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マツダ、新型「ロードスター」を地元広島で初展示

「MAZDA ROADSTER 25th ANNIVERSARY」をマツダミュージアムで開催

2014年11月9日開催

マツダ本社がある広島で初展示された新型「ロードスター」のプロトタイプ

 マツダは11月9日、広島本社内で開催された「MAZDA ROADSTER 25th ANNIVERSARY」において、2015年発売予定の新型「ロードスター」のプロトタイプを参加者にお披露目した。

会場には広島土砂災害の義援金ボックスが置かれていた

 新型ロードスター プロトタイプは、9月4日に舞浜アンフィシアター(千葉県浦安市舞浜)で開催されたファン参加型イベント「マツダ ロードスター THANKS DAY IN JAPAN」で世界初公開され、その後全国のファンイベントでお披露目されてきた。本来、地元でのお披露目は9月4日の直後となる9月7日が予定されていたが、8月20日に広島で発生した土砂災害のために延期。約2カ月遅れの開催となった。

 広島での「MAZDA ROADSTER 25th ANNIVERSARY」は600名の参加者での開催を予定していた。11月に再開催となったため、その600名の参加予定者にイベント告知を行い、午前、午後合わせて363名の申込みがあったという。

 開催当日、参加者は広島県安芸郡府中町にあるマツダ本社受付に集合。その後、バスでマツダ本社敷地内を移動し、建設当時は一企業が所有する橋としては世界最大だった東洋大橋を越え、宇品工場の敷地内にあるマツダミュージアムへと向かう。マツダミュージアムがMAZDA ROADSTER 25th ANNIVERSARYの会場となっており、バスで会場に到着すると新型ロードスターの開発責任者である山本修弘氏をはじめとした、開発スタッフが参加者を出迎えてくれた。

 会場に入ると赤いベールのかかった新型ロードスターが中央に展示されていた。すでに実車が公開されている新型ロードスターだが、やはり間近で実際に見るとワクワクしてくるもの。会場がコンパクトなこともあって、非常に近い距離に展示されているのも嬉しいところだ。

赤いベールのかかった新型ロードスター

 午前の部は9時にお披露目開始。壇上には舞浜アンフィシアターでも司会を行ったという司会者が登場。9時にスモークとともに新型ロードスターがアンベールされた。会場がコンパクトなこともあって、スモークがなかなか引かなかったのはご愛敬。スモークの中から開発責任者である山本氏が登場した。

9時。司会者が登場し、いよいよ新型ロードスターのアンベールが始まる
スモークが吹き出しアンベール開始
スモークの勢いは強い
会場がスモークまみれになってきた
なかなか見えない状態に
だんだんスモークがひき、新型ロードスターが見えてきた
ファンも一眼レフやタブレットで撮影
新型ロードスターが登場した

 山本氏は新型ロードスターとともに、開発を行ってきたスタッフを一人ひとり紹介し、会場に集まったファンとともにお披露目を楽しんでいた。新型ロードスターの詳細についてはまだ話せることは少なく、主に外観面が言及しやすい部分になる。そのためか、お披露目イベントでは、デザイナーの中山雅氏がデザイン面を解説。新型ロードスターでは、とにかく前後輪のオーバーハングを短くすることにこだわったこと、そのためにライトの入るスペースが厳しくなったことなどを紹介していた。

新型ロードスターとともに登壇した開発責任者である山本氏
開発スタッフを1人ずつ紹介。開発スタッフが多数参加できるのも、開発地である広島でのイベントのためだろう

 また、特にこだわったのは空力面で、新型ロードスターは上から見るとティアドロップ(涙滴形状)になって空力抵抗を低減しているとのこと。ソフトトップのオープン時だけでなくクローズ時もお披露目され、ソフトトップの天井を叩き、その個所がソフトトップながらハードな部品を使っていることを明かした。中山氏は「材質は言えませんが」と前置きした上で、何度もソフトトップ上部を叩き硬い天井であることを印象づけた。これは、しっかりした材質を使うことで天井の形状を固定化し、空気の流れを整えるため。空気の流れが整えば空気抵抗も下がり、運動性能に与える影響も小さくできる。

新型ロードスターのデザイン面について語るデザイナーの中山雅氏

 さらにクイズとして、新型ロードスターのフロントグリル下(逆台形の下辺の頂点近く)に開けた穴にも言及。この穴の役目について途中まで喋りかけたものの、あまり喋るとこれからのお楽しみがなくなるということで、その役割について解説するのは持ち越しとした。

ソフトトップクローズ時の姿も披露
とにかく新型ロードスターの距離が近いのがポイント。ドアを開けた状態では、インテリアを外から少しだけ見ることができた

 新型ロードスターのフロントグリル下は、シャシー下面に空気を導くような形状となっている。その付近に開いた穴となるため、シャシー下面に乱れた空気(乱流)が入っていかないようにするための穴であり、シャシー下面に入ろうとする空気をボディーサイドに導く穴のように見える。スムーズにシャシー下面に空気が入り、入る空気の量もやや減るのであれば、シャシー下面の圧力はボンネット上面より低くなり下向きの力(ダウンフォース)が発生する。そうすることでフロントタイヤの接地性も向上し、ステアリングの効きもよくなり、キビキビ走るという好循環が発生する。この辺りは記者の想像に過ぎないが、詳細なことが分かるまでの間に「あーでもない」「こーでもない」と語り合えるのはクルマ好きの楽しい遊びだ。

 新型ロードスターの展示は、この広島での展示のあと、12月7日に岡山国際サーキット(岡山県美作市)で開催される「マツダファンフェスタ2014イン岡山」にも登場することがアナウンスされており、ここでは新型ロードスター展示のほか、MAZDA 787B #202 JSPC参戦車などがデモランを実施する予定だ。

●12月7日開催の「マツダファンフェスタ2014イン岡山」に新型「ロードスター」登場
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20141107_674926.html

 そのほかでは、新型ロードスターの開発段階模型を広島県立美術館で11月18日~12月23日に展示するほか、11月30日には同美術館で前田育男氏(マツダ 執行役員デザイン本部長)と山田晃三氏(GKデザイン機構代表取締役社長)の対談を、12月20日には中牟田泰氏(マツダ アドバンスドデザインスタジオ部長)による「This is Mazda Design.『魂動デザイン』を通じた『走る歓び』の具現化」という講演が行われる。マツダのデザインに興味のある方は、訪れてみていただきたい。

(編集部:谷川 潔)