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新型「リーフNISMO」のチューニング内容を開発陣が解説 “意のままで軽快”な走りの中身とは?
2026年7月22日 15:00
- 2026年7月22日 発表
- B5 NISMO:660万1100円
- B7 NISMO:695万2000円
- B7 NISMO RECARO装着車:722万7000円
商品コンセプトは「駿足のインテリジェント・スポーツクロスオーバー」
NMC(日産モータースポーツ&カスタマイズ)は7月22日、NISMOのモータースポーツ由来の知見を融合したNISMOロードカーの最新モデル「リーフNISMO」を発表。事前に実施した説明会では、商品コンセプトやデザイン、チューニング内容に関する詳細が明かされた。
NMCのNISMO商品戦略・企画部 チーフプロダクトスペシャリストである饗庭貴博氏は、「1947年にたま電気自動車が世界初の量産BEVを製造し、日産はそれから80年にわたりEVに関する技術を磨いてきました」と、日産とBEV(バッテリ電気自動車)の歴史の発端を紹介。その後、2010年には初代「リーフ」、2017年に2代目、2026年1月には3代目を日本でも発売。また、NISMOとしては2018年に「リーフNISMO」、2024年にフラグシップモデル「アリアNISMO」を登場させている。
また2018年には日本の自動車メーカーとしては唯一、世界最高峰のBEVモータースポーツである「フォーミュラE」に参戦。2025年にはドライバーズチャンピオンを獲得するなど日々技術を磨き続けている。
前型のリーフNISMOについて饗庭氏は、「世界初のパフォーマンスブランドのBEVとして登場させたモデルで、デザインやハンドリング、加速感がとても好評でしたが、大容量のB6が非対応だったり、充電性能、航続距離、内装の仕上げなど、課題もありました」と振り返る。
そして3代目をベースとした新型リーフNISMOの商品コンセプトは、“駿足のインテリジェント・スポーツクロスオーバー”とし、「ユーザーにはサイレントダイナミズムの驚きと、都市を駆けるグライダーのような疾走感を味わってもらいたい」と饗庭氏。
設定グレードは「B5 NISMO」「B7 NISMO」「B7 NISMO RECARO装着車」の3タイプがあり、ベースはGグレードだが、唯一異なるのがテールランプで、基準車は3Dホログラムタイプだが、リーフNISMOは2Dタイプとし、デザインの統一感を図っている。価格はB5 NISMOが660万1100円、B7 NISMOが695万2000円、B7 NISMO RECARO装着車が722万7000円となる。
なお、RECARO装着車は軽量化を重視して、BOSEのサウンドシステムやリモコンバックドア、HUD(ヘッドアップディスプレイ)などは非装着、プロパイロット2.0も非対応となっている。B7 NISMOがプロパイロット2.0を積んだ場合の車重は1940kgとなり、B7 NISMO RECARO装着車との差は40kgにもなる。
デザインキーワードは「洗練された流れ」と「知的で高精度」
カスタマイズデザイン部の森田充儀部長は、商品コンセプトの“駿足のインテリジェント・スポーツクロスオーバー”を受けて、デザインキーワードとして「洗練された流れ」と「知的で高精度」を設定したと説明。
リーフNISMOでは、内に秘めたパワーが隙間からのぞくレッドアクセント、電動NISMOのデザインアスペクト「アルテリアマグマ」をまとい、 上下動のないシンプルな細く強いレッド アクセントでスマートにパフォーマンスを表現。
また、水平方向にストレッチした伸びやかな立体構成とともに、NISMOロードカー共通のセンター置きNISMOエンブレム、NISMO専用リアフォグランプなどによって低重心でグッドスタンスなフォルムを実現したという。
さらに、リーフNISMOはBEVならではのクリーンな美しさ、NISMOの緻密なエアロデザインを付加することで、スマートさと高性感をクロスオーバーさせた機能美と、走りのポテンシャルを直感させながらも、グライダーのように風をつかむ意のままの機敏な身のこなしをイメージし、静かなる躍動感“サイレントダイナミズム”を表現したという。
フロントバンパーロアフィニッシャーは、水平基調でワイドなジェスチャーによって安定感あるフロンビューを形成。センター置きのNISMOエンブレムと全幅を真一文字に貫くアルテリアマグマは、NISMOのパフォーマンスとクオリティを象徴したものとなっている。
また、車両全体で空気の流れをマネジメントし、風を味方にしてハンドリングやスタビリティを向上する性能のためのデザインが与えられるとともに、ツインブレードはボディサイドに向けてフロントからの風を整流し、ドラッグを低減するエアガイド機能を形にしている。
風の力を利用して車体を下に押し付けてタイヤの接地性を高めるダウンフォース向上は、NISMOデザインの重要な取り組みの1つであり、サイドスポイラーフィニッシャーはこだわりの三角断面の水平な下面による負圧生成で、ダウンフォース向上を図る形状となっている。
さらに、ホイールメーカー「エンケイ」のMAT工法による軽量高剛性ホイールは、表面の整流効果を持つ外周部のフラットディスク部分と、ホイールハウス内から空気の排出効果を促し、ダウンフォース向上とブレーキの冷却効果を狙った、細いスポークのハイブリッドデザイン。NISMOデザインの機能美を代表する部分になっているという。
リアエンドのフィニッシャーは、テールエンド後方&上方に延長したダックテール形状によって車体後面に巻き込む風を車体から遠ざけ、空気抵抗を低減しながらダウンフォースを強化する形状。美しくボディフォルムにインテグレートした高性感を後ろ姿でアピールできるポイントにもなっている。
また、リアバンパーの下部は、グロスブラックのベース面にセンターを置きした視認性に優れたNISMOエンブレム、シンプルで水平な“アルテリアマグマ”レッドアクセント、フォーミュラEからインスパイアされたドット状デザインのNISMO専用リアフォグランプなど、アイコニックなエレメントを2段重ねのレイヤードディフューザーにインテグレートしている。
バンパー下面には“ボートシェイプアンダースポイラー”を採用。リアタイヤ後方の風の流れを整えてドラッグを低減し、路面との間の負圧を強化してダウンフォースを拡大している。ベースモデルからCd(空気抵抗)値を悪化させることなくネガティブリフト、すなわち車体が浮き上がらずに、速く走るほど路面に押し付けられるダウンフォースを得た。
オプション設定のフードデカールは、電動NISMOロードカーのアイコンとして、先代リーフNISMOからグラフィックデザインのテーマを継承、BEVらしさの表現としてデジタル信号をイメージした“デジタルビートグラフィック”を採用している。
インテリアは、高い質感のブラック空間に、レッドアクセントを合わせたコンビネーションで、知的でスポーティな世界観を表現。BOSEサウンドシステムと組み合わせ、上質なドライビングエクスペリエンスを実現。水平なレッドパイピングのアクセントが空間の広がりも引き立てている。
ステアリングは、直感的にタイヤの直進位置をつめる機能的なレッドセンターマークを備え、金属調レッドスタータースイッチは、クルマをドライバーがスタートする瞬間からスポーツドライビングへの高揚感を誘う仕様としている。
メーターグラフィックは、ガソリンエンジン時代のNISMOのタコメーターから 脈々と受け継がれてきたレッドの3DファンネルグラフィックとNISMOロゴを配置。立体的な奥行き感で前に進むスピード感を表現した。
インストルメントパネルのアッパー部からドアトリムアッパーにかけて高質感のブラックスウェードファブリックを採用し、上質な包まれ感を実現。また、アルテリアマグマレッドパイピングで水平な空間の広がりを強調し、視覚的な安定感“ビジュアルスタビリティ”を強調した。
センターコンソールとドアトリムも同様に、明確にゾーニングしたブラック基調の素材の貼り分けで、レッドステッチのコンビネーションを合わせた仕立てで統一感を持たせている。また、センターのシフトフィニッシャーは、グロスブラック仕立てとし、シンプルかつクールで洗練されたハイテク感を表現。NISMOメタルエンブレムと金属調レッドのモード切り替えスイッチも採用。
スタンダードシート仕様には、BOSEサウンドシステムのヘッドレストスピーカーを搭載。シートのメイン材にはレッドパーフォレーション付きの高触感なテーラーフィットを採用。パーフォレーションのピッチはBOSEの音響性能にも配慮したものになっている。
より高いレベルでクルマを操る喜びを求めるユーザーに対しては森田氏は、「レッドレーザーとブラックアルカンターラの縦の貼り分けパターンで、体幹を支えるサポート性能そのものをビジュアライズしたRECAROスポーツシート搭載車を設定しました。体幹を面で支えるパッド形状に、体がシート上で滑るのを抑えるアルカンターラファブリック。しっかりと体がホールドされる安心感により、ドライバーに精度の高いハンドル、アクセル、ブレーキ操作と運転の自信を提供してくれます」と説明した。
リーフNISMO専用チューニングメニュー
カスタマイズプロジェクト統括部 開発主担 成富健一郎氏は、「NISMOではさまざまなボディタイプのクルマにNISMOロードカーを投入していますが、どのクルマも必ず“より速く、気持ちよく、安心して走れる”ことを基軸としていて、そのためにアクセラレーション、ハンドリング、ブレーキをベース車から必ず引き上げています」とNISMOの基本コンセプトを紹介。
今回はベースのリーフ自体が大幅な進化を遂げたほか、アリアと共通の高剛性なプラットフォームを採用していることもあり、アリアNISMOで培った技術とノウハウを組み合わせて、2WD(FF)でも“意のままで軽快”な走りを実現させたという。
より速くするためには、旋回時の限界性能を上げることが重要で、基準車よりも10%ほど向上。また、タイヤの接地性も増やしたことで、ライントレース性も高まり、コーナーの立ち上がりでより速くアクセルを全開にできるようにしている。「社内テストでは1周400mくらいのコースで約0.8秒短縮、車間にして3.5車身ほど差がついた」と成富氏。
気持ちよくするためには、操舵に対する車両の遅れを低減させることが重要で、横方向に関してはステアリングを切った際に、スッと向きが変わってスパッと収まるが、それでいてお釣りもこない。また、縦方向の加減速に関しては、加速時の出力の出し方を工夫して、レスポンスを向上させつつ、さらに伸びを持続させる。減速もパドル回生の深さを専用チューニングすることで、より気持ちのいい走りにつなげている。
また、不整路での走行時の振動レベルはベース車と同じレベルまで達成。空力も空気抵抗を増やさない中でネガティブリフトを出せたことで、特に高速走行での安定性が向上。ライントレース性もベース車に対して1割ほど向上したという。
この「より速く、気持ちよく、安心して走れる」を実現するため、タイヤはミシュランのパイロットスポーツ5Sを装着。タイヤサイズは基準車と同じだが、ホイール幅を0.5インチ(約13mm)広げることで接地面積を拡大。また、エンケイ製ホイールはワイドリム化をしながらも、純正ホイールよりも1本あたり1kgほど軽量化につながっている。
サスペンションまわりも、内輪をしっかりと接地させるために、スプリング、スタビライザーをはじめ今回はメンバーブッシュも変更。さらにショックアブソーバーは、発売中の「エクストレイルNISMO」で好評というKYB製スイングバルブ付きを採用。
重たいクルマはロール方向の最初の動き出しがグラッとしやすいが、スイングバルブが初期(極微低速域)の減衰を高めることでグラッとしない動きを実現。また、中低速域では減衰を下げ、荒れた道でもゴツゴツしないフラットな乗り味となり、質感がありながらスポーティな走りを高次元でバランスできたという。
また、成富氏は「フロントのサスペンションメンバーのブッシュの剛性を単体では3割ほど、車両全体では2割ほど高めることで操舵のダイレクト感を向上しています。リーフNISMOは前輪駆動のため特にこだわったポイントです」とも述べた。
もちろんシャシーの剛性を高めた分、制御の合わせ込みも重要となる。NISMOでは、電動ステアリングの初期の操舵力を若干軽めにすることで、軽快な印象を実現するとともに、車速が速くなるほどステアリングの戻る力を大きくすることで、高速走行時の安定感を向上させている。
モーターに関しては、最高出力や最大トルクなどの変更は一切せず、素のパワートレーンの持つポテンシャルをいかに引き出すかに注力。ドライビングシミュレーターを駆使して何千パターンという評価を行ないつつ、最終的には実車のシャシーやスペックと合わせ、社内のエキスパートドライバーが徹底的な走り込みを実施。
ベース車には「エコ」「スタンダード」「スポーツ」と3つのモードがあるが、リーフNISMOでは「エコ」「スタンダード」「ニスモ」と変更。各モードともにアクセルの中間開度領域を拡大し、ベース車との差をつけている。
コーナーの立ち上がりのような場面で、40km/hほどからアクセルを半分ぐらい踏み込むようなときにベース車よりもレスポンスを高めていて、伸び感のあるような仕上がりを実現。
また、高速道路で80km/hぐらいから追い越し加速で踏んでいく場面では、最初の立ち上がりは抑えつつも、その後伸びを重視する特性にするなど、気持ちよさをシーンごとに分けて使えるチューニングを施している。
回生パドルも専用チューニングを行なっていて、4段階の1番弱いレベルは、グライダーが滑空するかのような抵抗感のない走りにつなげるため、あえてベース車よりも回生力を弱めたほか、4段階の1番強いレベルでは回生をしっかり取るようにして、強弱の幅を広げることでメリハリとリズム感のある走りを両立した。















































