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ランボルギーニ「レヴエルトSV」デビュー ホッケンハイムリンク量産車最速マシンを考察

2026年8月14日(現地時間) 公開
ドイツ ホッケンハイムリンクで量産車最速記録を樹立した「レヴエルトSV」をイタリアで取材

 モントレーカーウィークの金曜日、8月14日のThe Quailにてランボルギーニが毎年の恒例となったニューモデルの発表を行なった。その名は「レヴエルトSV」。そう、数日前にドイツ ホッケンハイムリンクでの量産車最速記録の樹立がアピールされたマシンである。

 1971年のミウラSV以来、ランボルギーニが使い続けている「SV」とはイタリア語の「Super Veloce」の略であり、日本語ではさながら「超速い」といった意味となる。最速記録は、まさにその名がハッタリではないと示すものだが、さてそれはどのように実現されたのか。発表の前にイタリア サンタアガタ ボロネーゼを訪れ、取材してきたので紹介したい。

 まず目をひく外観は、特にフロントまわりが大きく変更されている。リップはさらに前方に突き出し、開口部も拡大。ボディサイドへの空気の流れにも一層配慮されている。

 車体後方には大型の固定式リアウイングを装着。これは4本のフィンが赤く塗られたディフューザーもと相まってダウンフォースを増加させるのはもちろん、ルーフからむき出しのエンジン上面を通ってきたホットエアを効果的に後方に流す役割も果たしている。

 こうして追加されたアイテムは、すべてCFRP製となる。それに個性的なリバリーが相まって見た目は相当に派手だが、実際に行なわれたモディファイはすべて機能的な意味を持つもの。要するに速さに直結するものだとは開発陣、デザイナーの弁である。

レヴエルトSVのエクステリアでは速さに直結するモディファイが行なわれた

 それに比べればインテリアの変更点は多くはない。一番大きいのはCFRP製シェルを用いた軽量バケットシートの採用。表面に最小限のパッドを貼っただけのルックスは、レーシングカーさながらと言える。他の変更点は、SV専用のメーターグラフィック程度だが、レヴエルトのコクピットスタイルの内装は、そもそもスペシャルなのだ。

インテリアでは軽量バケットシートが与えられたほか、SV専用のメーターグラフィックを採用

 V型12気筒6.5リッター自然吸気エンジンと3基の電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムは、内燃エンジン単体の最高出力825CVはそのままにモーター出力が高められて、システム最高出力はレヴエルトの50CV増となる1065CVに達している。それを可能にした一番のポイントが、容量を3.8kWhから7.3kWhまで拡大したバッテリで、おかげでモーターによる加勢は最大で190kWにも及ぶという。

 そうして得られたのは345km/hという最高速度と、0-100km/hが2.4秒、0-200km/hが6.7秒という凄まじい加速力である。何しろパワーウェイトレシオは1.66kg/CVに過ぎないのだ。

 圧倒的な加速力には当然、それに見合った減速力も求められる。新たに採用されたブレーキシステム「CCM-R Plus」は、3Dカーボン構造に加えて見直されたベンチレーションシステム、高摩擦レイヤーの採用といったF1直系の技術を用いたもので、200-0km/hの減速を、わずか116mの制動距離で終わらせてしまう。しかも、制御系には6Dセンサーが採用されて、そのポテンシャルを容易に、かつ極限まで使い切ることが可能とされている。

パワートレーンはV型12気筒6.5リッター自然吸気エンジンと3基の電気モーターを組み合わせたもの。システム最高出力は1065CV

 シャシーでは、ダンパーが電子制御式から手動調整式に置き換えられているのがトピック。ちょうど1年前に同じ場所でお披露目された“few-off”のフェノメノにも使われていたこれは、コースや天候、ドライバーの好みに応じた自在なセットアップを可能とする。フロント20インチ、リア21インチのセンターロックホイールに装着されるタイヤは技術パートナーであるブリヂストンの専用セミスリックタイヤ「POTENZA RACE-R」。さらに、ウインターシーズンのために「BLIZZAK LM005」も用意されているとのことだ。

フロント20インチ、リア21インチのセンターロックホイールにはブリヂストンの専用セミスリックタイヤ「POTENZA RACE-R」が組み合わせられる

 セットアップという観点ではもう1点、ドライブモードに「Pilota」が追加されている。5段階の設定が可能なトラクションコントロールは、これまたGT3レースで得られたノウハウを反映したものだという。

 一層の速さを獲得するための手法は至ってシンプルで、走る、曲がる、止まるの性能を全方位に引き延ばしている。しかしながら、それらはすべて最先端の技術により、いま考えられる究極の仕立てとなっていると言っていい。

 実際の走りは、レヴエルトに比べると特にダウンフォースバランスが前寄りとされたことで、さらに鋭く曲がる方向に仕立てられているという。羨ましくもこのクルマを手に入れられる方には、早速ガレージにしまい込むその前に、ぜひともクローズドコースでその味付け、そしてその先の自分好みのセットアップ出しまで、存分に楽しんでいただきたいと思う。