ニュース

TDK、ライトのオートレベリング義務化に向けた「車載用6軸慣性計測ユニット」など人とくるまのテクノロジー展2025横浜で展示

2025年5月21日~23日 開催
入場無料(登録制)
薄型スピーカーや、アクティブノイズキャンセリング技術をまとめたカプセル

 神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で、自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」が5月21日~23日の会期で行なわれている。入場料は無料(登録制)。

 さまざまな電子部品を手がけるTDKは、展示ホール279にブースを設置。車載用6軸慣性計測ユニットをはじめ、センサーモジュール、電子部品、ノイズキャンセリングソリューションなどを展示した。

車載用6軸慣性計測ユニット

 車載用6軸慣性計測ユニットはすでに評価基板を提供中。カーナビやテレマティクス、ADASや傾きなどの検出に幅広く使えるが、ブースのデモではヘッドライトのオートレベリングでの活用を模型で実演した。

計測チップはこちら
車載用6軸慣性計測ユニットを使ってヘッドライトのオートレベリングをデモ。光軸は赤い線で示していて、クルマの角度を変えると光軸が水平になるように自動調整される

 車載用6軸慣性計測ユニットはさまざまなものに使えるが、オートレベリングのデモを行なったのは、2027年にヘッドライトのオートレベリングが義務化が拡大されることもあり、センサーの需要が高まっているから。評価基板のほか、チップ自体もすでに量産体制に入っているという。

超音波センサーモジュール

 センサーではブレーキの状態を細かく監視できる磁気センサーや、BEV(バッテリ電気自動車)のモーター制御に関わる各種センサーなども展示した。

BEVのモーターのセンサーをTDK製に置き換えたカットモデル

 超音波センサーは、検出回路まで含んだモジュールを展示した。クルマのコーナーセンサーに使う超音波センサーは検出回路は別のECUが担当するため、超音波センサーだけのものだが、今回、検出回路まで含んだ超音波センサーモジュールを展示して需要を探るという。

超音波センサーモジュール

 電子部品では車載ネットワークに関するもの、車載機器の電源に関するものなど多数をそろえた。BEVやPHEV(プラグインハイブリッド車)やその急速充電器などに使う高電圧コンタクタは最大スイッチング1000VDC、500Aまで対応する。

電子部品たち
BEVやPHEVに使われる減高電圧コンタクタ

 電源関連では走行用でなくてもADASの高機能化などにより使用電力も増えているため、機器の電源ライン用大電流チップビーズは、容量を維持しながら小型化したものと、より大容量化したMPZ-PHシリーズを用意した。

電源ライン用大電流チップビーズ MPZ-PHシリーズ

 また、ADASでカメラの設置が多くなるが、カメラの信号線と電源線を重畳して1本の同軸ケーブルでまとめて伝送するPoC(Power over Coax)化が進んでいる。ケーブル削減による軽量化やコスト削減につながることもある技術だが、そのため電源と信号を分離するPoC用インダクターも多数そろえている。

PoC(Power over Coax)化されたときに必要なインダクター

 そのほか、ノイズキャンセリングソリューションの展示では、薄型スピーカーやアクティブノイズキャンセリング技術をまとめたカプセルを備え、試すことができた。

閉鎖でない空間でノイズキャンセリングを実感できるデモ