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東海大学、「2019 ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」参戦車両の新型「Tokai challenger」をテスト走行

ブリヂストン 栃木プルービンググラウンドの高速周回路を走行

2019年9月1日実施

東海大学 チャレンジセンター・ライトパワープロジェクトの新型「Tokai challenger」

 10月13日~20日(現地時間)にオーストラリアで開催される、世界最高峰といわれるソーラーカーレース「2019 ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」に参戦する東海大学 チャレンジセンター・ライトパワープロジェクトのソーラーカーチームが、ブリヂストンのテストコースで走行テストを行なった。

 今回参戦する車両は新型の「Tokai challenger」で、基本的な形状はこれまでを踏襲しながら2017年のクルマを進化させ、軽量化とコクピット形状を最適化して空力や発電量を効率化させたという。

東海大学の新型ソーラーカー「Tokai challenger」のテスト走行

 Tokai challengerのボディサイズは4970×1200×1000mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは1700mm、トレッドは610mm。車両重量は推定140kg。太陽光のみの順速度は90km/hで最高速度は理論値150km/h、レース設定で120km/h。太陽電池は出力962W、太陽電池面積は3.996m となる。

 9月1日に行なわれたテスト走行では周回路で高速走行を試験を行ない、100km/h以上で問題なくコントロールできるかという点を確認した。また、スラロームでパイロンの間をジグザグ走行して、ドライバーが安心して運転できるかという点も確認ができたという。その上で見つかった課題についても、本戦までに克服する予定。

 また、今回は太陽電池にシリコンタイプを採用。テスト走行日の天候は全体的に薄曇りで、わずかに太陽が顔を出す瞬間がある一方で、何度か顔に感じる雨粒が落ちてくるという天候。この程度の天候でも多少発電が行なわれるので、次の晴れ間まで引き継ぐような走行ができるという。

 タイヤはブリヂストンの「ECOPIA with ologic」を使用するが、チームによれば今年のモデルは適度に弾力がありながら剛性があり、乗った感じのフィーリングも改良されているという。消費電力における性能でも、今回の走行テストの前に行なったテストで、前回の2017年よりも消費電力が下がることも実証されていることが強調された。

 なお、午前中の走行において、左後輪がパンクするという事態が発生したが、これはコース上に落ちていた鋭利なものが刺さったため。偏摩耗といった問題ではなく、単なる偶発的なトラブルとして、特に問題ではないと判断している。

ピットで作業する東海大学チーム
タイヤは「ECOPIA with ologic」
PCを接続して作業中
ボディはカーボンによるもの
アッパーボディにはシリコンタイプの太陽電池パネルが装着される
走行に向けてアッパーボディを装着する
ドライバーがコクピットに収まった。コクピット部のみ開閉することも可能
ピットを出てコースに向かう
高速周回路に搬送車を従えて入っていく
スラロームでパイロンの間を縫って走る
東海大学の新型ソーラーカー「Tokai challenger」のスラロームテスト走行

高速周回路でロングランテスト

 栃木県那須塩原市にある「ブリヂストン 栃木プルービンググラウンド」では、朝から夕方にかけて走行テストが行なわれた。高速周回路では高速走行とロングランのテスト、周回路以外ではスラローム走行のテストを行なった。すでにこのコースでは国内から参戦する工学院大学、名古屋工業大学、呉港高等学校が7月にテストを行なっている。

高速周回路でバンクを走行中。速度によってさらに上のレーンを走ることもあった
高速周回路を走行中
間近で見ると静かながらかなりの速度が出ていることが分かる
バンク走行を後方から見る
搬送車を従えて高速周回路からコースアウト
ピットに入り、次の走行に向けて準備が行なわれる

 今回のテストのあとは、秋田県大潟村にあるソーラーカー専用の1周25kmのコースを使い、オーストラリアを想定したデータ取得やチーム運営を確認。その上でオーストラリアに出発するという。

東海大学の新型ソーラーカー「Tokai challenger」が高速周回路を走行!
東海大学チーム