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日産、電動スライド式ソーラーシステム「Ao-Solar Extender(あおぞらエクステンダー)」を搭載したサクラ プロトタイプ

ジャパンモビリティショー 2025の主催者プログラム「Tokyo Future Tour 2035」内で展示

2025年10月22日 発表
「サクラ」に車載用電動スライド式ソーラーシステム「Ao-Solar Extender(あおぞらエクステンダー)」を搭載したプロトタイプ

 日産自動車は10月22日、「ジャパンモビリティショー 2025」(プレスデー:10月29日~30日/一般公開日:10月31日~11月9日)の主催者プログラム「Tokyo Future Tour 2035」のFUTURE CITY LIFEゾーンにおいて、軽自動車のEV(電気自動車)「サクラ」に車載用電動スライド式ソーラーシステム「Ao-Solar Extender(あおぞらエクステンダー)」を搭載したプロトタイプを出展すると発表した。

 今回発表した「Ao-Solar Extender」は、日産が開発した電動スライド式のソーラーシステムを指す。EV充電の手間を減らすため、年間最大約3000km相当の走行に必要な電力を太陽光発電でまかなうことを目指すという。

 今回サクラの利用方法を分析した結果、買い物や送迎などの近距離利用が多く、年間約3000km相当の発電量があれば、外部からの充電がほぼ不要となるユーザーが一定数いると見込んでいる。これにより自宅充電時の手間や充電費用の節約、容量不足によるブレーカー作動、充電忘れなどのストレスが大幅に低減されることとなる。また、「Ao-Solar Extender」は太陽光で発電するため、災害時の電源として活用されることも見込んでいる。

写真右が今回のプロトタイプモデルで、左は試作車1号。試作車は純正のボディカラーで、プロトタイプモデルは撮影日が曇り空だったため分かりにくいが淡いブルーとなっており、このモデルのためのカラーになっている

 走行中は車体のルーフに搭載されたメインパネルが最大約300Wの電力を生成し、停車時には発電モードとして収納されていた補助パネルが前方に電動でスライドして展開し、ソーラーパネルの表面積が拡張する。この拡張された状態での発電能力は合計約500Wになる。

 また、展開したソーラーパネルがフロントガラスに照射する太陽光を遮断することで駐停車時の車室内の温度上昇をおさえ、エアコンの消費電力の抑制にもつながる。これについては「Ao-Solar Extender」搭載モデルと非搭載モデルを炎天下で比較したところ、体感できるレベルで温度差があったという。

 なお、「Ao-Solar Extender」は現段階ではコンセプトとなるものの実用化を目指しており、性能、デザイン、価格にとくにこだわっているとのこと。その価格について、すでにトヨタやスバルではソーラーパネルをオプション設定しているモデルがあり、そのあたりとかけ離れないものを目指していくことになりそうだ。

ソーラーパネルが収まった状態では最大約300Wの電力を生成
ソーラーパネルが展開されると発電能力は合計約500Wに
停車時に発電モードとして収納されていた補助パネルが前方にスライドして展開される
ホイールも特注。タイヤサイズは165/40R17
テールゲートにバッヂが備わる