会長が、岩手出身のドライバー佐々木雅弘さんと一緒にLBXで岩手の道をドライブされ、「岩手には走りたくなる素晴らしい景色がある」と、高い評価をいただいたことが契機となりました。

 岩手でのラリーの開催が実現し、多くのドライバーやファンのみなさまが岩手を訪れ、岩手をフィールドにして、クルマファンがさらに増えることを期待いたします。

 本日参加されたみなさんの中には、初めて岩手の道を走られる方も多いと思います。岩手県は3つの世界遺産、2つの国立公園、そしてジオパークなど雄大な自然、そして歴史があります。また、メジャーリーガー大谷翔平選手が生まれ育ったところでもあります。

 みなさんの愛車で岩手の道を走り、魅力や景色に触れて、家族や友人のみなさんにぜひ広めていただきたいと思います。

 結びにトヨタ自動車、トヨタ自動車東日本のますますのご発展、お集まりいただきましたカローラファンのみなさんがミーティングを楽しんでいただけることを祈念いたしまして、あいさつといたします。今日は本当にありがとうございます。

新しいカローラクロスの試乗会も開かれていた