写真で見るメルセデス・ベンツ「C63 AMGクーペ」


 メルセデス・ベンツの新型「Cクラス」クーペは2011年のジュネーブ・モーターショーで初公開されたわけだが、ここ日本ではベースモデルよりも先にハイパフォーマンスなAMGモデルがデビューした。

 エンジンはV型8気筒DOHC 6.3リッターエンジンで、最高出力は336kW(457PS)/6,800rpm、最大トルクは600Nm(61.2kgm)/5,000rpm。オプションのパフォーマンスパッケージ装着車はさらに出力が上がり358kW(487PS)/6,800rpmとなる。これに湿式多板クラッチ式の7速AT「AMGスピードシフトMCT」を組み合わせ、後輪を駆動する。

 ベースグレードのホイールは18インチだが、パフォーマンスパッケージ装着車は19インチとなる。タイヤは前後で異なり、フロントが235/35 R19、リアが255/30 R19となる。

 ボディーサイズは4707×1795×1391mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2765mm、車両重量は1800kg。全長、全幅、トレッド、ホイールベースや前後オーバーハングはセダンと同一だが、全高のみ50mm低くなる。

 クーペのスタイリングを持つが、大きめのリアウインドーなどセダンに近い部分もあり、後部座席の居住性も著しくわるいわけではない。セダンとの違いは乗車定員が5名から4名に減ったことや、後部座席の座面の前後長が75mm長くなり、反対に座面から天井までの間隔が60mm減っていることだ。

 また、AMGモデルの特徴として、形状の異なるアルミニウム製ボンネットを装備するほか、前後バンパーの形状の違い、フロントグリルの違いなどが挙げられる。とくにリアバンパーはディフューザーを備え、左右に2本出しのエキゾーストパイプなど、後方への威圧感は別次元のものとなっている。

 価格は1085万円。撮影車は出力向上やブレーキ強化をはじめとしたセットオプションの「パフォーマンスパッケージ」(125万円)、カーボンインテリアトリム(32万円)を装着している。

C63 AMGはベースグレードのクーペから前後のスタイリングを変更し、ハイパワーバージョンであることを強調している。マットブラックのホイールはパフォーマンスパッケージに含まれる
フロント部の開口部を大きくとっているほか、バンパーやグリルがベースグレードと異なる
グリル部はベースグレードが2本のラインなのに対し、1本の細いラインになるフロントオーバーハングは比較的短いバンパー中央下部はブラックに塗装される
他のCクラス同様、ヘッドランプ内が「C」の形状で光る。ターンシグナルはLED
LEDのドライビングライトを装備側面のターンシグナルランプはミラー内蔵ボンネット先端のメルセデス・ベンツマーク
ベース車とボンネットの形状が異なるフロントフェンダーに付くAMGと6.3リッターエンジンをあらわすエンブレムタイヤは外側ぎりぎりまで貼り出す
パノラミックルーフはC63 AMGクーペに標準装備ワイパーはフラットタイプが2本
パノラミックルーフはオープンとチルトが可能だ
クーペだがリアウインドーは比較的大きめ。プライバシーガラスはC63 AMGに標準装備迫力あるフェンダーラインドアハンドル。運転席側はキーホールが備わる
給油口は一度押して開くタイプ。ドアロック連動サイドミラーリアタイヤ後方に追加フェンダーが付く
リアはデュフューザーとエキゾーストパイプがただ者でないことを強調している
ウインドー下のラインは、他のメルセデス・ベンツ車と同様の山型のカーブ状となるカーボン製のリアスポイラー
テールランプ類はバックライト以外はLEDとなる
リア周りではマフラーやディフューザーに目がいくハイマウントストップランプもLEDナンバーを照らすライセンスランプもLEDとなる
フロントからリアにかけて黒で統一されるルーフ排ガスの認定を通っているルーフエンドにあるアンテナ
グレードをあらわすバッヂ右側にはAMGバッヂ
V型8気筒DOHC 6.3リッターエンジンは最高出力336kW(457PS)/6800rpm、最大トルク600Nm(61.2kgm)/5000rpmを発生するが、撮影モデルはAMG パフォーマンスパッケージ装着車なので最高出力が358kW(487PS)まで向上する
AMGのプレートが貼られるV8エンジンの左右バンクの膨らみをボンネット外見にも表しているマフラーエンドにも「AMG」のエンボス加工が施される
タイヤサイズはフロントが235/35 R19、リアが255/30 R19。マットブラックのホイールはパフォーマンスパッケージの専用装備パフォーマンスパッケージに含まれるスリット&ドリルドのブレーキローターと大型キャリパーがハイパワー感を強調する
ドア部にもシートと同じレザーが貼られる。ドアにシート調整が用意されるAMGのスカッフプレートレザーシートは標準装備
運転席のレイアウトはAMGもノーマルも共通ダッシュボードペダルはATなので2ペダル。ハンドブレーキ用の小さいべダルが左にある
太めのグリップで、アルカンターラ素材のステアリングスピードメーターの中央のカラーディスプレイで各種情報を表示するメーターパネル内の操作はステアリング左側のボタンで操作する
左のコラムレバーはメルセデス・ベンツ共通の操作で、倒せばターンシグナルランプとハイ/ロービーム切替、ひねるとワイパー。その上の小さいレバーはクルーズコントロールヘッドランプスイッチは右側にある。リアフォグランプは左の押しボタンで操作するキーは携帯していれば鍵穴に挿し込む必要のないタイプ
シフトレバーがゲートを刻んでいないが、左右に倒しながら前後に操作する
オーディオ類はこのパネルで操作。携帯電話のハンズフリーも可能。エアコンはその下となり、左右独立調整が可能シートの調整はドアにあるスイッチで行う大型のフロアコンソールボックス
携帯型オーディオプレーヤーを接続する端子がある。ケーブルは3タイプ付属するグローブボックス
シートはナッパレザーが標準。カラーは7タイプが選択できる。写真は「クラシックレッド」
リアシートは2名乗車だが、左右のウインドーも大きめで居住性はそれほどわるくない
ISOFIX対応となり、テザーアンカーのフックはヘッドレスト裏に引っ掛けるリアシートにもカップホルダーなどの快適装備が備わる
パノラミックルーフから見える景色バイザー裏には大型ミラーやライトも装備する
トランクルームはシートを倒すことによってスペース拡大が可能。レバーはトランク上部にある
スペアタイヤを装備する救急キットはトランク左側に装備
メーターパネル内にシフトポジションや水温/油温が表示される。時刻や外気温が常に表示されるラップタイム計測も可能横滑り防止機能やATモードの表示
ATモードは下側のシフトポジションの右に常時表示設定画面を呼び出して各種設定が可能クルマの向きを表示できる
ラジオやテレビのチャンネル切替もメーター内で確認できる携帯電話の接続はBluetooth経由で行える設定項目によっては分かりやすく図示される
コンソール上の液晶画面にナビゲーションが表示されるFM-VICSにも対応目的地設定画面
ラジオはアナログ風のスケールを表示させて選局できる携帯電話の接続はBluetoothでテレビは地デジの12セグ受信に対応
テレビ番組表もサポートする時計表示が可能接続した携帯電話からインターネット接続も可能。ブラウザを内蔵する
バックモニターを装備し、ステアリング位置に応じた軌跡予測ラインを表示する縦列駐車用のパーキングアシスト機能も付いている

(正田拓也/Photo:鈴木広一郎)
2011年 12月 14日