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日本に新自動車ブランド「エムタ」上陸 2027年から軽EVで日本市場に参入し2029年までに4車種展開を目指す
2026年5月29日 07:00
- 2026年5月27日 発表
EMTは5月27日、日本のモビリティ社会に新たな価値を提供する次世代自動車ブランド「EMTA(エムタ)」の立ち上げを発表した。
日本企業2社、中国企業3社の計5社によるコンソーシアム(連合体)であるEMT。発表会では新自動車ブランド「EMTA」の紹介のほか、今後の事業やブランド戦略、中長期の成長戦略について詳細なプレゼンテーションが行なわれた。
エムタの車両の開発・技術基盤は「奇瑞汽車(Chery)」が担当して最新技術やプラットフォーム、先進運転支援システム(ADAS)を提供。EV車両の製造・生産工場は大型国有企業グループの「江蘇悦達汽車集団」、車載用バッテリの供給は「国軒高科(ゴーション・ハイテック)」、日本国内での車両の販売とアフターサービスは「オートバックスセブン」、塗装設備や技術の提供は「アネスト岩田」が担当する。EVビジネスに必要なそれぞれの機能を5社が持ち寄る“水平分業型”というのが最大の特徴であると言える。
まず登壇したのは何暁慶CEO。中国自動車大手となる奇瑞汽車(Chery)の副総裁で、長年にわたって同社の海外事業のトップを歴任してきた人物だ。「今日、東京でこの重要な瞬間を迎えることができて心から光栄に思います。日本は誇りのある自動車大国で、私たちが日本に根を下ろしたのは、その長い自動車文化を心から尊敬しているからです。現在、電動化とインテリジェンスは世界中に広がり、天地をひっくり返すような変化を見せています。そしてスマホが世界を変えたように、私たちの生活は根本的に変わりました。EMTは絶え間ない努力を通して、人々に次から次へと幸せ、喜びをもたらします」とあいさつした。
続いて、事業・ブランド戦略を説明したのは打越晋CMO。東風日産などで中国でのEVビジネスを指揮し、成功体験を持つグローバルな経営者だ。
エムタとは「Easy, Made to All」の頭文字で、「すべての人の日常生活を幸せにする」ことが目標。それを具体化するキーワードは「ちょうどいい」「楽」「Wow」の3つで、向き合うのは、狭い道でのすれ違い、駐車のしづらさ、子供の送迎の気疲れ、雨の日や長時間運転の不安や緊張といった、日本の日常移動に残る身近な課題だという。
掲げたブランドプロミスは「Daily Magic」で、それを支えるのは「Magic SDV」(フルスタックのOTAで、納車後も継続的にユーザー体験や各種機能をアップデートする)、「Magic Sync」(人とクルマがシームレスに同期する技術で、クルマに乗る人ごとのプロファイルへ自動で切り替える)、「Magic EV」(複数ユニット一体型の最新eアクスルを搭載した軽EV専用プラットフォーム。圧倒的な静粛性と加速感、毎日の生活に十分な航続距離と急速充電性能を実現した)、「Magic Drive」(日本最高水準を目指した運転支援システム。エンドtoエンド方式のレベル2自動運転支援システムを搭載する)の4つのコア技術だ。具体的には2027年までに第1弾となる軽自動車規格のEVを投入し、さらに2029年までに4車種の展開を目指すという。
その4車種を紹介した画像では、白いボディの軽EVのほかに、コンパクトなハッチバック、ルーフレール付きのSUV、ミニバンの3台がシルエットとして描かれていた。なお、このシルエットそのままの形で出るかどうかは全く未定とのこと。
技術概要を説明したのは、山本浩二CTO。元日産自動車でEV「リーフ」の開発を率いたその人だ。
第1弾となる軽EVは現在開発の真っただ中にあり、詳細な説明は行なわれなかったものの、全長3.4m、全幅1.48mの軽自動車規格でありながら、衝突安全性は大型車と同等という日本の厳しい法規をクリアし、それでも毎日の足として負担のない価格設定にしたいという。提示された画像を見る限りでは、コンパクトなボディはホンダの「N-ONE」に似た短いボンネットのあるトールサイズタイプで、車体後部にレールの付いたスライドドアを採用しているようだ。
また、「Daily Magic」の具体的な技術的説明も行ない、ラウンドアバウトや交差点のある街中や高速道路、駐車場で自動運転を行なうようなシーンを紹介。画面に登場する車両はあくまでイメージであるとの紹介だったが、そのまま出てきてもおかしくないほど完成度の高いミニバン的スタイルだった。さらにエムタのショップのイメージ画像も紹介された。
エムタを平たくいうと、「中国側の圧倒的なコストダウンとスピード感のある製造・EV技術」と「日本側の品質基準とノウハウ、どこでも修理できるというインフラ」を組み合わせたというもの。これによって、これまでの純中国産EVとは異なる、日本に最適化された新ブランドのEVが世に出てくるわけだ。
日本のユーザーが持つ既存の国産メーカーへのブランド信仰(中国ブランドや聞いたことのない新ブランドに対して抵抗がある)や、日本ではEVよりもHEVが人気という現状をみると、国内メーカーはまだまだ有利だと言えるかもしれない。とはいえ、コスト勝負ではまず勝てないし、アフターサービスへの不安はオートバックスが担当することで解消し、中国製EVは日本の環境に合わないという点は日産出身の開発者が担当することで解消するなど、EMTが開発する新型EVは国産メーカーにとってかなりの脅威となるはず。価格やクオリティなどに満足がいくものであれば、ことと次第によっては日本のEVシフトが一気に加速する可能性があるのだ。



























