プジョー、「RCZ」を報道陣に公開
「308」はパワートレーン一新

アンベール前の「RCZ」

2010年6月3日



 プジョー・シトロエン・ジャポンは6月3日、「3008」の記者発表会において、プジョー初のコンパクトスポーツクーペ「RCZ」を展示した。また、「308」シリーズのハッチバックとSWに新型6速ATと1.6リッター直噴ツインスクロールターボエンジンを搭載することを発表した。

1台しか日本に到着していないRCZを展示
 会場に展示されたプジョー「RCZ」は、6速AT、右ハンドルのモデル。ボディーカラーはトルマリンレッド。このカラーは光の当たり方でオレンジが強調されて見えると言う。

 「RCZ」のワイド&ローなボディーサイズは4287×1854×1359mm(全長×全幅×全高)で、車両重量は1366kg。スタイリングでは左右2本のアルミナムアーチとダブルバブルルーフが特徴となる。内装では極上の手触りとされるナッパレザーのシートを装備する。

 「RCZ」の日本国内のグレードは左右ハンドル別に分かれており、右ハンドル仕様が、6速AT+156PSエンジン、左ハンドル仕様が6速MT+200PSエンジンとなる。エンジンはどちらも共通の直列4気筒 DOHC 直噴ツインスクロールターボ付き1.6リッターで、左右ハンドルで出力とトルクが異なる。価格は右ハンドルが399万円、左ハンドルが423万円。

 さらに、受注生産のパッケージオプションが用意され、右ハンドルに2タイプ(30万円と28万円)、左ハンドルに1タイプ(43万円)用意される。

RCZのスタイリングの特徴は左右のアルミナムアーチ、そしてブラックアウトされて分かりにくいがルーフの2つコブのダブルバブルルーフ
パワートレーンは直列4気筒DOHC 1.6リッター 直噴ツインスクロールターボエンジンで、前輪を駆動する6速ATモデルのタイヤは前後とも235/45 R18。6速MTモデルやパッケージオプション装着モデルは235/40 R19となる
ボンネットは左右のフェンダーまで含んで大きく開く。縦のシルバーの筒はアクティブボンネット機構のものドアはサッシュレス
インテリアはレザーメタルリング付きスポーツステアリングは左右ハンドルでデザインが異なる
アナログ式の4連メーター。中央には液晶によるシフトポジションや各種情報表示がある6速ATのシフトレバーはゲート式ダッシュボード中央のアナログ時計
サイドブレーキは左ハンドルモデルと共通のためか左寄りにある6速ATなので2ペダル。アルミペダルが標準装備される
助手席側の室内自動防眩式ルームミラーを装備。シートベルト警告は上部にある
ナッパレザーシートを標準装備乗車定員は4名だが、リアシートはミニマムだ

ATモデルの399万円はスペシャルプライス
 発表会では、「3008」に引き続き同社マーケティング部商品企画グループマネージャーの関博幸氏が「RCZ」について説明した。

 右ハンドル6速ATモデルについては「さまざまな豊富な装備を標準として399万円。より多くの方にRCZのドライビングプレジャーを楽しんでいただくためのスペシャルプライス」とし、MTモデルについては「エンジンコードに“X”を付与した、200PSの極めてスポーティ走行に割り振ったモデル」と説明した。

 受注生産のパッケージオプションがあることは「より高いレベルの要望をお持ちのお客様にお答えするために用意した」と理由を述べた。

 なお、「RCZ」の顧客への納車は7月以降になると言う。関氏は「ここにある1台しか日本に到着していない」と言い、会場の「RCZ」が国内唯一のものであるとした。

6速MTモデルの高出力エンジンの形式には“X”記号がつくATは右ハンドル、MTは左ハンドルとしたモデルラインナップ
6速ATモデル用のパッケージオプション6速MTモデル用のパッケージオプション

「308」は新6速ATと新エンジン搭載に
 今回、同時にプジョー「308」シリーズのハッチバックボディーの「308 Premium」、「308 Cielo」、「308 SW Premium」についても新型6速ATと新エンジンの搭載が発表された。

 新6速ATは同日に発表になった「3008」「RCZ」と先日発表された「308CC」と同じもので、ツインスクロールターボエンジンはヨーロッパの排ガス規制の「ユーロ5」に対応したものとなった。同時に仕様を見直し20~36万円の値下げを実現した。なお4速ATを搭載する「308 Style」は、254万円に据え置かれている。

モデル変速機価格
308 Premium6速MT269万円
308 Premium6速AT279万円
308 Cielo6速AT309万円
308 SW Premium6速AT299万円

 同社のティエリー・ポワラ代表取締役社長は「先に新しくなった207は手頃な価格帯で成功した。今年はじめは全乗用車の市場が前年比14.3%増だったのに対し、プジョー全体は29.4%増だったことで分かると思う」と、低価格化の効果を説明、「これからは、207と同様、多くのお客様にとって価格が手ごろになり、要求レベルの高い当社のお客様にも太鼓判を押してもらえるものと確信している」と308の販売増加に自信を見せた。

207シリーズの成功を語るプジョー・シトロエン・ジャポンのティエリー・ポワラ社長「308 Premium」の変更点36万円ダウンの「308 Cielo」はシートをファブリックに変更した
「308 SW Premium」は価格は下がったが特に変更はないようだそれぞれ価格が引き下げられた
会場には「308 Premium」など308シリーズも展示されたワゴンボディーの「308 SW Premium」308シリーズで最初に6速ATを搭載した「308CC」

(正田拓也)
2010年 6月 4日