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世界最大級のソーラーカーレース「BWSC2025」、東海大学の新型ソーラーカー「Tokai Challenger」が世界一奪還に向けテスト走行開始
2025年8月24日 10:26
- 2025年8月24日〜31日(現地時間) 開催
オーストラリアで8月24日~31日(現地時間)に開催される世界最大級のソーラーカーレース「Bridgestone World Solar Challenge 2025」(以下、BWSC2025)では、8月24日のレース開始に向けて各チームが準備を進めている。8月22日は、翌23日の予選に向けて準備を進める東海大学ソーラーカーチームの監督に話を聞くことができた。
「Bridgestone World Solar Challenge 2025」は、太陽光のみを動力源として、オーストラリア北部の都市「ダーウィン」から南部の都市「アデレード」までの約3000kmを総走行時間で競うソーラーカーレース。1987年から2年に一度開催されており、今大会で16回目を迎える。
東海大学のソーラーカーチームは、1993年からBWSCに参戦し、2009年と2011年の大会で2連覇を成し遂げている。BWSC2025では、新型ソーラーカー「Tokai Challenger」を新開発して世界一奪還を目指すという。
この日、チームは新型ソーラーカー「Tokai Challenger」の車検を受けていた。車検項目にある8の字走行では軽快な動きで試験をパスし、その後は車検会場の周辺道路でテスト走行を実施した。
新型ソーラーカー「Tokai Challenger」は動きが軽快なだけでなく、車両も人の力で持ち上げられるほど軽量な仕上がりだ。今大会ではレギュレーションの変更により、ソーラーパネルからの電力を蓄電するバッテリ容量が従来よりも小さくなったことが軽量化の一因だが、一方でエネルギーマネジメントの重要性が増しているという。東海大学のピットにはスターリンクのアンテナが設置され、インターネットの通信環境を確保している。大会本番中も、日本で活動する衛星画像処理チームや情報支援チームなどと連携し、天候の様子を解析してレース戦略に反映させるという。
ここまでの仕上がりについて、チームの監督を務める同大学工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻 教授の福田紘大氏は「前回大会よりは走れて準備もできてきているので、勝負したいという気持ちがある半面、やはりここに来てさまざまなマシンを見るとレベルの高さを感じます。チーム一丸で頑張ればいい結果が出るかなと思いますが、こればかりは分かりません」とコメントした。
東海大学のソーラーカーチームの特徴について、東海大学学長であり、同大学工学部機械システム工学科 教授として監督も務める木村英樹氏は「教職員が学生と一緒に活動するチームである点も、このチームのいいところなのかなと。また、産学連携も強く、単なるスポンサーとしてではなく、技術的に専門的な情報や知識、ノウハウも共に提供いただけるところが大きいです」と話す。
そういった環境が学生の教育とスキル向上に繋がっていくと、木村氏は言う。「専門知識が伸びることが期待できるとともに、この大会は人間力がかなり磨かれます。チームワークがないとどうにもならないし、コミュニケーションが取れないとやっていけません。いろいろつらい思いもするかもしれませんが、その分、忍耐力も含めて成長しますし、あとは交渉力ですね。交渉しないといろんなことが通りませんから」と、チームで一つのミッションを成し遂げる教育面での効果について話した。
また、今大会ではこれまでの10月開催から8月開催へと時期も変更された。木村氏は「8月に走らなければいけないというのは、少しドキドキしますね。初めてのことです。この状況で走るのはこれまで通りにはいきませんから、過去の経験が逆に邪魔をするかもしれないと感じるほどです。初心に帰ってレースに臨まないといけません」と感想を話した。





