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スーパーフォーミュラ、WRCチャンピオン カッレ・ロバンペラ選手の参戦発表を「本当にうれしかった、素晴らしいですよね」

12月10日~12日開催の鈴鹿テストが初走行の可能性

世界最年少WRCチャンピオンであり、2年連続WRCチャンピオンであるカッレ・ロバンペラ選手がスーパーフォーミュラに参戦

 スーパーフォーミュラを運営するJRP(日本レースプロモーション)は10月11日、第9戦富士を開催中の富士スピードウェイでメディア向け会見「サタデーミーティング」を実施した。そこで話題になったのが、WRC(世界ラリー選手権)で最年少チャンピオンを獲得し、天才ドライバーとも言われているカッレ・ロバンペラ選手の参戦。

 ロバンペラ選手は、現在TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamから世界ラリー選手権に参戦しており、第11戦終了時点でランキング3位につける。というよりも、WRC最年少優勝、最年少チャンピオンの経歴を持ち、すでに2度のWRCチャンピオンを獲得し、ラリー人気の高い地元フィンランドで英雄のポジションを確立している。

New Chapter

 ロバンペラ選手が世界的に天才と言われているのが、8歳のときにドリフトをしている映像をYouTubeに公開しており、子供のときからその走りが注目されてきたことにある。その後、TOYOTA GAZOO Racingに所属し、見事に2022年、2023年のWRCチャンピオンを連続して獲得。2024年は休養し、本年は前述のようにランキング3位に位置している。

 そのロバンペラ選手が10月10日に自身のYouTubeでスーパーフォーミュラへの2026年からの参戦を「New Chapter」として発表。WRC世界チャンピオンの発表だけに、世界的に大きな話題になっている。

ラリーフィンランドで観客に応えるロバンペラ選手
2025年のラリーフィンランドでは、最終ステージでベストタイムを出して優勝。地元フィンランドの会場は、大興奮の観客が大騒ぎ

 JRP 上野禎久社長はロバンペラ選手の参戦について、「発表以降、多数のメディアから、海外のメディアから取材したい」という要望をもらっているという。そのため、その要望にスーパーフォーミュラが応えられるか、受け入れ体制や世界へ向けての発信体制も問われる事態になっているとのこと。それに対応できるような、「組織も強くしていこうといった議論を進めている」と、注目度の高さを明かした。

 突然の発表だっただけに最初にニュースを聞いたときには、「最初はちょっと理解できなかった。二度目、二度目くらいして、3回くらいして、もしかして!という感じで、やっと驚いた」とのこと。

「彼が新しいステージを、次の新しいステージのスタートとしてこのカテゴリーを選んでもらったことが、本当にうれしくて。フィンランドの大谷翔平ですよね? ラリーチャンピオンが、本人は明言しませんけども、多分この先にいろんなヨーロッパのがあると思うんで。そんな夢の世界が起きたときに世の中がどうなるのか? そのスタートが我々のレースであるってことが本当にうれしかった、素晴らしいですよね。めちゃくちゃ見てみたい。今日なんか速かったかもしれないけど(会見日は雨)」(上野社長)と、若干興奮気味で、運営者におけるインパクトの強さが伝わってくるもの。

 一方、参戦チームの運営も行なっている近藤真彦会長は、「彼に、挑戦するというか、胸を貸す日本選手との精神的なバトルだったり。すごく期待しているんですけど。日本選手の心の中では『そんな甘いもんじゃない』と、みなさんそう言っていると思うんですけれども。彼は多分、重々承知の上でくる。覚悟はできていると思いますので彼をいかに攻略していくか、それとも彼がいかに日本人とサーキットを攻略するかというところも見応えがあって、個人的にも本当に楽しい」と語る。

 実際に日本のサーキットで走り出さないと実力は分かりにくいし、1台1台走るラリーと集団での駆け引きのあるサーキットレースは異なる部分が多い。それだけに8歳のときからドリフト走行をマスターし、最年少WRC世界チャンピオンに駆け上った天才ドライバーがどのような戦いを見せるのか興味はつきない。しかも、それが日本のスーパーフォーミュラで見られるというのは、特別な年になるのは間違いないだろう。

ラリージャパンの際に日本を訪れたロバンペラ選手(右)

 ロバンペラ選手は、2027年はF2に挑戦することを語っており、2026年のスーパーフォーミュラは要注目である。

 上野社長によると、ロバンペラ選手がスーパーフォーミュラで走り出すのは、「おそらく鈴鹿のテストからではないか」とのこと。ルーキーテストも行なわれるこの鈴鹿テストは、12月10日~13日の3日間が予定されている。