新型「RAV4」に豊田合成のゴムのリサイクル材を用いたウェザーストリップを採用

新型RAV4のウェザーストリップにゴムのリサイクル材が用いられた

　豊田合成は12月24日、ゴムのリサイクル材を高い割合で配合したウェザーストリップを実用化し、トヨタ自動車の新型「RAV4」に採用されたと発表した。今回のRAV4への採用を皮切りにリサイクル技術の適用を広げ、脱炭素・資源循環に貢献していくとしている。

　現在、鉄やプラスチックなどの部品の資源循環が進む一方、ゴムはリサイクルが難しく焼却処分（熱利用）が一般的となっている。リサイクルにはゴムに弾性を持たせる化学結合（硫黄結合）を熱や圧力で解く「脱硫」が必要となるが、それ以外の化学結合も切れることで強度などが低下するほか、特有の臭いが残ることが課題となっていた。

　豊田合成は独自開発した脱硫技術の改良を重ね、ゴム廃材から再生したゴム素材の品質を高めることで、自動車部品に使用できるリサイクル材の割合を従来の5％以下から20％に向上。新材の部品と同等の性能を確保しつつ、リサイクルを実現させた。

再生したゴム素材が用いられている部分

　今後、ゴムホースなどの合成ゴム（ウェザーストリップと同種のエチレンプロピレンゴムを用いた部品）に加え、使用量の多い天然ゴムへの技術適用も視野に開発を推進するとともに、ゴムを廃車から回収して再生する循環システムの確立を目指して自動車メーカーなどとも連携し、リサイクルで業界をリードしていくとした。