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日産、「NV200ニューヨーク市タクシー」量産仕様車を日本で初公開
セバスチャン・ベッテル選手が急遽参加、NV200ニューヨーク市タクシーは「親しみがもてる」とコメント
(2013/10/9 18:04)
日産自動車は10月9日、10月末から米国ニューヨーク市で稼働を開始する「NV200ニューヨーク市タクシー」を一般公開した。車両が展示されたのは、東京 銀座にある松屋銀座本店の1階スペース・オブ・ギンザ。同店が展開する「ニューヨークウィーク」に連動した企画として10月9日~15日までの1週間展示される。展示初日となる9日には、報道関係者向けの発表会を行うとともに、量産仕様車の試乗体験会を実施した。
NV200ニューヨーク市タクシーは、日産が40カ国以上で世界展開する小型商用車(LCV:ライト・コマーシャル・ヴィークル)である「NV200」をベースに開発したもの。ニューヨーク市の次世代タクシーの先行プロジェクト「タクシー・オブ・トゥモロー」向けに提案。2年以上の歳月をかけた厳しい選考の結果、2011年5月に次世代タクシーとして選定されたもので、今月から現行タクシー(フォード・クラウン・ヴィクトリア)との入れ替えが始まり、10年間にわたってニューヨーク市のイエローキャブとして使われることになっている。車両はすでに同社のメキシコ・クエルナバカ工場にて8月から生産が開始されているという。
発表会に出席した片桐隆夫副社長は「今回、松屋銀座様とニューヨークをテーマにいたしましたイベントにコラボレーションして開催させていただくことを大変ありがたく光栄に思っております。と申しますのも、我々日産自動車は5年前まで長い間、銀座に本社がありましたし、4丁目には日産ギャラリーを持っております。銀座には非常にお世話になっており、このイベントに参加できるのは非常に喜ばしいことです」「こちらにありますのは、ニューヨークタクシーの量産車です。2011年5月に採用の案内をいただきまして、それ以来、現地の方々の声を取り込みながらクルマを作って参りました。この8月からはメキシコの工場で生産を開始し、そして今月末オペレーション開始を迎えるわけでございます。NV200が採用された理由は、私ども考えますに非常にコンパクトな外観でありながら中が広い。そしてラゲッジスペースが非常に広い、ということ。そして燃費性能に優れている上に、サイドステップやグリップ、スライドドア、パノラミックルーフといった、きめ細やかな数々の装備も選考に残った理由だと考えています」と述べ、さらに今後、タクシーの標準形になると思うと、同車両の未来についてもコメントした。
日産自動車LCV事業本部の田村利徳氏は、NV200ニューヨーク市タクシーおよび国内で展開しているUD(ユニバーサルデザイン)タクシーのCPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)を務める。田村氏に話を聞いたところ、NV200がベースと言えども実際にはまったくの新造形に近いものという。タクシー車両は、それぞれの地域の事情に合わせ手の込んだクルマづくりが必要となる。そのため、このNV200ニューヨーク市タクシー仕様車に至っては、国内仕様と比べサイズがひと回り大きくなるという。
最終的に国内仕様との共通化は見据えているのかという話についても、それは現実的ではないとのこと。また、スペインやロンドンでのNV200のタクシーについても現地に向けた合わせ込みが必要であるため、どのようになるのかはまだ先のことのようだ。
このNV200ニューヨーク市タクシーは、10年間にわたって次世代のニューヨーク・タクシーを務めることとになる。実際に活躍するのはマンハッタン島をはじめ、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、スタテンアイランドとなる。