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スーパーフォーミュラにダブル小林で挑む「KDDI TGMGP TGR-DC」 ベテランの小林可夢偉と若手の小林利徠斗コンビで速やかな成長を図る

ドライバーがダブル小林となった「KDDI TGMGP TGR-DC」。小林可夢偉選手(右)と小林利徠斗選手(左)

 日本最速のモータースポーツと呼ばれることの多いスーパーフォーミュラだが、近年は無線や一部のテレメトリデータをデジタル視聴アプリの「SFgo(エスエフゴー)」で視聴できるようになっている。

 2026年のスーパーフォーミュラでは、2025年末にベテラン選手の移籍や引退などがあった結果、チームドライバーの変化も大きかった。今回話を聞いたKDDI TGMGP TGR-DCもそういったチームの一つで、若手同士の組み合わせから、ベテラン選手とルーキー選手という組み合わせに変化。2年目となったチームが、どのように成長していくのか注目されている。

カラーリングの美しいKDDI TGMGP TGR-DC。徐々に成績を上げていきたいところ

 ベテラン選手としてチームに加わったのが小林可夢偉選手、ルーキーとしてチームに加わったのが小林利徠斗選手になる。チームではダブル小林とも呼ばれているらしく、ほかにも小林さんがいるようで名前で呼ばれている。そのため、この記事も以下名前表記で進めていく。

 可夢偉選手は説明が不要なほどで日本を代表するドライバーである。元F1ドライバーでもあり、日本人最高位の3位表彰台も獲得。WEC(世界耐久選手権)のチャンピオンでもあり、ル・マン24時間ウィナーでもある。現在は、ル・マンなどを戦うトヨタWECチームの代表でもあり、ドライバーでもある。

 利徠斗選手は、現在20歳。スーパーGTには2024年から参戦しているが、スーパーフォーミュラには2025年はスポット参戦、2026年がフルシーズン参加が初めてのシーズンとなる。2023年のFIA-F4チャンピオンであり、将来が期待されている選手でもある。

小林可夢偉選手
小林利徠斗選手

 そんな組み合わせのKDDI TGMGP TGR-DCは、次世代の若手ドライバー育成を掲げているチーム。昨シーズンは若手同士の組み合わせでチームが迷い気味という印象があったが、今シーズンはベテランの可夢偉選手が移籍。監督である片岡龍也氏とともにチームの底上げを図っている。

片岡龍也監督(中央)と何やら話をする小林可夢偉選手

 実際、二人の小林選手に話を聞く機会を得たが、話を聞いている最中も可夢偉選手が利徠斗選手にアドバイス。「例えば海外に行ったときに、みんな母国語じゃないわけ。いろんな人がいる中で伝える気持ちを常に持ってエンジニアに話したりとか、メカニックに話すときもそう。自分がどういうことを気に掛けているのか」と、可夢偉選手は利徠斗選手に話しかける。

 速いクルマを作り上げていく上では、自分の持っているよいところと、マシンのセットアップの組み合わせが大切とのことで、「100個注文したら、100個全部できひん。自分がどれを意識しているのかというのを伝えなあかん。常にそういう意識を持って、それが結果、自分の結果に返ってくる」と、世界に出て行くドライバーとして伝えることの大切さを語っていた。

 利徠斗選手によると、可夢偉選手は「すごい経験を持っている小林選手からいろんなものを現時点でも学んでいる」と、あまり具体的には語ってくれなかったが、さまざまな刺激を得ているようだ。

 可夢偉選手は、時間があるとチームのメカニックとコミュニケーションを取り続け、よりよいマシンを作り上げようとしている。可夢偉選手によると、マシンのセットアップ作業は「いろんな要素があって速いクルマって作れると思うんだけど、簡単に言うと『頭のラジオ体操』」と、独特の言葉で表現。セットアップ要素、自分のドライビングの長所、そして伝える能力など、頭をフル回転する必要があるようだ。

 スーパーフォーミュラ開幕ラウンドのもてぎでは、第1戦、第2戦ともポイント獲得がならなかったKDDI TGMGP TGR-DCだが、シーズン後半に向けてどのように力を付けてくるのか着目したい。スーパーフォーミュラではSFgoにより、ドライバーとチームの無線を聞くこともできる。可夢偉選手、利徠斗選手の伝える力がどのように発揮されているのかも聞き所になるだろう。

 スーパーフォーミュラの次戦は、4月25日~26日に行なわれる第3戦九州大会 オートポリスとなる。