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ダイハツ、「デカデカ」コンセプトの新型軽自動車技術説明会

11月初旬正式発表。ミニバンからのダウンサイザーに対応し、タントより約10%広い室内容積

2014年9月29日開催

ダイハツの新型軽自動車のプロトタイプ。レジャーを意識したカモフラージュパターン

 ダイハツ工業は9月29日、ベルサール秋葉原(東京都千代田区)で新型軽自動車技術説明会を開催した。この新型軽自動車は、2009年の東京モーターショーで展示したコンセプトカー「Deca Deca(デカデカ)」、2013年の東京モーターショーで展示したコンセプトカー「DECA DECA(デカデカ)」のコンセプトを具現化する車両で、11月初旬の正式発表を予定している。

プロトタイプ 2台を展示
ラゲッジルーム。フラットなラゲッジを実現している
両側スライドドア
もう1台の展示車にはゴルフバッグが積まれていた
アンダートランクも用意されている
ダイハツ工業 技術本部 副本部長 上田亨氏

 新型軽自動車の技術概要については、同社の低燃費技術「e:S(イース)テクノロジー」の開発を主導したことでも知られるダイハツ工業 技術本部 副本部長 上田亨氏から説明が行われた。上田氏によると、このウルトラスペース軽は、軽自動車の可能性を拡大するために開発したという。

 上田氏は、各メーカーの積極的な技術開発・新型車投入によって軽自動車市場は活性化しているとし、登録車からのダウンサイザーが軽自動車販売の好調につながっているという。「タント」に代表されるモアスペース系の軽自動車は、この10年で4倍へと成長。軽自動車市場の31%になるとのこと。

 市場が成長する中でダウンサイザーが増え、とくにミニバンからのダウンサイザーにとっては「荷室の広さ」が不満点として挙がっているとし、新型軽自動車では室内サイズの拡大に注力。後席両側スライドドアを持つ車体を採用し、2215×1345×1455mm(室内長×室内幅×室内高)と軽自動車最大の容積を持つという。これはモアスペース系のタントと比較して約10%大きく、飛び抜けた大きさであるとした。

 上田氏は、このクルマの特徴を4つ紹介。軽最大の室内空間「ウルトラスペース」、座って分かる見晴らしのよさ「ファインビジョン」、高さを感じさせない安心・安全の基本性能「ファン&リラックスドライブコンセプト」、圧倒的な荷室の使い勝手のよさ「ミラクルラゲージ」であるという。

 1455mmの室内高は全高1835mmの中で実現しており、後席のスライドドア開口高も1700mm。子供であればそのまま、大人でも少しかがむだけで後席に乗り込めるとする。タント比で85mmアップの車高をもつ新型軽自動車では、重心高を低くするために、ルーフパネルの軽量化、パンク修理キットの床下配置、各部の樹脂化などで、重心高の上昇を10mmに抑制。サスペンションまわりの高剛性化、空力フィンなどの採用で、操縦安定性を高めている。燃費は2WD車の場合、自然吸気が25.4km/L(免税)でターボが23.8km/L(減税)になる。

ダイハツの軽自動車づくり
軽自動車市場の動向
ダウンサイザーが増加
ニーズ調査
不満点など
もっと軽にできることの追求
2台のコンセプトカー
各仕様
コンセプト
ウルトラスペース
全高と室内高について
開口高
アイポイント
走行性能について
車種のマッピング
足まわりの強化
空力フィンの追加
重量配置
静粛性について
ラゲッジルームについて
アンダートランク
使い勝手を向上
スライドドアについて
各種ユーティリティボックス
もっと軽にできること
ダイハツとして初めて空力フィンを採用
質疑応答時には、新型軽自動車を直接担当するチーフエンジニア 中島雅之氏も同席

 軽自動車の価値は燃費で語られがちだが、イーステクノロジーで燃費性能を一段高めた上田氏は、新型軽自動車で室内の広さを訴求していく。

 室内容積が広いとはいえ、タントとの違いが分かりにくい部分であるが、タントは子育てなどの日常使用、デカデカコンセプトを受け継ぐ新型軽自動車は日常からレジャーでの使用をターゲットにしているという。そのため、タントはセンターピラーのないミラクルオープンドアを採用していたが、新型軽自動車では両側スライドドアとなっている。

 価格については正式発表時としていたものの、「ミニバンからのダウンサイザーにも納得していただける軽自動車らしい価格」(上田氏)であるとのことだ。

【お詫びと訂正】記事初出時、コンセプトカー「Deca Deca(デカデカ)」を2011年の東京モーターショーで展示としておりましたが、正しくは2009年の東京モーターショーとなります。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:谷川 潔)