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三菱自動車、新型「パジェロ」をワールドプレミア コンパクトSUV、スモールSUVを加えたパジェロシリーズの展開を予告
2026年9月3日 00:00
- 2026年9月2日 開催
三菱自動車工業は9月2日、グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール(東京都港区高輪)において新型クロスカントリーSUV「パジェロ」のワールドプレミアイベントを開催した。
パジェロはクロスカントリー4WD車として1982年に誕生し、国内では1990年代のRVブームを牽引するモデルの1つ。初代モデルから4代目モデルまでの累計生産台数は329万台を超え、170以上の国と地域で親しまれてきた三菱自動車を代表するモデルになっている。一方で、国内では2019年4月に発売された「FINAL EDITION」が最終モデルとなり、生産を担っていたパジェロ製造が2021年8月に生産活動を終了するなど、パジェロは惜しまれながら姿を消していた。
そのパジェロが今回、新世代のフラグシップモデルとして世界初披露された。2026年度は生産拠点であるタイを皮切りに、日本、オーストラリアに投入し、次年度以降はASEAN、中南米および中東など、世界約100か国へ順次展開していく計画が明かされている。
イベントでは三菱自動車工業 取締役代表執行役社長 兼 COOの岸浦恵介氏をはじめ、商品戦略本部 チーフ・プロダクト・スペシャリストの板垣邦俊氏、デザイン本部 プログラム・デザイン・ダイレクターの吉峰典彦氏が登壇して新型パジェロの概要について紹介した。
はじめに登壇した岸浦社長は、5月に発表した中長期ビジョンについて触れ、とがった商品とブランド強化により顧客満足度および企業価値の向上を図るとし、新型パジェロをそのビジョンを具現化する第1弾商品、かつ三菱自動車ブランドを牽引するフラグシップモデルと位置付けた。また「パジェロは四輪駆動車の悪路走破性と乗用車の快適性を融合させたクロスカントリーSUVとして1982年に発売し、アウトドア志向が高まる中、これまでのライフスタイルを一変するクルマとして多くのお客さまにご愛顧いただいてきました。パジェロといえばダカールラリーを思い浮かべる方も多いでしょう。7連覇を含む通算12勝という輝かしい戦績を残し、“砂漠の王者”として世界中のファンを魅了するとともに、ラリーカーで鍛え上げた技術を市販車に還元し、世界中のお客さまに提供してまいりました。どんな天候や路面でも安心・安全かつ快適に、自信をもって運転を楽しめる。パジェロとは三菱自動車らしさを最も具現化したフラグシップモデルであり、お客さまとの絆を深めてきた特別な存在です。『再びパジェロを世に送り出したい』という社員の想い、『いつかはパジェロに乗ってみたい』というお客さまの願いが交錯した今、パジェロは走り出し、新たなステージの幕が開きます」と述べ、新型パジェロのアンベールを行なった。
また、新型パジェロでは同社の強みである四輪制御技術を中心に三菱自動車の技術の粋を集め、持てるすべてを注ぎ込んだといい、「開発に携わるメンバーの想いは、お客さまの期待にお応えするという決意であり、お客さまに最高のパジェロをお届けするという約束です。今年度は生産拠点であるタイを皮切りに、オーストラリア、日本に順次投入します。来年度以降もグローバルで展開を拡大し、100か国を超える国と地域で販売します。さらに今後、新型パジェロを頂点とし、コンパクトSUV、スモールSUVを加えたパジェロシリーズを展開してまいりますのでご期待ください。長年、パジェロをご愛用いただいてきたお客さまには『次もパジェロに乗りたい』、初めてパジェロをお知りいただいたお客さまには『いつかパジェロに乗りたい』と思っていただける出来栄えに仕上がっています。世界中でこの日をお待ちいただいていた皆さまと、新型パジェロで新しい冒険の物語を始めたいと思います」とあいさつした。
板垣邦俊氏は、新型パジェロがどのような路面・天候でも人が安全、安心、快適に、自信を持って楽しく走れることを追求する三菱自動車のフラグシップモデルであると説明。近年は品質感への期待に加え、多様な道路環境や移動場面で安心して使える車両が求められているとの認識を示し、専用開発でねじり剛性を高めたラダーフレームと、リアの5リンク式リジッドサスペンションにより、過酷な環境での信頼耐久性、剛性、乗り心地を両立したと報告。
パワートレーンには、ワイドレンジのシングルVGターボを採用した専用開発の2.4リッタークリーンディーゼルエンジンとスポーツモード付き8速ATを組み合わせ、排出ガス規制への対応と力強いトルクおよび滑らかな加速を両立したという。
また、本格SUVとして重要な最低地上高や対地アングルを十分に確保するとともに、車両運動統合制御システム「S-AWC」を採用したことを報告。前後左右の駆動力配分と四輪制御を最適化して、ドライバーが制御を意識せず自然で安定した走りを得られることを狙った。オフロードでの高い走破性とオンロードでの優れた操縦安定性を両立する「SS4-II」の4つの駆動モードと7つのドライブモードを組み合わせ、各種路面に最適化した走行性能を提供するという。
これに加え、「私たちが特にこだわったのが“悪路快適性”です。単に走り切るだけではなく、安心して快適に移動できることを重視し、独自の指標として新たに設定しました。厳しい路面でも不快な振動や揺れ、作動音を感じさせないよう、チューニングを繰り返しました。路面の小さな凹凸や砂利道でも、その違いを実感いただけます。これが“あらゆる路面で快適”なパジェロです」ともアピールした。
また、新型パジェロを象徴する進化が上質さであるといい、「ドライブの帰り道、穏やかに流れる時間。その心地よい時間を支えるのが高い静粛性です。私たちのこだわりは“自然に会話ができる室内空間”です。遮音・吸音対策と気密性能向上にこだわり、ドアを閉めた瞬間に感じる静けさ、大声を出さずに会話ができる心地よさを実現しました。それが、落ち着きのある上質な時間につながっています。特に雨の日には、その違いを実感いただけます」と述べるとともに、「新型パジェロでは見た目だけでなく、手が触れる部位ごとの最適な質感、スイッチの節度感、各部の開け閉めの操作感まで、丁寧に作り込んでいます。そうした細部の積み重ねが、上質さを形作っています。また、歴代で親しまれた3連メーターを現代的なマルチメーターへ進化させるなど、受け継ぐべき価値も大切にしました。私たちはパジェロを選び、所有することそのものに、喜びや誇りを感じていただきたいと考えています。見て分かる存在感。触れて分かる質感。走り出して分かる安心感。それぞれの体験の中にパジェロらしさを息づかせています。パジェロの本質を、今の時代にふさわしく進化させました。『上質に進化したけれど、やっぱりパジェロ』、皆さまにもそう実感していただけると確信しています。あらゆるシーンで頼れるパジェロだからこそ、日常も非日常も心の余裕を感じ、どこへでも出かけたくなる。その冒険心を後押しします。ぜひこの新しいパジェロをご覧いただき、ご体感ください」と述べ、プレゼンテーションを締めくくった。
一方、吉峰典彦氏は「なぜ今、再びパジェロなのか」をデザイナーと開発者が繰り返し議論し、日本から新たな価値を生み出すことを共有したと説明。初代から4代目までの歴史を踏まえ、今回の開発は単なる復活ではなく、パジェロの本質に向き合った「独創進化」であると位置付けた。
デザインコンセプトは「グランドカリスマ」。これは、未来への挑戦を楽しむ静かな冒険者を表し、堂々としたたたずまいの奥にいつでも走り出せる野性を宿す考え方だという。初代から受け継ぐ水平でスクエアな骨格を基礎にプロポーションをいちから構築し、初代のロールバーに着想を得たシートライン、前方へ伸びるシルエット、力強いフェンダー、立体感を持つフード、ダイナミックシールドと一体化したフロント造形により、走破性と存在感を表現したという。
これに加え、「パジェロにおける先進性とは、人をおどろかすことや、技術を誇示したりすることではありません。冒険をもっと自然にもっと快適にすることです。直感的で機能的なGUI(グラフィックユーザーインターフェイス)は乗る人の好奇心と冒険心をかき立てます。このグランドな室内空間はすべての乗員にゆとりと快適性を提供し、視覚的にも体感的にも制約を感じさせない、開放的な空間を実現しました。それは単なる移動空間ではありません。新しい発見へと誘うグレートアドベンチャーの出発点です。都市でも荒野でも、どんな道でも揺るぎない信頼で応える。それがグランドカリスマを体現した新しいパジェロデザインです。日本で生まれ、ダカールラリーで鍛えられ、私たちのものづくりへの誇りを込めて作り上げました。パジェロはその伝統を受け継ぎながら、さらなる進化の挑戦を続けていきます。それが未来へ向かう独創進化の精神です。ぜひそのすべてを実車で感じてください」と述べた。














