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フェラーリ、初のデジタルハイパーカー「F76」 ル・マン24時間レース初優勝から76年の記念モデル
2025年10月28日 13:46
- 2025年10月25日（現地時間）発表
フェラーリは10月25日（現地時間）、初となるNFT形式のデジタル専用モデル「F76」を発表した。
F76という名称は、フェラーリが1949年にルイジ・キネッティ氏とロード・セルスドン氏のコンビが、ツーリングボディの「166MMバルケッタ」を駆り、ル・マン24時間レースで初優勝を飾った年から76年目の節目を称えたもの。
量産車ではなく、フェラーリのレーシング伝統と生成型デザイン、デジタル技術の融合による革新的なバーチャルプロジェクトであり、ブランド体験の新たなフロンティアを切りひらくモデルとなる。また、限定プログラム「Hyperclub」の顧客向けに開発されたモデルで、ル・マンおよびWEC（世界耐久選手権）に参戦する「499P」を応援しながら、フェラーリのレーシングチームと共に旅を歩むことを可能にするデジタルアセットの1つという位置づけ。
新たなテクニカル・スタイリング言語を採用
F76のデザインは、フラビオ・マンゾーニ氏が率いるフェラーリ・スタイリング・センターが手掛け、未来のフェラーリの姿を予見するデザインマニフェストを採用。フォルム、機能、パフォーマンスが1つの有機体のように融合するパラメトリックアプローチを通して、自動車デザインの限界を再定義する、先見性のあるプロジェクトとなっている。
また、バイオミメティクス、建築原理、エンジニアリング、そしてコンピュータサイエンスの融合から生まれた革新的なソリューションは、自動車デザインに新たな地平を切りひらき、単なるスタイリングの域を超え、数々のソリューションの開発につながるという。
最大の特徴は、空気の流れを徹底的に追求して生まれた二重構造ボディ「ダブル・フューゼラージュ」で、ドライバーとパッセンジャーエリアを分離させつつ、ホイールベースを一直線につなげるキャビンなど、新たなボディワークを生み出している。また、ウイング形状と洗練されたボディは、気流を前方で分岐させ、後方で再び合流させるという独自のディフューザーの効率を発生させる。
サイドは「F80」を彷彿とさせる垂直のスリットを採用し、張り詰めたテクニカルなウイングラインと彫刻的なボディのコントラストなど、新たなテクニカル・スタイリング言語は、将来の市販モデルにつながることを示唆するという。
ボディ中央部には側面にルーバーを備えた立体的なカラーリングが施され、デザインを強調。リアセクションはトポロジー最適化によって、複雑な形状が冷却気流を導き、内部コンポーネントの放熱性能を最大化する設計。
フロントはF80の特徴である“フローティング・スプリッター・コンセプト”思想をさらに発展。中央部分は下部を空気が流れるようになっているほか、左右に配置するヘッドライトは、1970年～80年代のフェラーリが採用していたポップアップ式ヘッドライトへのオマージュで、F76と伝統的なキャラクターをつなぐ役割を果たすという。
リアは、トレッド幅に配置された特徴的な2本の垂直ディフューザーと、ボディ幅いっぱいのアッパーウイングを備え、4つのテールランプはウイングと統合されている。
インテリアは同乗体験を最大化する設計で、ドライブバイワイヤ技術を活用した2つの独立したコックピットとなっていて、ステアリングホイールからペダルまで、すべての運転コンポーネントは同期して、両方の乗員が感覚をリアルタイムで体験して共有できる仕組みを採用。
また、様々なデザインオプションも選択可能で、オーナーは自分だけのF76を生み出せるという。
