BMW、「1シリーズ」ベースのEVをデトロイトショーで公開 EVでも後輪駆動と50:50の前後重量配分。フィールドテストを実施 |
独BMWは2010年1月に開催されるデトロイト・モーターショーに、電気自動車(EV)のコンセプトカー「Active E」を出品する。
BMWブランドとしては初、BMWブランドグループとしては「MINI E」に続く2番目のコンセプトEV。展示するだけでなく、MINI E同様に日常での使い勝手を確かめるフィールドテストも予定されている。
Active EはBMWのエントリーモデル「1シリーズ」のクーペをベースとしたもの。モーターをリアアクスル上に、パワートレインの制御機器をモーターの上に置く。バッテリーはフロントとセンタートンネル、リアシートの下、つまり内燃機関モデルではエンジン、ドライブシャフト、燃料タンクがあったところに配置される。
この結果、BMWの矜持である後輪駆動と、50:50に近い重量配分を、EVでも実現した。さらに、4人分のシートと200リットルのラゲッジスペースも確保されており、後席とラゲッジルームがバッテリーに占領されているMINI Eよりも、実用性が向上した。
乾燥重量は約1800kg。ちなみに日本仕様の1シリーズクーペ(135i)は1530kgである。
駆動モーターは最高出力125 kW(170PS)、最大トルク250Nm(184 lb-ft)で、0-60km/h加速が約4.5秒、0-100km/h加速が約9秒、最高速度145km/hの性能を持つ。
バッテリーはリチウムイオンで、ボッシュとサムスンSDIの合弁会社であるSB LiMotive製。液冷システムを備える。航続距離は約160kmで、充電にかかる時間は欧州規格の50A(230/240V)電源で約3時間、北米規格の32A(220V)電源で約4.5時間。
また、クルマから離れていてもバッテリーの充電量や航続距離を知り、付近の充電スタンドの位置を検索し、エアコンを操作できるスマートフォンがオプションで用意される。これにより、たとえば充電中に買物や食事をしながら、あとどのくらい充電に時間がかかるか、今の状態であとどれだけ走れるかを知り、その後の行動を決めることができる。また、乗り込む前にエアコンを動作させておくことで、車室内を快適にするばかりでなく、バッテリーのもちをよくして航続距離を最大化することができる。
(編集部:田中真一郎)
2009年 12月 18日