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NVIDIA ジェンスン・フアンCEOに、トヨタとの提携拡大について聞く 「次の製造業はおそらくロボット産業、それまでは自動車が世界最大の産業」
豊田章男会長について、“pretty incredible”と表現
2026年7月18日 06:36
世界を席巻するAIを主導する企業であり、世界最大の企業になったNVIDIAは7月16日、トヨタ自動車との提携を拡大すると発表した。すでにトヨタが同社製の半導体を採用することは発表されていたが、レベル2++自動運転機能に同社製の車載半導体に加え車載OS、さらにソフトウェアエンジニアリングや工場のロボットシミュレーションを採用。ウーブン・バイ・トヨタでの活用についても明らかにされた。
NVIDIAは創業者兼CEOであるジェンスン・フアン氏の来日に合わせ「NVIDIA Japan AI Ecosystem Reception」を同日に開催。そのイベントの後、ジェンスン・フアンCEOの囲み取材が行なわれた。
フアンCEOは、NVIDIA Japan AI Ecosystem Receptionにおいて日本の製造業に対するリスペクトを語り、同イベントで流された「NVIDIAと日本:次なる産業革命の構築」と題された映像には本田技研工業の創業者である本田宗一郎氏や、トヨタの米国工場における製造風景、そしてもちろんセガへの感謝の気持ちが盛り込まれていた。
特に、その映像には日本がものづくりのあり方を変えた部分として、「カンバン」「カイゼン」「ゲンバ」が挙げられており、ゲーム産業はもちろん自動車産業が多く出てきていたのが印象的だった。
囲み取材においても日本を重視する意思は徹底しており、フアンCEOは日本に関する質問以外は受け付けないという姿勢を見せていた。
この囲み取材においてフアンCEOに同日発表されたトヨタとの業務提携拡大が自動車産業に何をもたらすのか聞くことができたが、ちょっと違った角度での回答が返ってきた。
フアンCEOはトヨタというより自動車産業全般について語り、「ご存じのとおり自動車産業は世界最大の製造業です。次世代はロボティクスになることを期待していますよね? (自動車を運転する)人口はせいぜい10億人しかおらず、誰もがクルマを運転する必要はないので、製造すべき自動車は1億台程度になります。しかし、ロボットの数はもっと多くてもおかしくありません。家庭にも多くのロボットがあり、職場にも多くのロボットがあり、工場にはさらに数え切れないほどのロボットが存在します。ですから、次の製造業は恐らくロボット産業になるでしょう。そうですね?」と、産業としてのボリュームを指摘する。
ただ、そのようにロボットが世界最大の産業になるためには、フィジカルAIの問題解決が必要だという。「ただAIの問題、つまりフィジカルAIの問題を解決しなければなりませんし、私たちはそれを成し遂げるでしょう。しかしそれまでは自動車産業が世界最大の産業であり続けます。鉄鋼の使用量も膨大ですし、そうでしょう? 重機や重装備、そして膨大な計算能力が必要で、多くのデザイナーやマーケティング担当者、非常に多くの人材が関わっています。つまり、自動車産業はこれほど巨大な産業であり、今後もその地位を維持し続けるでしょう。私がトヨタと協業する際、トヨタ社内で、トヨタのデザイン部門やシミュレーション部門と、車内や製造現場など、実に様々な形で協業できると考えています」と語り、フィジカルAIの発展によってロボット産業が世界最大の産業になることは見えているものの、それまでは世界最大の産業は自動車産業であり、その自動車産業であるトヨタの各部門とはさまざまな形で協業できるだろうと語る。
この人口のような数字から産業ボリュームを予測するというスタイルはフアンCEOが常に示しているものであり、AI時代を切り開いてきたフアンCEOならではの将来像を描いて見せた。
ただ、トヨタに関連する質問の最後にフアンCEOは、「Toyoda-san is, Toyoda-san is pretty incredible」(豊田さんは、本当にすごい)と語り、トヨタ自動車の豊田章男会長との親交を示した。フアンCEOと豊田会長はCES2025で同日にプレゼンテーションを行なっており、フアンCEOのリハーサルの際には豊田会長が立ち会い、CES2025でのフアンCEOの革ジャンは3着の中から豊田会長がセレクトしたものだ。その後の交流は不明だが、最後に記者に語りかけたフアンCEOの言葉は、トップ同士の信頼関係のなかで協業関係が広がったことを示唆していたのかもしれない。

