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キャデラック、高性能バッテリEV「リリックV」日本導入 キャデラック史上最速の0-96km/h加速3.3秒を実現

米GMのジム・キャンベル氏はF1鈴鹿について「大変ワクワクしている」

2026年3月25日 開催
1890万円
キャデラック品川で「リリック V」を日本初公開

デュアルモーターAWDのリリック Vは646PS&904Nmを発生

 キャデラック(ゼネラルモーターズ・ジャパン)は3月25日、キャデラック初となるBEV(バッテリ電気自動車)「リリック」の高性能モデル「リリック V(LYRIQ-V)」の販売を開始した。予約注文による期間限定の受注生産方式で、オーダー受付期間は2026年3月25日~6月21日まで。デリバリー開始は2027年初頭を予定する。価格は1890万円。

 同日、キャデラック品川(東京都品川区南品川)においてリリック Vを日本初公開し、ゼネラルモーターズ・ジャパン 代表取締役社長の若松格氏が製品概要を紹介するとともに、米GMのパフォーマンス&モータースポーツ担当副社長であるジム・キャンベル氏が参加し、今週末のF1鈴鹿に向けた意気込みなどを語った。

ゼネラルモーターズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長の若松格氏

 若松社長は、キャデラックが日本に輸入販売されてから111年目という記念すべき年に新しい車両であるリリック Vを紹介できることに感謝の意を述べるとともに、リリック Vは、キャデラック初の電気自動車として発表されたリリックをベースとし、Vシリーズとして初めてのフル電動SUVであることを紹介。

 リリックは独自のモジュラーシステムで構成された新しいバッテリEV専用プラットフォームを採用。前後それぞれの車軸にモーターを搭載したデュアルモーター仕様のeAWDシステムを備え、容量95.7 kWhのバッテリを採用。4種類のドライブモード(ツアー、スポーツ、スノー/アイス、マイモード)を用意し、前後2モーターからのシステムトータル最高出力は384kW(約522PS)、最大トルクは610Nmを発揮する。

 一方、今回のリリック Vはベースモデルと同じくデュアルモーターAWD(バッテリ容量も同じく95.7 kWh)としつつ、475kW(646PS)の最高出力と904Nmの最大トルクを実現し、専用ドライブモードの使用によってキャデラック史上最速の0-96km/h加速3.3秒という異次元のパフォーマンスを実現した。航続可能距離は471km(国土交通省届出予定値または社内測定値[参考]、航続距離はWLTPテストサイクルで、IDIADAにて実施した社内測定値)とアナウンスされている。

リリック Vのボディサイズは5005×1985×1640mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3085mm。車両重量は2680kg

 ドライブモードは「ツアー」「スポーツ」「スノー/アイス」に加え、アクセルレスポンスやブレーキフィール、サスペンションとステアリング、サウンドエンハンスメントなどを好みに応じて各種設定を記録できる「マイモード」、「リリック V」専用の「Vモード」を設定。「Vモード」は「マイモード」と同様にカスタマイズが可能で、「Vモード」ボタンを2度押せば通常走行時の車両姿勢電子制御が低減される「コンペティティブ」モードとなり、一時的に駆動出力をオーバーライドし、アクセルを踏み込んだ瞬間から圧倒的なトルクを解き放ち、サーキットでのプロフェッショナルなドライビングを可能とした。さらに長押しすればローンチコントロールが利用可能な「ヴェロシティマックス」モードへ移行し、レーシング由来の圧倒的なパワーと加速を体感できるという。「コンペティティブ」「ヴェロシティマックス」モードはクローズドコースのみでの使用に限定されている。

ドライブモード

 エクステリアではローダウン化されたフォルムに22インチの大径ホイールを備え、独自のフロントフェイシアやサイドロッカーデザインがスポーティと洗練を融合させ、キャデラックならではのラグジュアリーデザインを具現化。ダークカラーに仕上げられた専用のリバースリムVシリーズスタイルホイール、ブラックルーフが標準装備となり、ボディカラーは「ラディアントレッド ティントコート」「エメラルドレイク メタリック」を含む全5色のラインアップとした。

22インチの大径ホイールを採用。専用にセットアップされたマルチリンクサスペンションが与えられるとともに、フロントのブレーキシステムにはブレンボの6ピストンキャリパーを標準装備
バッテリ容量は95.7kWhで、日本仕様はCHAdeMOに対応

 インテリアでは対角33インチを誇る大型LEDディスプレイを採用するとともに、ステアリングホイール中央の“V”バッヂ、ステアリングアームに赤く輝くVモードボタン、レーザーアブレーション加工が施されたステアリング下部の装飾やアルミニウム製のパドルなどが与えられた。さらに“V”ロゴが刻まれたパーフォレーテッド・ナッパレザーシートのフロントシートのヘッドレスト内部にはスピーカーを装備。ノイズレスなインテリア空間と23個にも及ぶスピーカーから構成されるAKGスタジオ オーディオシステムは、Dolby Atmosによる3D音響を実現するという。

 また、EVSE(Electric Vehicle Sound Enhancement)が走行状況に応じたサウンドを生成し、AKG製車載オーディオを介して再生する。そのサウンドとシンクロした音を、車外向けの2基の専用スピーカー(45W)からVES(Vehicle Exterior Sound)として発信するギミックも備える。

 加えて「Googleビルトイン」の搭載により、車両が常にインターネット回線と接続され、必要なデータ通信は新車から8年間無償で利用できる。「Googleマップ」「Googleアシスタント」「Googleプレイストア」を通じたさまざまな機能にアクセスでき、音声によるエアコンの温度調整、ナビゲーション操作、音楽再生、メッセージ送信、通話などが行なえる。また、アプリをダウンロードすることで駐車中の映画視聴やWeb閲覧が楽しめるほか、「myCadillacアプリ」を使用することで、現在の車両状態をスマートフォンから確認することができるという。

インテリアでは対角33インチの大型LEDディスプレイをはじめ、ステアリングホイール中央の“V”バッヂ、ステアリングアームに赤く輝くVモードボタン、レーザーアブレーション加工が施されたステアリング下部の装飾やアルミニウム製のパドルなどを装備

どのグランプリでもしっかりと学び取っていきたい

米GMのパフォーマンス&モータースポーツ担当副社長であるジム・キャンベル氏

 イベントの後半では、米GMのジム・キャンベル氏が登場し、GMのモータースポーツへの取り組みについて説明した。まずキャンベル氏はレース活動を行なうことはサーキットだけでは完結しないとし、「むしろそこで培った知見をいかにその技術移管をするかというところが大切です。サーキットで学んだことを、こうしてショールームにいかにお届けするかというところにも重きを置いています」とコメント。現在はシミュレーションテクノロジーやAIも活用し、レースで要求される迅速な開発に応えると同時に、市販車の開発にもポジティブな影響が出ているという。

 加えて「モータースポーツというのはエンジニアを鍛える場として非常に最適と考えています。そして勝利を収めた暁にはブランドの価値、そしてブランドのイメージを高めることができますし、それがショールームにもうまく波及していくと考えられます。そして何よりも、今いろいろ申し上げてきましたけれども、私たちがこのレースという楽しい世界を愛しているというのが一番大きなところだと思います。そこから得られる技術的な知見であるとか、あるいはビジネス上のアドバンテージというのをキャデラック、シボレー、そしてGMとして活用させていただいております」とも述べた。

 一方、F1については参戦するまでに3年半を要したといい、2025年3月に晴れてFIAからエントリーが認められたことを紹介。今週末の鈴鹿日本グランプリについては、キャデラックとして初めて日本でのレースに参戦することに「大変ワクワクしている」と述べるとともに、鈴鹿での目標を問われたキャンベル氏は「F1というのは本当にテクノロジーの戦いの場であるとわれわれ捉えております。2025年3月から1年間、この間に非常に難しいカテゴリーだということを学びました。現時点でわれわれがフォーカスしている点ですけれども、学習をするということです。どのグランプリでもしっかりと学び取って、常に何らかの進歩を果たしていくことを目標にしています。そして私たちはF1に参戦できることを非常に大きな誇りだと感じているとともに、傲慢にならないように、中庸の精神でやっていかなければならないと捉えております。またセルジオ・ペレス、バルテリ・ボッタス、この2人をラインアップに加えることによりまして、われわれの学習の過程を早めていくことができるのではないかと捉えています」とコメントしている。