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ロールス・ロイス、「ファントム・ハミングバード」 史上初のアバロンシェル・マルケトリーを採用してハチドリを描いたビスポーク作品

2026年9月15日(現地時間)発表
ロールス・ロイス、「ファントム・ハミングバード」を発表

 ロールス・ロイス・モーター・カーズは9月15日(現地時間)、顧客の妻へのオマージュとして製作された「ファントム・ハミングバード」を発表した。

 このモデルは、ファントム・エクステンデッドをベースとするプライベート・コミッションであり、ロールス・ロイス・プライベート・オフィス・ドバイを通じて具現化されたビスポーク作品となる。喜びやしなやかな強さ、そしてあらゆる瞬間の中に美を見いだす力を象徴するハチドリにちなんで名付けられたこの1台は、自然界が織りなす精緻で繊細な美をたたえるために構想されたという。

「ファントム・ハミングバード」

 このプライベート・コミッションでは、ロールス・ロイス史上初めての試みとなるアバロンシェルを用いたマルケトリーを採用。アバロンシェルは、自然な虹彩色の輝きで知られており、貝殻の内側にある真珠層が光を受けて特徴的な青緑色の光沢を放つ素材となる。この素材をマザー・オブ・パールと組み合わせることで、ハチドリの鮮やかできらめく羽を表現している。また、エクステリアのコーチラインには手描きのハチドリがあしらわれ、自然界の優美さに着想を得たこの特別なビスポーク作品を象徴的に完成させている。

エクステリアのにあしらわれる手描きのハチドリ

 この繊細なマルケトリーは、2つの異なるデザインで表現されており、左右のピクニック・テーブルにはそれぞれ53片のアバロンシェルとマザー・オブ・パールのパーツで構成される飛翔するハチドリが描かれている。このハチドリは、翼部分だけで18片のパーツが使用されているという。また、2つのリアシートの間に位置するリア・ウォーターフォール・パネルには、84片から成る植物モチーフが優雅に広がっている。

ハチドリのきらめく羽
優雅な植物モチーフ

 このデザインの開発には、構想から完成まで9か月以上を要したという。アバロンシェルは非常に薄く繊細で、割れやすい特性を持つため、この素材を扱うことは職人たちにとって大きな挑戦となったとのこと。ビスポーク・コレクティブのデザイナー、エンジニア、そして職人たちは開発期間の大半を費やして、各パーツの切り出し、仕上げ、ベニヤへのはめ込み方法を追求した。

 この繊細な素材を扱うための適切な技法を確立するにあたり、6回に及ぶ試作を行なったという。最終的に採用された工程では、まずマザー・オブ・パールとアバロンシェルの厚みを慎重に薄く加工し、それぞれの断片をベニヤの中に確実かつ繊細に埋め込めるようにした。その後ラッカー仕上げを施すことで、素材本来の美しさを最大限に引き出すとともに、世代を超えて受け継がれるロールス・ロイスに求められる耐久性との両立を実現した。

 アバロンシェルおよびマザー・オブ・パールの各パーツは、レーザー加工時に生じる微細な焼損分を考慮し、完成寸法より0.06mm大きくレーザーカットされた後、職人の手作業によって正確な形状へと仕上げられる。

 各パーツの縁は、隣接するパーツとの継ぎ目が見えなくなるまで丹念に仕上げられ、これは、とりわけハチドリの翼のように極めて精緻な組み付けが求められる部分において欠かすことのできない工程となるという。こうした綿密な仕上がりは、熟練した職人の手によってのみ実現できるとのこと。こうしてすべてのパーツを切り出して組み付けた後、ピクニック・テーブルとリア・ウォーターフォール・パネルの仕上げにはさらに8時間を要し、3つのパネル全体の制作時間は合計45時間に及び、卓越したクラフツマンシップによってこの唯一無二のマルケトリーが完成したとのこと。

自然が生み出す虹彩の輝きを表現

 インテリア・スイートのカラーパレットは、先駆的なアバロンシェル・マルケトリーを美しく引き立てるよう、細部まで丹念に選び抜かれており、3つのマルケトリー・パネルすべてのベースには「アッシュ・バール(Ash Burr)」を採用。また、ピクニック・テーブルのモチーフには、デザインを構成する重要な要素として「シルバー・バーチ(Silver Birch)」が用いられており、木目の表情がデザイン全体と美しく調和するよう、厳選された1本の原木を入念に確認したうえで、すべてのパーツを同じ原木から切り出している。

自然が育んだカラーパレット

 シートには「クリーム・ライト(Creme Light)」のレザーを採用し、「モカシン(Moccasin)」と「タン(Tan)」のディテールを組み合わせている。足下には「シーシェル(Seashell)」カラーのカーペットを配し、スターライト・ヘッドライナーを組み合わせ、優雅かつ洗練された室内空間を創出している。

シート

 インテリアのテーマと呼応するように、ボディ下部には「ワイルドベリー(Wildberry)」、上部には「ホワイト・サンズ(White Sands)」を配したツートーン仕上げを採用。2色の境界を彩るホワイト・サンズのコーチライン上には、車体に沿って飛翔するハチドリが描かれ、この1台を貫く自然のテーマが印象的に表現されている。