ニュース
HRC渡辺康治社長「シビックTYPE R HRCコンセプトの発売はあと3桁寝たら……」と言及
ホンダのTYPE Rが800台以上集まった“Honda All Type R World Meeting”
2026年5月11日 12:46
- 2026年5月9日 実施
ホンダの歴代TYPE Rシリーズオーナーを対象としたイベント「Honda All Type R World Meeting(ホンダ・オール・タイプアール・ワールド・ミーティング)2026」が、5月9日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された。今回で5回目の開催となり、前回の約550台に対し、813台(デモカー含む)のTYPE Rが集結し、オーナー同士の交流やトークショー、買い物などを楽しんだ。
午前中はモビリティリゾートもてぎのフルコースを使った体験走行や、クラス別のフリー走行会を実施。午後は特設ステージで、弊誌での連載コラムでもおなじみの自動車研究家 山本シンヤ氏と、自身も現行FL5型のシビックTYPE Rのオーナーである自動車ライターの伊藤梓氏をMCに迎えたトークショーを実施した。
ステージトークショーの1回目は、スーパーフォーミュラでSan-Ei Gen with B-Maxの監督を務める武藤英紀氏、同チームのアドバイザーを務めつつ自身でもスーパーGTやスーパー耐久にドライバーとして参戦中の大津弘樹選手、ホンダ・レーシング(HRC)代表取締役社長の渡辺康治氏も飛び入り参加して行なわれた。
なかでも、HRCが2023年にカーボンニュートラル燃料(CNF)対応のレース車両としてスーパー耐久シリーズのST-Qクラスに投入した「シビックTYPE R CNF-R」や、その流れを継承しつつ、2025年から投入された「シビックTCR(Touring Car Racing)」をベースとした「TYPE R HRC Concept(271号車)」に関するトークが繰り広げられた。
「TYPE R HRC Concept(271号車)」は、HRCとホンダアクセスが共同で空力パーツの開発を行なうなど、レース実戦で得たノウハウをフィードバックしながら、HRCの名を冠した市販パーツ「HRCパフォーマンスパーツ」の開発を目指す車両となる。
MCの山本氏から、これまでの“勝つ”ためのレースから、未来の市販商品に向けた開発との違いを聞かれた武藤氏は、「すごく価値のあることだと感じているのと、毎戦車両がアップデートしていくのは非常に楽しい」と回答。開発中のトラブルについては、「自分ともう1人伊沢(拓也氏)も開発に携わっていて、うちら2人はトラブルが起きると機嫌がわるくなるんだけど、大津くんがオブラートに包んで開発に伝えてくれるから、なんとか丸く収まっている」と会場の笑いを誘った。
また、大津選手は「勝ち負けよりも完走して開発にフィードバックとはいいつつも、ST-2クラスで同じシビックのTEAM YAMATOのマシンをターゲットにしながら走っているので、レース中は思わず熱くなってしまうシーンもあります」とついつい勝負魂に火が付いてしまう状況を披露。
武藤氏もすかさず「HRCは開発だからレースの順位は気にしないっていうのに、基準タイムを設けてくるんですよ。それ、いらなくない? と思いながらこっちは必死に走るわけです。もちろん安全な製品を開発するには限界を攻めたところで答えが見つかる場合もありますので仕方ないですけどね」と開発中の苦労を吐露した。
2023年のスーパー耐久シリーズ第2戦「富士24時間レース」での実戦デビューについて大津選手は、「初戦が富士スピードウェイで行なわれた24時間レースで、それに向けてのテストもあまりできず、24時間走り続けるのは相当ハードなので、耐久性がないなどいろんなトラブルが起きましたね。それを1個ずつアップデートしていくんですが、こんなに時間がかかるんだって感じました」と振り返った。
続いて、話題は東京オートサロン2026で公開されたコンプリートカー「シビックTYPE R HRCコンセプト」になり、MC陣がいつ発売されるのか気になって仕方がないと切り出したところ、会場の後方にいたHRCの渡辺社長を発見。
そのままステージへと呼び出して質問すると、「現在シビックTYPE Rの持つベースとしてのポテンシャルを、スーパー耐久で磨いている技術やスーパーGTの空力など、さらにレース技術で引き上げていくことを目指して開発しています」と回答。続けてMCの山本氏は、「あと何回寝たら買えますかね? 暖かい時期? 寒い時期?」とさらに追及。渡辺社長は、「あと3桁は寝ていただいて……。ちょっとそんなに近い3桁でもないかなっていう感じですけど、ぜひご期待ください」と苦笑い。また、HRCパフォーマンスパーツについては、「いわゆるあと付けするパーツで、日本とアメリカを中心に展開を予定していて、こちらもなるべく早くお届けしたい」と鋭意開発中であるとまとめた。
2回目のステージトークショーでは、ARTA ProjectにてスーパーGTのGT500クラスに挑む「16号車 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT」の指揮をとる土屋圭市監督と、Honda All Type R World Meeting2026実行委員長でもあり、YouTubeで土屋氏と共演している相沢菜々子さんが登壇。
土屋氏は、「今日もK1プランニング(自身が代表を務める会社)のFL5向け商品テストをしながら来ました。先日サスペンションを変えたのでテストしています。だいたいスポーツモードもRモードも俺には硬すぎるんだよね。NSXのTYPE Rのときもそうだったけど、ホンダの研究所はサーキット走行向けに作るでしょ。でも俺は一般道の方がやっぱり普段乗ってる時間が長いわけよ。だから、ノーマルと同じタイムが出せるしなやかなサスペンションを作りたい」と、サスペンション開発の考え方を紹介。
また当時のNSX TYPE R用のサスペンションについて、「あれは個人的に2000万円くらい身銭を使っているのよ。本当にさ、もうここでいいや! っていう感覚がなくなっちゃうのね。毎月毎月いろいろ乗っていると、もうちょっとよくなりそうだと思い、スプリング屋に『あと300g柔らかくできない?』なんていうと、もう相手にしてもらえなくなる。でもね、そういう気分にさせてくれるのがTYPE Rの奥深さなんだよね」と、自身とTYPE Rとの付き合い方について言及した。
最後に土屋氏は、「今、俺は、シビックTYPE Rをノーマルエンジンとノーマルタービンのまま、コンピュータとマフラーと足まわりで、最終的にここまで仕上げられますよという完成形を模索しているのね。使うパーツは、HKS、ブリッツ、トラストなど、メーカーとは契約していないから自由に選んで試してる。それぞれを“いいとこどり”で仕上げて、それをみんなに還元したい」と今後の目標を語ってくれた。
パドックには過去最多となる40社以上の展示ブースが登場!
イベント会場となったモビリティリゾートもてぎの第1パドックと第2パドックには、ホンダやホンダアクセス、無限をはじめ、チューニングパーツメーカー、ホイールメーカー、エアロメーカー、サスペンションメーカー、チューニングショップなど、過去最多となる40以上の展示ブースが並び、来場者は買い物や新製品の情報などを聞いて楽しんでいた。













































































