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ミシュラン、「パイロットスポーツ 5 エナジー」「プライマシー 5 エナジー」発表会 両製品とも「環境にやさしく、日々の移動が安心で楽しいものになる」と須藤元社長
2026年1月30日 07:00
- 2026年1月29日 実施
日本ミシュランタイヤは1月29日、ハイグリップスポーツタイヤ「パイロットスポーツ 5 エナジー」と、プレミアムコンフォートタイヤ「プライマシー 5 エナジー」を発表した。
パイロットスポーツ 5 エナジーは18インチ~21インチの全17サイズ、プライマシー 5 エナジーは16インチ~21インチの全21サイズを4月1日から順次発売する。価格はどちらもオープンプライス。
発表同日に行なわれた発表会では、日本ミシュランタイヤ 代表取締役社長 須藤元氏があいさつし、両製品とも「“環境性能”と“走る愉しさ・上質さ”のどちらも妥協しないという、ミシュランが長年追い求めてきた想いをさらに1歩前進させた製品」と紹介。「本日ご紹介する“エナジー”を冠したパイロットスポーツシリーズと、プレミアムコンフォートタイヤのプライマシーシリーズのこの新たな製品は、環境と性能の両立にこだわり抜いた製品です。環境にやさしく、お客さまの日々の移動が、より安心で楽しいものになると私は確信しております」と期待を述べた。
続けて、新製品について日本ミシュランタイヤ 乗用車・商用車タイヤ事業部 マーケティング部 ブランド戦略マネージャー 神取孝司氏と、同 乗用車・商用車タイヤ事業部 プロダクトマーケティングマネージャー 越智宏氏がプレゼンテーションを行なった。
今回発表された両製品は、走りを楽しむ「パイロットスポーツ」シリーズと、くつろぎを味わう「プライマシー」シリーズに追加されるラインアップとなり、これまで主に電動車をターゲットとしていた「パイロットスポーツ EV」と、低燃費性能と環境性能を向上させたプレミアムコンフォートタイヤ「e・プライマシー」に代わる製品となる。
開発背景として、安全装備の充実やSUVの人気上昇、電動化によるバッテリの積載などにより、昨今はクルマが重くなっていることがあるという。車重が増加することによりタイヤに対する負荷も上がり、タイヤの減りが早くなってしまうことから、ミシュランは転がり性能や静粛性、ハンドリング性能をキープもしくは上げつつ、クルマが重くなってもなるべく減りづらいタイヤを開発するに至ったとのこと。
また、ミシュランが調査をした結果、ミシュランが製品を提供するターゲット消費者は、市場全体の平均と比較して、製品が環境に配慮されているかどうかを気にすることがわかったという。実際に環境に配慮している製品の販売本数が年を追うごとに増えていることから、パイロットスポーツシリーズと、プライマシーシリーズに新しい製品を誕生させるに至ったとした。
パイロットスポーツ 5 エナジーは「環境性能と楽しさを磨き上げたハイグリップスポーツタイヤ」をコンセプトに、楽しさだけではなく環境にも貢献できる先進的な製品を求める消費者にターゲットを定め、ドライビング性能に加え、製品をクルマに装着した際に間接的に環境負荷の軽減にも貢献できるよう、転がり抵抗性能、燃費性能、ロングライフ性能、すべての性能を高い次元でバランスさせた。
パイロットスポーツ 5 エナジーは、併売する「パイロットスポーツ 5」との個性の違いを明確にすることで、どちらのタイヤを購入すればいいのかがわかりやすくしているとのこと。具体的には、JATMA(日本自動車タイヤ協会)が策定したラベリング制度でパイロットスポーツ 5は転がり抵抗性能が「A」、ウェット性能が「a」となるのに対して、パイロットスポーツ 5 エナジーは転がり抵抗性能が「AAA」もしくは「AA」、ウェット性能が「b」と、タイヤの性格の違いをはっきりとさせている。
加えて、ミシュランでも初の試みとして、サイドウォールだけでなく、トレッドの溝底にも深みのある上質な黒さとベルベットのような高級感を付与する「フルリングプレミアムタッチ」加工を施し、溝とブロックのコントラストをはっきりさせることで、ハンドルを切ってタイヤが見えたときにより魅力的に見えるようにした。
プライマシー 5 エナジーは、「環境性能と上質さを磨き上げたプレミアムコンフォートタイヤ」をコンセプトに、プライマシー 5 エナジーを装着することで快適性に加えて、低燃費性能とロングライフといった環境性能にも配慮できる、高いトータルパフォーマンスを兼ね備えた製品を求めている消費者をターゲットとした。
プライマシー 5 エナジーは「プライマシー 5」との併売となり、JATMAのラベリング制度で、プライマシー 5は転がり抵抗性能が「AA」、ウェット性能が「a」なのに対して、新製品のプライマシー 5 エナジーは転がり抵抗性能が「AAA」、ウェット性能が「b」となっており、どちらも安心感と快適性はしっかり備えつつ、性能に明確な差が設けられている。
それぞれのターゲットとしては、プライマシー 5は「雨の日の安心感と快適性を最優先に考えてプレミアムコンフォート体験を求める人」、プライマシー 5 エナジーは「雨の日の安心感と快適性に、最高クラスの環境性能を兼ね備えた“プレミアムエコ”という新しい体験を求める人」となるとのこと。
プライマシー 5 エナジーのトピックとしては、新開発の「エナジーパッシブ2.0コンパウンド」を採用していること。エナジーパッシブ2.0コンパウンドは新世代のエラストマーを採用することで、JATMAのラベリング制度で転がり抵抗性能を「AAA」としながら、ウェット性能と耐摩耗性を向上させ、さらに高い次元で性能をバランスさせた。
なお、プライマシー 5 エナジーはトヨタ自動車「プリウス」(60系)に対応するサイズの195/60R17と195/50R19が新規設定されているほか、レクサスの新型EV「RZ」の新車装着タイヤとして235/45R21 101Wと235/55R19 101Vが採用されているとのこと。「今後増えていく履き替え需要に対応し、日本国内メーカーだけでなく、海外メーカーの純正装着タイヤとして続々と装着されていくことを期待しています」と、展開について希望を語った。
最後に、日本ミシュランタイヤ マーケティングディレクター 梶恵子氏が登壇。フランスに赴任中のミシュラン フランス研究開発部 夏タイヤ研究開発 総責任者 伊藤祥子氏とオンラインで結び、ミシュランが目指すサステナブルなタイヤ設計と開発に関するトークセッションが行なわれた。
伊藤氏は、日本人で初めてミシュランのフランス本社で開発プラットフォームを率いているという人物。研究開発部門だけでなく、マーケティングやサプライチェーンを担当する人物も在籍しており、ヨーロッパ以外にもアジアや南米のメンバーとも連携し、多様な視点が交わるグローバルなチームとのこと。
現在、ヨーロッパでは環境への取り組みとして、多くの製品に環境ラベルの表示が法律で義務づけられ、消費者が同じ基準で性能を比べられるようになっているという。この取り組みはタイヤにも広がっており、転がり性能、ウェットグリップ、外部騒音の3つが必ず表記され、1つの性能を上げても他の性能が下がっているとすぐに消費者にわかってしまう時代になっているという。
ミシュランでは、トータルパフォーマンスという設計思想を重要視しており、性能、燃費、ウェット、静粛性、耐久性といった、さまざまな相反する性能を高いレベルで同時に満たすことに取り組み、ラベリングが進んだことによって、ミシュランのトータルパフォーマンスがこれまで以上に伝わりやすくなっているとした。
ただ、消費者の思考として「環境のことを気にしていても、性能を妥協して我慢してまで環境にいいものを選ぶ」という人が多いわけではないという。そのため、タイヤで例えれば、他の性能を妥協して転がり抵抗だけを下げるのは技術的には可能であるものの、選ばれる製品にはならないという見解を示した。
また、ミシュラングループとして2030年までに転がり抵抗を2020年比で10%低減するという目標を掲げていると紹介。タイヤのLCA(Life Cycle Assessment)では走行時の影響が約80%と非常に大きく、この中でも転がり抵抗が大きな影響を持っているとした。そのため、転がり抵抗が低ければ低いほど燃費性能がよくなり、CO2排出量が減り、環境への影響も減らせるとのこと。もちろん、転がり抵抗だけでなく、原材料の調達から生産、使用、廃棄まで、タイヤの一生を通して環境負荷を見ていく必要があるとした。
伊藤氏は「環境、環境という話ばかりすると、日本の消費者の方はうんざりしてしまう、なんて話も以前ちょっとうかがいました。ですが、ミシュランの製品の強みというのは、環境のために他の性能を犠牲にはしないことです。開発を担当する私が自信を持って申し上げますので、皆さまにも信じていただけたらうれしいです。ミシュランはこれからも、トータルパフォーマンスを追求しながら、皆さまの今と未来の両方を支える製品を作り続けてまいります。今日の皆さまの心地よい走りのために、そして未来への投資として、ミシュランのタイヤを選んでいただけたらとてもうれしいです」とメッセージを送った。











































