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TDK、「TMRセンサー」や「ハプティックセンサー」などを活用した車載ソリューションをCES2026に出展
2026年1月19日 11:58
- 2026年1月6日〜9日(現地時間) 開催
TDKと言えば、多くの一般消費者にとっては「かつてはカセットテープでナンバーワンだったブランド」というイメージではないだろうか。それはそれで正しいのだが、今やTDKはカセットテープの時代に培った磁性技術などを応用して、多くの分野でナンバーワンシェアを持つテクノロジー企業となっている。
1月6日~1月9日(現地時間)には、米国ラスベガスで開催されたCESに出展し、同社の自動車向け、産業向け、そして一般消費者向けの各種磁性技術応用製品を展示して注目を集めた。
ブレーキアクチュエーターの状況をチェックするTMRセンサーや、画面の押した場所が分かるハプティックセンサー
自動車向けのソリューションとしては、「TAS2142」と呼ばれるTMR角度センサーを利用し、角度を検出するソリューションを展示。これを利用すると、ブレーキのアクチュエーターの状況を正確に把握できるという。TMRセンサーは、TMR素子という最新の素子を利用している磁気センサーで、従来のGMR素子やAMR素子を利用した場合と比較して、より大きな出力が可能になる。出力が大きくなると、デジタルデータに変換するときにより詳細なデータにできるため、アナログ機器であるアクチュエーターの状況などをより正確に把握できるのだ。また、経年変化も少ないため、車載用途のような製品のライフサイクルが長い製品の採用に適している。
もともとTMRセンサーは、PCやデータセンターなどで活用されているHDD(Hard Disk Drive)のような磁気ドライブの再生素子として利用されてきたが、近年は自動車だけでなくさまざまな応用事例が増えている。PCゲーミング用のコントローラに採用されることも増えており、TDKブースでもTMRセンサーを利用したハンドルコントローラーがその事例の1つとして紹介されていた。前述の通り、TMRセンサーはハンドルのわずかな動きも検出できるため、プレイヤーはよりリニアな操作感を体感できるのだ。
他にもTDKは、同社が「PowerHAP」として提供している触覚フィードバック(英語ではハプティックと呼ばれる)センサーを紹介。TDKのPowerHAPは1つのハプティックセンサーで、ディスプレー全体をカバーでき、同時にユーザーが押した場所によって強弱を変えることで、ユーザーが押した場所でだけフィードバックがあるようにできる。「現在の車載ディスプレーに採用されているようなハプティックでは、どこを触っても同じようなフィードバックになってしまうため、ユーザーがどこを触っているのかイマイチよく分からないという弱点があるが、このPowerHAPでは解消できる」と展示員が説明してくれた。
XR用のソリューション、データセンター向けソリューションなども展示される
TDKは他にもXR(クロスリアリティ)用の新しい技術を出展。XR用の眼鏡デバイスは、CESでの注目製品の1つだが、TDKが展示したのはその眼鏡型ディスプレーの表示を進化させるデバイス。
TDKが開発してCES 2024で発表したのが、「Meta-Optic Mirror」と呼ばれる網膜反射型のディスプレーデバイスだ。非常にざっくり言うと、光源となるMEMS Mirrorと呼ばれるセンサーからレーザー光が照射され、それを眼鏡デバイスに装着しているミラーで反射させて網膜に画像を見せるという構造のディスプレーになる。今回のCES 2026では眼鏡のレンズの中にこのミラーを内蔵することで、これまでの目の前に大きなミラーがあったという違和感を減退させていた。
また、TDKは子会社となるTDK AIsightが「SED0112」という超低消費電力なAI推論機能を持つDSPを発表しており、今後そうした製品を活用して、より軽量で小型のXRグラスが製造可能になると説明している。この他にもデータセンター向けのシリコンフォトニクスと呼ばれる半導体と光通信の融合技術を高速化する「Spin Photo Detector」なども紹介されていた。















