「第50回全日本模型ホビーショー」開幕

第50回を迎えた全日本模型ホビーショー

2010年10月14日、15日(業者招待日)
2010年10月16日、17日(一般公開日)
幕張メッセ(9ホール)
入場料:1000円(中学生以下無料、Web割引券あり)



 最新の模型やラジコンの大規模展示会「全日本模型ホビーショー」が、10月16日、17日(14日、15日は業者招待日)に幕張メッセ(千葉市美浜区中瀬2-1)の9ホールにおいて開催される。入場料は1000円(中学生以下無料)だが、全日本模型ホビーショーのWebサイトに割引券が用意されている。Car Watchでは、クルマ関連の展示を中心にその模様をお届けする。

模型関連
 クルマの模型関連で多数の新製品を用意していたのは、やはりタミヤだった。スケールモデルにおいては、大ヒット作となった1/20「ロータス タイプ79 1978」のバリエーションモデルとなる1/20「マルティーニ ロータス タイプ79 1979」を展示。この1979年バージョンは、ドライバーがマリオ・アンドレッティとカルロス・ロイテマンとなったことから、ロールバーなどが異なっており、その違いを再現。また、ホイールやラジエーターの違いを再現するために、新規部品が用意されている。

 そのほか1/18「マクラーレン M8A 1968」、1/12「マクラーレン M23 1974」、1/20「マクラーレン M23 1976」、1/12と1/20の「ウルフ WR1 1977」など。いずれもかつて発売されていたモデルで、デカールを新しくしたり、エッチングパーツを同梱もしくは別売で用意したりして現代の水準にあわせて発売する。新作ではないのが残念だが、いずれも絶版となっていたモデル。とくにマクラーレン M8A 1968は40年ぶりの再版とのことで、待ち望んでいた人もいるだろう。

1/20「マルティーニ ロータス タイプ79 1979」。11月20日ごろ発売、4830円。1979年シーズンを戦ったモデルで、ドライバーはマリオ・アンドレッティとカルロス・ロイテマン。マシンも前年からモディファイを受けており、変更点も再現されている
右側の部品が今回新たに起こされた部分。1979年シーズンのラジエーターやホイール、ロイテマンの身長にあわせて変更を受けたロールバーなどが再現されているロータス タイプ79 1979のホワイトモデルロータス タイプ79 1979用のエッチングパーツセット。11月20日ごろ発売、1680円。このエッチングパーツも1979用に新しくなっている
1/18「マクラーレン M8A 1968」。10月30日ごろ発売、4410円。40年ぶりに生産されるモデル。デカールはカルトグラフ製
1/20「マクラーレン M23 1976」。12月発売、3570円。1976年の雨の日本グランプリで入賞し、ジェームス・ハントがシリーズチャンピオンになったモデル。再発売製品だが、当時とはタイヤを変更しており、より実車に近い仕上がりを期待できるタバコ広告規制のため、模型にはマールボロのデカールは含まれない。カルトグラフ製マクラーレン M23 1976用のエッチングパーツは別売で用意される
マクラーレン M23 1976のホワイトモデルマクラーレン M23 1976のホワイトモデルの拡大写真。よく見るとフロント部に塗り分け用の成型線を見ることができる
1/12「マクラーレン M23 1974」。12月発売。エマーソン・フィッティパルディが1974年にチャンピオンを獲得したマシン1/12スケールのため、各部も精密な仕上がりになっている
マクラーレン M23 1974では、エッチングパーツがキットに同梱されるマクラーレン M23 1974同梱のカルトグラフ製デカール。デカールの右に見えるのは、塗り分け用の型紙。この型紙を使えば、特徴的なカラーリングを再現しやすい
1/20「ウルフ WR1 1977」。10月30日ごろ発売、3570円。カルトグラフ製のデカールに加え、エアファンネルカバーや金属製のエッチングパーツが付属する
こちらは、1/12「ウルフ WR1 1977」。10月30日ごろ発売、9660円。前後サスペンションは、コイルスプリングを使って可動する1/12に同梱されるエッチングパーツ。1/20と比べ多くの部品が用意されている
1/20「ロータス タイプ 79 1978 イギリスGP #6(完成品)」と、「ロータス タイプ 79 1978 ドイツGP #5(完成品)」。発売は11月~12月、いずれも1万5540円。#6がロニー・ピーターソン仕様、#5がマリオ・アンドレッティ仕様を再現している1/20「タイレル P34 モナコGP(完成品)」も参考出品されていた。模型を作る時間がない人は、これらの完成品をコレクションするのがよいだろう

 新作が少ない中でも頑張っていたのが青島文化教材社。5月の静岡ホビーショーで1/24「ランボルギーニ カウンタック LP400」を突然リリースした同社だが、今回は1/24「ランボルギーニ カウンタック 5000QV(クワトロバルボーレ)」を展示。単なるバリエーションモデルではなく、多くの部品を新規に設計し直すことで、カウンタックの最強モデルを再現している。担当者によると「実車取材を行っており、その段階で新規に設計する部品があれこれ増えてしまった」とのことで、作りやすくかつ忠実度の高いものになっている。

 青島は、新作として1/24「GRB インプレッサ WRX STI 5door '07」、1/24「メルセデスベンツ SL65 AMG ブラックシリーズ」も展示。インプレッサの実車は先頃2010年モデルとして大きな変更が行われたが、この模型は2007年モデルを再現したものとなる。この時期にインプレッサを模型化した理由として、同社の持つ1/24痛車シリーズを理由に挙げていた。インプレッサとランサーエボリューションは、実車の痛車のベースとして人気が高く、最初は通常の市販車バージョンとして発売するが、いずれ1/24痛車シリーズにも加わえていきたいと言う。

 そのほか、1/24「オートザム AZ-1」のバリエーションモデルとして、AZ-1のOEMモデルである1/24「スズキ キャラ」、1/24「マツダスピード オートザム AZ-1」や、現行クラウンや初代シルビアのパトカー仕様をなど展示していた。

青島の1/24「ランボルギーニ カウンタック 5000QV」。10月発売予定、4410円。最強のカウンタックと言われるバージョンを模型化
新規に作られた部品。ほとんどの部品が新しいものとなっている。リアウイングもスモール版とラージ版を用意1/24「メルセデス・ベンツ SL65 AMG ブラックシリーズ」。10月発売予定、4200円
1/24「GRB インプレッサ WRX STI 5door '07」のモックアップ。12月発売予定、2730円。ホイールのデザインが異なるバージョンも用意。光造形による参考展示品
1/24「スズキ キャラ」。12月発売予定、2520円1/24「マツダスピード オートザム AZ-1」。10月発売予定、2730円
1/24痛車シリーズも展示されていた。1/24「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st 高町なのは ランサーエボリューションX」。発売中、3780円
1/24塗装済みパトカーシリーズ「18クラウン New Type」。10月発売予定、3990円1/24「CSP311 シルビア 神奈川県警パトロールカー」。10月発売予定、2100円。こちらは塗装する必要があるいわゆるグラチャン仕様の1/24「ジャパン 2Drスペシャル」。10月発売予定、3150円。ケンメリ 4Drのグラチャン仕様もラインアップする
塗装済みシリーズの1/24「R35 GT-R」。10月発売予定、3675円。アルティメイトメタルシルバーと、ホワイトパールをラインアップあらかじめ塗装された部品類。インテリアの塗り分けも行われている
クルマではないものの、新シリーズとして展示されていた1/12バリバリ伝説。シリーズ第1弾は1/12「巨摩 郡 CB750F」。10月発売予定、3360円。モリワキの集合管、トマゼリのゴールドコマンダーなど、特徴的なパーツも再現。いわゆる“郡ヘル”も新規金型で付属する

 ここ数回のホビーショーでは、F1模型をリリースしていたハセガワだが、今回は同社のF1新製品の展示はなかった。しかしながら、同社が輸入代理店となっているドイツレベルの新作が飾られており、1/24「メルセデス GP W01」、1/24「マクラーレン・メルセデス MP4-25(L.ハミルトン)」、1/24「フェラーリ F10」と、2010年シーズンのF1が模型化される。

 また、クルマではないものの、ハセガワのホビーショーにおける目玉は、1/12「HONDA RS250RW “2009 WGP250 CHAMPION”」。これは昨年、青山博一選手がオートバイの世界選手権であるWGPでチャンピオンを獲得したマシン。担当者は「久々に日本人が世界チャンピオンを獲得したので模型化した。250ccクラスのマシンはタミヤさんもしばらく模型化しておらず、競作となる可能性も低いと思った」と言い、ロータス79で起きたバッティングを避けながら、インパクトのある模型化を狙ったと思われる。

 そのほか、トミカはLIMITED VINTAGEシリーズとして、日産自動車「キャブオール」の1/64ミニカーを展示するとともに、実車展示を行っていた。

ドイツレベルの1/24 F1シリーズ。左から「メルセデス GP W01」「マクラーレン・メルセデス MP4-25(L.ハミルトン)」「フェラーリ F10」。いずれも12月発売予定で、4830円
同じくハセガワが輸入代理店となっているアメリカレベル 1/24「アウディ R8」。12月発売予定、3570円アメリカレベル 1/24「'09 ダッジ チャレンジャー SRT8」。12月発売予定、3780円アメリカレベル伝統の1/25シリーズ「'64 シェビー インパラ ローライダー」。12月発売予定、3675円
ハセガワのサプライズ製品は1/12「HONDA RS250RW “2009 WGP250 CHAMPION”」。12月発売予定、3990円。徹底的な実車取材を行い、細部まで完全再現したと言う製品。同社の技術力の高さがうかがえるものとなっている
トミカのブース。日産キャブオールの実車とミニカーを展示1/64「LTV-100a キャブオール ルートカー」。12月発売予定、1890円

RCカー関連
 走らせて楽しめる、RCカー関連でもタミヤの新製品展示は多かった。新型シャシーや、新ボディーなど多数の製品を用意。年末の商戦期に向け、順次発売していく。

 京商では、フォーミュラ・ニッポンで使われているようなオーバーテイクボタン装備するミニッツレーサーを展示。これは、普段はフルスロットルで70%の出力となるが、オーバーテイクボタンを押すことで、3秒間100%の出力となるもの。1レースにボタンを使える回数は、別売のUSBアダプターを使うことで、あらかじめパソコンで制御できる。これにより、エキスパートは1回、ビギナーは5回などハンデを付け、白熱したレース展開を実現する。このボタンの制御ため、ステアリング操作、スロットル操作に加えた3チャンネル制御が必要で、この機能を京商ではTikiTiki(チキチキ)モードと名付けている。

 ヨコモは、SUPER GTのGT500クラスをイメージさせる新シリーズ「GT500」を展示。このGT500は、FRの2WDシャシーを使ったもので、カラーリングは明らかにされていないものの、ボディーはGT-RとSC430を参考出品していた。発売はGT-Rが先になると言う。

 ここ数年のRCカーでは、ドリフト仕様をウリにした新製品が多かったが、各社がドリフトに変わる新しいRCカーの楽しみを提案しているのが印象的だった。

タミヤの4WDツーリングカーシャシー1/10「TA05 ver.II」に、2万8000円分以上のオプションパーツを満載した1/10「TA05 ver.II R シャーシキット」。高効率かつ、高剛性なパーツが装備されたチューニングモデル。11月23日ごろ発売、3万6540円
1/10「RAYBRIG HSV-010(TA05 ver.II)」。12月発売。今シーズンからSUPER GT500クラスに参戦するHSV-010が登場。RAYBRIGカラーが第1弾となったのは、タミヤがスポンサーについているためだと言う。空力のよさそうなボディー形状が目を引く
1/10「Honda シビック TYPE R R3 JAS モータースポーツ(FF-03)」。12月発売。実車同様FFの2WDシャシーを使用している1/10「ENDLESS Z34 フェアレディZ(TT-01D TYPE-E)ドリフトスペック」。11月13日ごろ発売、1万9740円。LEDライトなどを装備するドリフトモデル1/10「フェアレディ240Z(TT-01D TYPE-E)ドリフトスペック」。11月13日ごろ発売、1万9740円。Z34同様にLEDライトを装備するドリフトモデル
コンパクトサイズのRCカーに使われてるMシャシーの最新後輪駆動モデル1/10「M-06 PRO シャーシキット」。12月発売、1万8690円。写真では左側がフロントとなり、リアオーバーハングにモーターを搭載するM-06 PROは、バスタブシャシーとなっており、ホイールベースも210mm、225mm、239mmに変更可能。多くのボディーに対応するオプションパーツを多数組み込んだM-06 PRO。右がフロント側
M-06 PROの各部写真。バッテリー搭載方法が、横置きから縦置きになった。モーター搭載位置も、従来よりバランスのよいものになっていると言う
1/10「ボーダフォン マクラーレン メルセデス MP4-24」。11月13日ごろ発売、1万9740円。F1用のRCシャシー、F104を使用したRCカー。複雑な構成のボディーが美しく再現されている
1/10「F104 PRO ブラックスペシャル」。11月20日ごろ発売、2万9140円。F104 PROシャシーにブラックアルマイト処理したアルミ製モーターマウントや、デフカバーなどが付属する限定品。ボディーは軽量ボディーとなっている組立済みのRCカーシリーズ、XBシリーズ。プロポなどがセットになったものもあるが、これは自分の好きなプロポやサーボを組み込めるRCメカレスタイプ。1/10「XB フェラーリF60(RCメカレスタイプ)」。10月30日ごろ発売、2万8140円。シャシーはF1041/10「XB タイレルP34 1976 日本GP(RCメカレスタイプ)」。12月発売、3万240円。F60と同じくRCメカレスタイプの組立済みRCカー。シャシーはF103RS
左から、1/10「XB トヨタ ランドクルーザー40(CC-01)」12月発売、1/10「XB アルピーヌ A110(M-05Raシャーシ)」10月30日ごろ発売、1/10「XB フェアレティ240Z(TT-01D TYPE-E)ドリフトスペック」12月発売。いずれもRCメカ組み込み済みで、手軽にRCカーを楽しめる
これはRCカーではなく、ミニ四駆の新製品。「ミニ四駆 スーパーXXシャーシ Evo.I」。11月13日発売、5040円。ミニ四駆としては高価格だが、2mm厚のカーボンリアステー、アルミローラーベアリングなど高価なオプションパーツを装備
TikiTikiモードを搭載した京商のRCカー「auセルモ スープラ JGTC2003 TikiTiki仕様ボディ/シャシーセット」。1万8375円。別売のオーバーテイクボタン装備の送信機が必要TikiTikiモード搭載シャシーの単品販売も行われれるので、既発売のボディーと組み合わせて楽しめる。「MR-03シャシーセットTikiTiki仕様」。1万4700円。別売のオーバーテイクボタン装備の送信機が必要写真がTikiTikiモードのコントロールを行うコントローラー
京商はスーパー耐久に「KYOSHO アリスモータース」として参戦しているが、そのミニッツ版を展示。「KYOSHO アリスモータース 三菱ランサーエボリューションX ボディ/シャシーセット」。2万1000円チームのイメージキャラクターがプリントされたキーボードも展示されていた
ミニッツより小さなRCカー、ミニッツリットの新製品として日産の電気自動車「リーフ」を展示。実車と同様の位置からバッテリーを充電できると言う。2011年2月より、日産ディーラーや日産ギャラリーで発売される
ミニッツシリーズの新製品として、「フェラーリ 599XX」や「アバルト 500 アセットコルセ」も参考出品されていた
ヨコモの新RCカーシリーズ「GT500」。GT-RやSC430のボディーが参考出品されていたほか、FRの新シャシーを展示

(編集部:谷川 潔)
2010年 10月 15日