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三菱自動車、新型「パジェロ」について岸浦恵介社長がコメント 社長就任後初の新型車がパジェロで「私はツイている」

「2027年のAXCRにパジェロで挑みたい」と宣言

2026年10月29日 開催
三菱自動車工業株式会社 取締役代表執行役社長 兼 COOの岸浦恵介氏、アジアクロスカントリーラリー2026(AXCR2026)に参加する「チーム三菱ラリーアート」の総監督を務める増岡浩氏がそろって出席した新型「パジェロ」の国内発売発表会。2027年のラリー参戦に関しての話題も出た

 三菱自動車工業は10月29日、12月17日に新型「パジェロ」を正式に発売すると発表した。それに伴い、三菱自動車工業本社ショールームで取締役代表執行役社長 兼 COOの岸浦恵介氏があいさつを行なうとともに、別室にて新型パジェロの商品概要説明会が開催された。

三菱自動車本社ショールームに展示されている新型パジェロ。ボディカラーはアーマーカッパーメタリック
新型パジェロのフロントビュー。ハニカムタイプのフロントグリルは「SUPER EXCEED」に採用される
全長は4920mm。4代目パジェロと比べると20mm長くなっているが、4代目は背面のスペアタイヤ込みの長さだったので、実は5代目の全長はかなり伸びている。そのため室内長は4代目より240mm長い
三菱自動車工業株式会社 取締役代表執行役社長 兼 COOの岸浦恵介氏

 岸浦社長はまず日本での受注状況に触れ、「10月26日時点で国内では約5500台の受注をいただきました。正式な受注としましては、本日の国内発売の発表を持って正式受注に移ります。そしてさらにお客さまから注文をいただけるようわれわれとしてもベストを尽くします」と説明した。

 続けて海外の状況についても説明し、タイでは10月19日に新型パジェロを発表・発売しており、10月28日の時点で約2000台の注文があったとのこと。そして12月中旬の発表・発売に向けて準備を進めているオーストラリアでも前評判が非常に高く、「多くの受注が期待できる」とのことだ。

日本のみならず、海外でも受注状況は好調だという

 話を日本に戻すと、新型パジェロは10月29日に発表となったが、国内販売店に車両が配備できるのは12月ごろの予定だという。現在、国内では12台の展示車を用意して各地で展示をしているが、評判に比べて台数が足りない状況。しかしそんな中で約5500台の注文があったことから、「今後、販売店で実車が展示できるようになると、さらにお客さまからの注文が増えるのではないかと期待しています。そのためにも生産、販売等について、われわれもしっかりとやっていきたいと思っています」と意気込みを語った。

「チーム三菱ラリーアート」の総監督である増岡浩氏

 続いてはAXCR2026(アジアクロスカントリーラリー2026)で総合優勝した「チーム三菱ラリーアート」の総監督、増岡浩氏がコメントした。

 増岡氏は「パジェロと言いますと、私にとって本当に“分身”のような非常に思い入れの深いクルマです。私が22歳のころ、初代パジェロ発売と同時に三菱自動車のドライバーとしてラリーに参加しました。その後、うれしいことも辛いことも含めて歩んできたパートナーです。そのパジェロが今回5代目ということで、このように大きく進化をして参りました。5代目はゴージャスさも追加されましたが、やっぱり基本コンセプトはキープしています。走りは国内最高を目指して、どんな道でもどんな天候でも全く気にすることなく、家族とともに安全にドライブできるすばらしいクルマです。私はこれからもパジェロは大事にしていきたいと思っています。近々、皆さまに発表できると思いますが、パジェロでまた海外へ挑戦する。そしてやはりまたナンバーワン、世界トップを狙うような、そんな夢もあります。これからも皆さまのご支援をよろしくお願いいたします」と結んだ。

増岡氏はパジェロを「自分の分身のような存在」と表現。そしてパジェロでまた世界へ挑戦し、ナンバーワンになりたいと語った

岸浦社長が対応した質疑応答

岸浦社長が報道陣の質問に回答。社長に就任して初めての新型車がパジェロであることについて「私はツイている」と笑顔で語った

──現在、世界の自動車業界では本格オフロード車のニーズが高くなっていて、自動車メーカーの競争も激しくなっている。その中でパジェロのポジションはどのようなものであり、他社のクルマとどのように差別化をしていくのか。

岸浦社長:われわれには独自の技術があります。特に4輪制御技術はとても優れていますが、今回これにさらに磨きをかけてパジェロに搭載しています。そのほかにも三菱自動車のパジェロの歴史をしっかりと継承していますので、そうしたところをアピールしながらわれわれのポジション、パジェロのポジションを確立させていきたいと思っています。さらに新型パジェロは上質さも加えていますので、そういうところもわれわれのさらなる特徴として“三菱自動車のパジェロ”というポジションを確立させていきたいと思っています。

──受注が約5500台ということで非常に好調であることの受け止めと、今後の目標台数について。

岸浦社長:立ち上がりが非常に好調でうれしく思っております。販売計画自体はもちろん上を目指していきますけども、新型パジェロは末永く皆さまに愛されて、三菱自動車のフラグシップとしてしっかりと存在感を出していきたいと思っていますので、常に販売を高いレベルで維持していく、そう考えています。ただ、月の販売台数の計画を引き上げていくというのにはこだわらず、着実に実績を積み上げていきたいと思っています。

──増岡氏から新型パジェロでのモータースポーツ参戦の話が出た、これについて現状どのようになっているのか教えてほしい。

岸浦社長:はい。2027年のAXCRにパジェロで挑みたいと考えています。そして2026年はAXCRで総合優勝しておりますので、今度はパジェロで連覇を果たしたいなと思います。

──新型パジェロの発売に対して思うところや感じたところはあるか。

岸浦社長:4月に社長になって、初めて発表できるクルマがパジェロと、こんなに運の良い社長はいなかったのではないでしょうか(笑)。そういう意味では私は「ツイている」と思っています。それだけこのクルマをしっかり育てていきたいと、それが私の大きな仕事の1つかなと思っています。皆さまに長く愛される、そういうクルマにしていきたいと、身の引き締まる思いで今日ここに立っております。

──海外の展開について。アメリカ市場への投入はあるのか?

岸浦社長:来年度から導入するマーケットを増やしていきたいと考えています。今の時点ではどの国に投入するかは具体的には申し上げられません。そしてパワートレーンに関しては、海外の市場ではハイブリッドの方が受け入れられる傾向があります。そのため将来に向けての計画というのはもちろん検討はしております。ただ、どのようになるかは今は申し上げることがありませんので、その辺はご理解いただければと思います。

新型パジェロ商品概要説明会

三菱自動車工業株式会社 国内営業本部 国内商品戦略部 主任の木村龍哉氏

 続いては別室で開催された新型パジェロの商品概要説明会の内容を紹介する。こちらのパートは三菱自動車工業 国内営業本部 国内商品戦略部 主任の木村龍哉氏が担当した。

 今回の説明会では新型パジェロを日本国内市場でどのようにユーザーに届けていくかや、そのためにどのような商品ラインアップを設定してきたのか、といったことが中心に話された。

 三菱自動車では新型パジェロを「三菱らしさを具現化したフラグシップモデル」と位置付けている。そして、具体的な商品価値として挙げているのが「コンフィデンス」「コンフォート」「プレステージ」という3点になる。

 コンフィデンスとは本格的な四輪駆動車が持っている悪路走破性や耐久性、信頼性のことで、コンフォートは乗用車らしい扱いやすさと快適性である。これらは歴代のパジェロですでに実現していたものであり、新型パジェロではこのコンセプトDNAを継承しつつ深化させている。そこに新たに加えたのが3つ目のプレステージ。三菱自動車を牽引する新世代のフラグシップモデルとして、それにふさわしい上質感と存在感を加えているとのことだ。

新型パジェロの商品特徴はコンフィデンス、コンフォート、プレステージの3つとなる

 次は想定ユーザー層とグレード展開について。三菱自動車では新型パジェロのユーザーについて、2つの層を想定して販売計画を作ってきたという。その内容はまず「性能重視層」というものだ。こちらは主に50歳代、60歳代のプレ・アクティブシニア、自分の経験に基づいて価値を判断する人物像である。

 この層に対してはS-AWCやスーパーセレクト4WD-II、7つのドライブモードを搭載し、走破性を追求したベーシックモデルのGLSと、GLSの装備をグレードアップしつつ、ルーフレールやリアデフロックも装備して、アクティブに楽しめるタフネスモデルのGSRを用意する。

 2つ目の層が30歳代から40歳代のポストヤングファミリー。これはヤングファミリーの次の段階をイメージしたもので、品質だったりデザインだったりと「もの」へのこだわりを持ちながら、自分たちらしい価値観を大切にしている人という想定だ。

 こちらの層では性能だけでなく、上質な移動体験も求められるため、20インチアルミホイールや存在感があるダイナミックフローライトを装備したプレミアムモデルのEXCEEDと、Dynamic Sound Yamaha Ultimateや、セミアニリン本革シートなどを装備して、すべての魅力を備えたハイエンドモデルのSUPER EXCEEDをラインアップしている。

ユーザーを2つに絞った上で、それぞれの要望に合うグレードの展開としている
グレード展開について
性能重視、自分の経験に基づいた価値観で判断する人向けのラインアップがGLSとGSR。現在の受注状況においてGSRは人気車種になっているそうだ。GLSは2027年4月からの生産となる
ポストヤングファミリーと上質な移動体験を求めるすべての層に向けてラインアップするのがEXCEEDとSUPER EXCEED
グレードだけでなく、ユーザーが自分らしさを表せるものとして、全11色のボディカラーを用意。新色はアーマーカッパーメタリックとファントムブルーメタリックの2色
SUPER EXCEEDにメーカーオプション設定されている「電動パノラマサンルーフ」。前席、後席ともに開放感をもたらす装備で、現在、SUPER EXCEEDを注文しているユーザーの約7割がこのオプションを選択しているとのこと
それぞれのライフスタイルや用途に合わせて、自分らしい1台に仕上げてもらうために多彩なディーラーオプションも用意。これはアウトドアを楽しみたい人向けに設定した「クラシックモダンスタイル」
都市部での洗練されたライフスタイルをイメージした「アーバンシフトスタイル」

 車体のパッケージングに関しても、非常にこだわりを持って作り込みを行なったという。新型パジェロは先代モデルよりひとまわり大きくなっているが、市街地や住宅地での日常使いから大自然での冒険に至るまで、取り回しよく運転しやすいことを考えてサイズ設定したという。

 また、快適性も向上しているとのことで、全長、全幅、全高、室内長、室内幅など、すべてにおいて先代より数値が大きくなっているが、このうち室内長はプラス240mmと特に余裕を感じるものとなっている。その理由は、先代の全長は背面に取り付けられたスペアタイヤを含んだ数値だったから。新型パジェロには背面スペアタイヤがないので、全長の数値以上にボディ自体が長くなっており、その分、室内スペースも広げられているのだ。

先代モデルとのサイズの比較。新型パジェロはひとまわり大きくなり、室内も広くなっている
先代よりも排気量は小さくなっているが最高出力、最大トルク、燃費はすべて先代を上まわる。動力性能と環境性能をバランスさせた仕上がり
こちらの質疑応答には木村氏とともに、チーフ・プロダクト・スペシャリストの板垣邦俊氏も対応した

 質疑応答の時間が設けられていたので、そこでの要点もお伝えしておく。まず気になる工場出荷見込みについては、説明会の時点で「約3か月から4か月」と言ったところがいったんの計画になっているそうだ。ただ、今後の受注状況によっては内容が変わってくることもあり得るとのこと。

 受注の内訳に関しては、年齢層としては40歳代、50歳代が多く、これは前記した想定ユーザー層とマッチするものである。三菱自動車のユーザーとしてはデリカD:5と似たような傾向だそうだが、新型パジェロではライフスタイル重視のもう少し下の年代からの支持も高いとのことだった。

 選ばれているのはSUPER EXCEEDが1番多く、全体の7割を占めるという。その次に多いのがGSR。ここも想定ユーザーとそれに対するグレード展開の考えに合うものとなっている。

 また、新型パジェロのオーダーを入れた人がどのようなクルマから乗り換えているのかについては、三菱車からの乗り換えではパジェロやデリカD:5、アウトランダーPHEVが多いとのことだが、そうした乗り換えではない新規のユーザーは全体の8割になっているという。

 ただ、販売店からの情報では、昔にパジェロやデリカに乗っていて、途中から他社に乗り換えていて、新型パジェロ発売をきっかけに再び三菱自動車を選んだユーザーもいるようだ。また、親がパジェロに乗っていたので、新しく発売されたパジェロを買いに来たというケースもあるそうだ。