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パナソニックホールディングスの2025年度連結業績 オートモーティブ非連結化など減収減益
2026年5月14日 12:05
- 2026年5月12日 発表
パナソニックホールディングスは5月12日、2025年度(2025年4月〜2026年3月)連結業績を発表。売上高が前年比4.8%減の8兆487億円、営業利益は同44.6%減の2364億円、調整後営業利益は同4.2%減の4474億円、税引前利益は同45.9%減の2631億円、当期純利益は同45.6%減の2089億円と、減収減益の結果となった。
調整後営業利益では、車載電池において、過去の製造不具合対応費用としてマイナス400億円を計上。さらに、オートモーティブが非連結化した影響で減益になった。
パナソニックホールディングスの和仁古 明グループCFOは、「オートモーティブの非連結化の影響を除くと売上高は3%の増収。調整後営業利益でもオートモーティブの影響を除くと増益になっている」と総括した。
パナソニックホールディングスは、2024年度に、車載機器子会社のパナソニックオートモーティブシステムズを、米大手ファンドのアポロ・グローバル・マネジメント傘下の会社に売却している。同社は、2027年4月から、社名をモビテラとすることを発表している。
パナソニックグループの2025年度のセグメント別業績では、エナジーの売上高が前年比13%増の9842億円、調整後営業利益が506億円減の721億円となった。そのうち、車載電池は、北米工場は増販となったが、国内工場では減販。また、原材料の価格低下見合いの価格改定や、米国関税影響もあり、減収減益となった。
また、エナジーの2026年度業績見通しは、売上高が前年比39%増の1兆3720億円、調整後営業利益が1009億円増の1730億円と大幅な成長を見込むが、同セグメントの成長の原動力となっているのは、産業・民生分野におけるデータセンター向け蓄電システムであり、旺盛な需要が下支えしている。
今回の発表にあわせて、データセンター向け蓄電システムの事業計画を上方修正。2028年度の売上高8000億円の目標を掲げていたが、想定を上回る引き合いがあることから、1年前倒しの2027年度に8000億円を計画。2028年度は、2025年度比で約3倍となる9500億円にターゲットを引き上げることを明らかにした。
しかし、苦戦が続いた車載電池も回復基調にある。主力となる米国EV市場全体は、前年並で推移するが、パナソニックグループへのEVメーカーからの需要は、前年を上回る水準を想定しており、主要顧客の車両生産の回復に伴い、北米の電池工場の増販を見込んでいるという。
2026年度は車載電池の調整後営業利益で前年比529億円の増益を見込んでいる。このうち、400億円は前年度の製造不具合対応費用の反動によるものであるため、実質的には129億円の増益。また、2025年度に立ち上げた米カンザス工場の固定費増加もあるが、黒字を維持する。また、IRA(インフレ抑制法)を除いたベースでも、2026年度以降に黒字化させる考えを示した。
IRA補助金の調整後営業利益への計上は、2025年度実績で991億円、2026年度見通しで1190億円としている。また、車載電池事業における米国関税の影響として、2026年度にマイナス300億円を見込んでいる。車載電池の部材、セルなどが影響するという。
和仁古グループCFOは、「2025年度の米国EV市場は、EV購入者に対する補助政策IRA 30Dの終了に伴い、市況全体は悪化したが、パナソニックの車載電池事業は、北米において、前年度以上の出荷量を確保した。2026年度については、EV市況全体が緩やかに回復することに加えて、戦略顧客における米国市場でのシェア向上に伴う増産要請への対応などがあり、年間販売では46GWhを見込んでいる。車載電池を取り巻く環境の不透明感はあるが、引き続き市場動向や顧客動向に合わせて、適切に事業拡大を図っていく」とした。
2025年度における北米市場での生産実績は、38.7GWhと過去最高となったが、2026年度の46GWhの計画は、この実績を大きく上回ることになる。
戦略顧客であるテスラでは、モデル構成を大きく見直し、直近ではシェアを回復。デマンドは、前年実績を上回る水準となっており、パナソニックグループでは、テスラの車両競争力の強化に高容量化で貢献する考えを示している。具体的には、高容量セルを生産するカンザス工場の稼働率を引き上げるのに加えて、ネバダ工場でも高容量セルの生産開始を予定しているという。
また、米国生産のメリットを活かして、供給先の拡大にも取り組んでおり、2026年度上期にはルシッドへの車載電池の提供を開始し、2026年度下期にはズークスへの提供を開始する予定だ。
「46GWhという数字は、強めに見えるかもしれないが、様々な要因を複合的に勘案して、この数字を立てている」と語った。
なお、国内においては、住之江の生産拠点において、車載電池の生産ラインを改造し、データセンター向け電池の生産を開始し、2026年4月から出荷をスタートしている。車載電池については、国内のOEM顧客と量産時期を協議しているという。また、和歌山の生産拠点では4680セルの量産開始時期について、顧客と最終調整している。
今回の決算で特筆されるのが、過去の製造不具合対応費用としてマイナス400億円を計上したことだ。
パナソニック ホールディングスの楠見雄規グループCEOは、「この数字を見たときには正直驚いた」としながら、「不具合は、発火したり、燃えたりするものではない。主要顧客向けのバッテリモジュールは、2170セルをたくさん並べたものである。もし一本でも充電不良などがあれば、不具合となる。従来は、セパレータが不具合の要因となっていたが、解析が進み、極板の形状や、電池の膨張と収縮の繰り返しでも不具合が発生する可能性があるという結果が出た。すでに対策は済んでいる。今回の対応費用は未対策の車載電池のライフ全体を対象に引き当てをしておく必要があると判断したものである」と説明した。
実際に車載電池の交換が発生するのは、顧客からのクレームがあった場合となり、すべての車両の電池を交換するわけではないという。
なお、パナソニックグルーブでは、積極的な構造改革に取り組んでおり、2025年度には、車載関連において、スペインに拠点を置く自動車部品のフィコサの株式を創業家に売却した。電子ミラーなどで実績を持つ企業だ。これにより、パナソニックグループは車載機器事業ら撤退することになる。
また、2026年5月12日には、インダストリー社の車載用モーターおよび車載用冷却ファンモーター事業を、ミネベアミツミに対して、全株式を譲渡することを発表している。








