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トヨタ、NVIDIAとの提携を拡大 NVIDIA製半導体とOSを採用してレベル2++自動運転車の実現へ
ソフトウェア、工場、ウーブンの領域でもフィジカルAI活用へ
2026年7月16日 08:01
世界的なAI半導体メーカーであるNVIDIAは7月16日、トヨタ自動車との提携関係の拡大を発表するとともに、トヨタのレベル2++自動運転機能に同社製の車載半導体、車載OSが採用されることを明らかにした。
さらに今回の提携では、トヨタのソフトウェアエンジニアリング、工場のロボットシミュレーション、ウーブン・バイ・トヨタにおけるマルチモーダル・ビジョン言語モデルにNVIDIAのソリューションが採用されることも発表。自動車、ロボット、都市におけるフィジカルAIの活用が進むとしている。
トヨタのレベル2++自動運転車へのDRIVE AGX、DriveOS採用
2025年1月に開催されたCES2025におけるNVIDIAのキーノート(基調講演)において、NVIDIA創業者兼CEO ジェンスン・フアン氏はNVIDIA製のSoC半導体であるDRIVE AGX Orinが採用されることをアナウンス。どの程度のものになるなど詳しいことは語られていなかったが、今回それがレベル2++自動運転車であることが明らかになった。
レベル2++自動運転車は明確には規定されていないものの、現在普及している自動ブレーキ、ステアリングアシストなどを備える安全運転支援機能がレベル2と規定されているのに対し、それを大きく超えるものという位置付けになっている。多くの場合、市街地などを走行できるほどのE2E(エンド・トゥ・エンド)機能を持つ場合にレベル2++として訴求されており、NVIDIAが提供する自動運転車のプラットフォームであるAlpamayoもレベル2++としており、トヨタがNVIDIA製のOSであるDriveOSを採用するにあたっては同様なものを指し示していると思われる。
なお、レベル2++自動運転車は市場で普及しているレベル2自動運転車の拡張版であり、最終的な運転責任はドライバーにある。高度な自動運転機能を使ってできるだけ安全なクルマを速やかに普及していこうという取り組みになる。NVIDIAからは、「トヨタの厳格な安全基準を維持しつつ、よりインテリジェントで状況認識能力に優れた運転を可能にする」クルマであることが語られている。
ソフトウェア開発へのNVIDIA AIの活用
新たな提携内容として明らかにされた分野がソフトウェア開発(ソフトウェアエンジニアリング)になる。近年クルマのソフトウェア開発は膨大になっているが、そこにNVIDIA Megatron-LMを用いて学習・微調整された、NVIDIA Nemotronを含むさまざまなデータセットを参照する、MISRA(Motor Industry Software Reliability Association)準拠の「Code Assistant」AIモデルを活用するという。
自動車専用のAIモデルを適用し、自動車特有のコード生成とレビューを改善することで、トヨタのエンジニアは安全上重要なコードをより効率的に生成、レビュー、検証できるようになり自動車業界のコンプライアンスを遵守しつつ開発を加速させることができるようになる。
自動車のソフトウェアは、特に安全面やリアルタイム性が重視され、厳格なコード設計が求められる。法規的にも機能を満たすことが必要なため、コードレビューやテストも多岐にわたる。それらソフトウェア開発作業を自動車業界特有の学習を行なった(おそらくトヨタ基準であるトヨタスタンダードの学習も)AIで支援していくことになる。
工場のロボットシミュレーション
この発表では、NVIDIAのデジタルツイン環境であるOmniverseライブラリと、ロボットや工場のシミュレーションフレームワークであるIsaac Simをトヨタ自動車が採用する。
トヨタが世界的な自動車メーカーになった理由の1つに、TPS(トヨタ生産方式)に代表される工場のものづくりの強さが挙げられるが、その部分にNVIDIAの技術が採用される。
工場をOmniverseのデジタルツインで構築し、工場内で作業するロボットをIsaac Simでシミュレーション。その先には、ROS(Robot Operating System)であるIsaac OSを搭載したフィジカルAIロボットの採用が見えており、トヨタは今後そのようなフィジカルAI生産ロボットの導入を進めていくと思われる。
また、トヨタは愛知県豊田市の貞宝町周辺に車両工場を新設することを発表しており、2030年の稼働開始を目指している。この新車両工場には、今回の提携内容が反映されていくのかもしれない。
「Woven City AI Vision Engine」にNVIDIA H100など採用
ウーブン・バイ・トヨタのマルチモーダル・ビジョン言語モデルである「Woven City AI Vision Engine」にNVIDIA H100などを活用。実世界の状況を解釈し、次に何が起こるかを予測するシステムの構築に使われている。



