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フォーミュラE、2026/27シーズン投入予定の次世代マシン「GEN4」公開 最大815HPのアクティブ四輪駆動モデルに
2025年11月7日 21:31
- 2025年11月5日 発表
フォーミュラEとFIA(国際自動車連盟)は11月5日、2026/27年シーズンのABB FIAフォーミュラE世界選手権でデビュー予定の次世代フォーミュラEマシン「GEN4」を発表した。最大600kW(約815HP相当)の出力に加え、アクティブ四輪駆動を採用することにより、レースそのものの定義を塗り替えるモデルになるという。
今後、GEN4はABB FIAフォーミュラE世界選手権に登録するGEN4メーカーのポルシェ、日産、ステランティス、ジャガー、ローラによるテストプログラムに入るとしている。
GEN4は、450kWの最大レース出力と、オーバーテイク時に発動する600kWのアタックモードを採用。さらに、700kWの強化型回生ブレーキシステムを搭載し、レースエネルギー容量も最大55kWhへと拡大したことで、より大胆かつ多様なレース戦略を可能にする。
また、アクティブ四輪駆動やアクティブ・ディファレンシャルをはじめとするGEN4のあらゆる機能は、EVが持つテクノロジーの粋を体現し、メーカー各社の市販車開発や将来の車両イノベーションに、これまで以上に直結するとした。
GEN4には、予選でのパフォーマンスを最大化する高ダウンフォース仕様と、レース本番に特化した低ダウンフォース仕様の2種類の異なる空力コンフィギュレーションを採用。この2モード構成により、コース特性やコンディションに応じて最適な空力バランスを実現し、トラック上で他に類を見ない走行性能を発揮する。
さらに、GEN4ではモータースポーツ史上最もサステナブルなレースカーとして、あらゆる段階でサーキュラーデザイン(循環型設計)の理念を進化させた。マシンの構造には100%リサイクル可能な素材を使用し、環境責任の新たなベンチマークを打ち立てた。そのほかにもバッテリシステムから次世代タイヤ、先進的なボディワークに至るまで、GEN4のサプライチェーンを構成するすべての部品は、倫理的な調達(エシカルソーシング)、リサイクル性、環境負荷の低減という厳格な基準に基づいて選定されたとしている。
これらの革新により、GEN4は単にスピードとパフォーマンスを追求するマシンではなく、スポーツ界、そしてその先の未来においてサステナビリティを切り開く存在になるとのこと。
フォーミュラE CEOのジェフ・ドッズ氏は「GEN4は、単なるレースカーではありません。それは、電動レースの分野における10年以上にわたる進化、革新、そして情熱の結晶です。FIAとの共同開発によって誕生したこのマシンは、これまでで最も先進的で、挑戦的かつ持続可能なマシンであり、パフォーマンスと環境責任の両面で“可能性”の概念を塗り替えます。GEN4の登場によって、フォーミュラEは世界で最も未来志向のスポーツとしての地位をさらに確固たるものとし、真の意味で革新の先駆者“レーシング・パイオニア”であることを改めて示します」とコメントしている。






