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ホンダのF1初優勝マシン「RA272」のラッピングで彩られた「アフィーラ1」 東京・銀座のG735 Galleryで3月29日まで期間限定公開

2026年3月20日~29日 開催
入場料:無料
F1マシン「RA272」をモチーフとした「アフィーラ1」がRA272の実車と並んで公開中

 東京・銀座のカーギャラリー「G735 Gallery」で、SHM(ソニー・ホンダモビリティ)とHRC(ホンダ・レーシング)のコラボレーションから生み出された特別な「アフィーラ1」が3月20日~29日の期間限定で公開されている。

 この車両はSHMがモビリティ開発環境のオープン化を進める「アフィーラ(AFEELA)共創プログラム」の取り組みの一環として製作されたもので、1965年のF1世界選手権で本田技研工業が初優勝を果たしたマシン「RA272」をモチーフとして使用。外観には特別ラッピングによるリバリーが施され、ホンダが長年に渡り培ってきた“レースへの情熱”というレガシーを表現している。

RA272仕様の特別ラッピングが施されたアフィーラ1(米国仕様)
アフィーラ1にも「Calm White」と呼ばれる白系のボディカラーが設定されているが、RA272のわずかにクリームがかった白を再現するためフルラッピングを実施。塗装に関する資料はホンダにも残っていなかったため、担当者が実車とカラー見本を照らし合わせながら色の再現に取り組んだとのこと
ボンネット上に大きな日の丸も再現。カーナンバーはアフィーラ1に合わせて1となっている。フロントノーズにある「Media Bar」にはHRCのロゴマークを表示
RA272で自身としても初のF1優勝を手にしたリッチー・ギンサー選手の「GINTHER」をモチーフとしつつ、展示された「GINZA」(銀座)の地名をボンネットの両サイドに設定。フォントや色使いも忠実に再現されている
ドアパネルにはRA272のエンジンサウンドを解析した波形をデザイン
RA272のリアビューを表現するため、リアドアの後方からボディの下半分をブラックアウトしている

 また、アフィーラ1の車両演出を一括変更する「テーマ」で「HRC」を選択すると、車内の「メーターパネル」と「アンビエントライト」、フロントノーズにある「Media Bar」の表示内容が変更され、車内に設置された各ディスプレイでRA272の写真を使った壁紙などが表示される。デジタルメーターの表示は実車のRA272のメーターパネルを忠実に再現した5連メーターのデザインとなっているが、アフィーラ1はエンジンを搭載しないBEV(バッテリ電気自動車)のため、油温計や燃圧計などはバッテリ残量や外気温計に置き換えられている。

 さらに走行中はRA272に搭載された1.5リッター V型12気筒エンジン「RA272E」のサウンドを再現する「e-Motor Sound」がアクセル操作と連動して車内に響くようにするべく開発が進められており、現状ではHRCのテーマを選択したときのオープニング演出でエンジンサウンドが車内に響くようになっている。

HRCテーマを選択したアフィーラ1のインパネ
HRCテーマではデジタルメーターの表示がRA272をモチーフとした5連メーターデザインに変更。車両が米国仕様のため、速度はmph表示となっている
助手席前方にある「パノラミックスクリーン」の壁紙表示もHRC仕様となる
【SHM アフィーラ1】HRCテーマを選択したときのオープニング演出(30秒)
フロントシートのシートバックに設置される後席乗員向けのディスプレイも、RA272を使った壁紙表示に変更される
フロントノーズのMedia Barはフルカラー表示が可能で、事前に用意されている単語のほか、スマホアプリからの文字入力で自由なメッセージを表示できる

 このほかにも期間中はRA272の実車が展示され、ギャラリー内には米国仕様車のアフィーラ1を含めて3台の車両が置かれている。

ホンダのF1初優勝マシンとなったRA272
リッチー・ギンサー選手が担当した11号車
展示用に装着しているタイヤは当時のレースで実際に使用されていたグッドイヤー製。60年以上の歳月を経てガチガチに硬くなっているという
アフィーラ1のHRCテーマでも再現されたメーターパネルなども見学できる
エンジンや足まわりなども見てもらえるよう、リア側のカウルを外した状態で展示
RA272のスペック表
6月末まで展示期間が延長になった常設展示のアフィーラ1は、表通りの都道405号(外堀通り)から見える位置に置かれている
G735 Galleryの外観
G735 Galleryの場内。RA272ラッピングのアフィーラ1は中央にある柱の奥に置かれている
壁面ではRA272がF1で戦っていた当時の写真やe-Motor Sound向けのエンジンサウンド収録時の風景などを紹介するパネル展示を実施

特別展示の概要

会場:G735 Gallery
所在地:東京都中央区銀座7丁目3-5 ヒューリック銀座7丁目ビル 1階
開催日程:2026年3月20日~29日
定休日:火曜日
営業時間:11時~19時

“人の心を揺さぶるエンジンサウンド”を現代の技術で再現するためコラボを実施

ソニー・ホンダモビリティ株式会社 商品・サービス企画部 ゼネラルマネジャー 纐纈潤(こうけつじゅん)氏

 公開前日の3月19日に行なわれた報道関係者向けの事前取材会では、ソニー・ホンダモビリティ 商品・サービス企画部 ゼネラルマネジャー 纐纈潤氏からコラボレーションの概要やコラボ企画に込めたこだわりなどが説明された。

 纐纈氏はSHMやアフィーラ1の概要などの解説を行なったあと、今回の展示のきっかけとなったHRCとのコラボレーションについて紹介。アフィーラ1ではより豊かな車内体験を創出するため、モビリティ開発環境のオープン化を進める「アフィーラ共創プログラム」を展開しており、これまでにも音楽プロデューサーであるTOMOKO IDA氏やソニー・インタラクティブエンタテインメントのPS5用アクションゲーム「アストロボット」などとコラボして、和のテイストやゲームの世界観などを味わえるe-Motor Soundを開発。それぞれに合わせたテーマに組み込んでアフィーラ1で独自性ある走行感覚をシーンに合わせて選択できるようにしている。

アフィーラ1の画面表示やe-Motor Soundなどを一括変更するテーマの機能を使い、社外のクリエイターなどにアフィーラ1のe-Motor Soundなどを開発してもらう「アフィーラ共創プログラム」を展開。すでに複数のテーマがコラボ事例として開発されている
AFEELA | Co-Creation Program -e-Motor Sound「WAKYO 和響」(11秒)
AFEELA | Co-Creation Program -e-Motor Sound「アストロボット」(11秒)

 HRCとのコラボでは、世界を相手にモータースポーツで飽くなき挑戦を続けているHRCのマインドが最先端のテクノロジーでモビリティの未来を造ることに挑戦しているSHMと共通すると語り、第1弾としてホンダがF1で初優勝を果たしたRA272をモチーフとして採用。エンジンを搭載しないBEVは排気音などと無縁な静粛性が“未来感”を演出する要素になるが、一方でエンジン音には人の心を揺さぶる、言葉では言い表わせない何かがあると纐纈氏は語り、往年の名車が響かせていた心を揺さぶるエンジンサウンドを現代の技術で再現したいとの思いからコラボを行なうことになったという。

 e-Motor Soundで使用する音源はホンダが動態保存しているRA272の実車を走らせて収録が行なわれ、かつてホンダで2輪ワークスライダーを務めていた宮城光氏がドライビングを担当。また、PS5/PS4用ソフトウェア「グランツーリスモ7」を開発しているポリフォニー・デジタルの技術協力も行なわれている。

 このほかにもHRCテーマでは、ディスプレイの壁紙やデジタルメーターのリッチクラスターなどのビジュアライゼーションでHRCのデザイン協力を受けており、とくにリッチクラスターではRA272の実車で起きているメーターリングのわずかなサビなどの経年変化まで細かくこだわって再現していることが解説された。

RA272の音源収録風景
ビジュアライゼーションでもHRCのデザイン協力を受け、細部までこだわって再現している
ソニー・ホンダモビリティ:AFEELA Making of e-Motor Sound(2分2秒)