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スーパーフォーミュラ開幕戦 鈴鹿、ポールは2013年王者山本尚貴が獲得

日本復帰の小林可夢偉は10位から明日の決勝レースをスタート

2015年4月18日~19日開催

開幕戦の鈴鹿でポールポジションを獲得した山本尚貴(16号車 TEAM 無限 SF14)

 日本最高峰のレースシリーズ「スーパーフォーミュラ」は、4月18日~19日に三重県の鈴鹿サーキットで行われている「SUZUKA 2&4 Race」で開幕戦を迎えた。4月18日には練習走行と予選が行われ、13時50分からの予選では、明日の決勝レースグリッドをかけて、上位14台が次に進める予選1回目(Q1)、上位8台が次に進める予選2回目(Q2)、そして上位8台のグリッドが決定する予選3回目(Q3)が行われ、明日のレースグリッドが決定した。

 ポールポジションを獲得したのは、6度目のポールポジションとなる山本尚貴(16号車 TEAM 無限 SF14)。2位はナレイン・カーティケヤン(41号車 DOCOMO DANDELION M41Y SF14)、3位はアンドレ・ロッテラー(2号車 PETRONAS TOM’S SF14)となり、昨年苦戦したホンダエンジン勢が1-2を獲得、勢力図が昨年から大きく変わったことをうかがわせる順位となった。

 昨年までF1世界選手権を走っていた小林可夢偉(8号車 Team KYGNUS SUNOCO SF14)は、久々に走る日本のレースシリーズ初戦で、Q2で敗退して10位グリッドから決勝レースをスタートすることになった。

期待の小林可夢偉はQ2でノックアウト

 13時50分より行われたQ1では、全19台がコースインし、上位14台までがQ2に進める厳しい席取り合戦となった。このQ1では、優勝候補の1人と考えられていたアンドレア・カルダレッリ(20号車 LENOVO TEAM IMPUL SF14)、平川亮(7号車 ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)が脱落するという波乱の展開から始まった。しかもこのQ1では昨年はQ1で多くが敗退してしまっていたホンダ勢が上位に来ており、ホンダ、トヨタという2大メーカーによるエンジン競争ではトヨタ優勢という状況が大きく変わってきていることをうかがわせた。

 その後開始されたQ2では、今年からスーパーフォーミュラに参戦することを決めた、元F1ドライバーの小林可夢偉(8号車 Team KYGNUS SUNOCO SF14)が10位に終わり、上位8台が進めるQ3に進むことができずQ2落ちとなった。このQ2ではジェームス・ロシター(3号車 FUJI×D'station KONDO SF14)も落ちており、トヨタ陣営で優勝を争うと思っていたドライバーが続々と消えていくという展開となった。これにより、上位8台の争いとなったQ3では、ホンダ勢が3台、トヨタが5台という戦いになった。昨年同時期に行われた鈴鹿での開幕戦ではホンダ勢でQ3に進めたのは1台だけで、かつQ3では8位に終わったことを考えればやはりパワーバランスが変わったのだと感じるQ2となった。

Q2落ちとなった小林可夢偉(8号車 Team KYGNUS SUNOCO SF14)

昨年厳しい成績に終わったホンダ勢がリベンジの1-2、ポールは山本尚貴

 その後7分間のQ3が開始されたが、Q3も波乱の展開となった。各車がタイムアタックを始めたタイムアタックラップの1周目で国本雄資(39号車 P.MU/CERUMO・INGING SF14)がデグナーカーブでタイヤバリアに正面から突っ込むクラッシュが発生。ドライバーは無事だったものの、車両排除と安全確保のため、予選は赤旗中断となった。残り時間は1分55秒と、1周の周回も難しい残り時間となったため、結局残り3分で再開されることになり、各車1周だけのアタックを行う展開となった。

国本雄資(39号車 P.MU/CERUMO・INGING SF14)のクラッシュにより、Q3は一時中断。実質的に各車1周のタイムアタックとなった

 その中で、ポールポジションを獲得したのは一昨年のチャンピオン山本尚貴(16号車 TEAM 無限 SF14)。2位はナレイン・カーティケヤン(41号車 DOCOMO DANDELION M41Y SF14)、3位はアンドレ・ロッテラー(2号車 PETRONAS TOM’S SF14)となり、昨年は大苦戦だったホンダ勢が1-2となる結果となった。

2位となったナレイン・カーティケヤン(41号車 DOCOMO DANDELION M41Y SF14)
3位はアンドレ・ロッテラー(2号車 PETRONAS TOM’S SF14)
予選順位
順位カーナンバードライバー車両エンジンQ1Q2Q3
116山本尚貴TEAM 無限 SF14HONDA1分38秒7561分38秒9031分38秒585
241ナレイン・カーティケヤンDOCOMO DANDELION M41Y SF14HONDA1分39秒1881分38秒5981分38秒870
32アンドレ・ロッテラーPETRONAS TOM’S SF14TOYOTA1分39秒7601分39秒0921分39秒053
438石浦宏明P.MU/CERUMO/INGING SF14TOYOTA1分39秒7821分39秒1371分39秒060
51中嶋一貴PETRONAS TOM’S SF14TOYOTA1分39秒5721分39秒0901分39秒080
619ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラLENOVO TEAM IMPUL SF14TOYOTA1分39秒8331分38秒9831分39秒290
740野尻智紀DOCOMO DANDELION M40S SF14HONDA1分39秒0191分38秒7911分39秒816
839国本雄資P.MU/CERUMO/INGING SF14TOYOTA1分39秒6641分39秒0401分46秒443
93ジェームス・ロシターFUJI×D'station KONDO SF14TOYOTA1分39秒3721分39秒229
108小林可夢偉Team KYGNUS SUNOCO SF14TOYOTA1分39秒3631分39秒263
1110塚越広大REAL SF14HONDA1分39秒6611分39秒325
1211伊沢拓也REAL SF14HONDA1分39秒7921分39秒410
1334小暮卓史DRAGO CORSE SF14HONDA1分39秒0961分39秒419
1464中嶋大祐NAKAJIMA RACING SF14HONDA1分39秒8351分39秒963
157平川亮ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14TOYOTA1分39秒873
1620アンドレア・カルダレッリLENOVO TEAM IMPUL SF14TOYOTA1分40秒158
1765ベルトラン・バゲットNAKAJIMA RACING SF14HONDA1分40秒304
184ウィリアム・ブラーFUJI×D'station KONDO SF14TOYOTA1分40秒698
1918中山雄一KCMG Elyse SF14TOYOTA1分41秒107

燃料流入制限が95kgに絞られたことに不満を漏らしたトヨタ陣営のロッテラー

 予選後の記者会見では、好成績でニコニコ顔のホンダ勢2人と、あまり機嫌がよくなさそうなトヨタ勢のロッテラーという対照的な記者会見になった。

ポールポジション獲得の喜びを素直に表現していた山本尚貴

 山本は「ポールポジションを獲得できて嬉しい。昨年の開幕戦ではこの予選後の記者会見にホンダのバッヂをつけたドライバーは誰も来られなかったのだから、ナレインと2人でここに座れていることはホンダさんが頑張ってくれたおかげだと考えている。さらにチームも車体の開発でものすごく頑張ってくれて、ドライバーとしてそれを証明することができたのが何よりも嬉しい。今日走り始めて分かったことは、ウインターテストからコンディションが大きく変わっており、グリップがウインターテストの時よりも少なく、ドライビング側であわせ込む必要があった」と述べれば、2位のカーティケヤンも「ホンダは非常にいいエンジンを作り、パワーもドライバビリティも改善されている。クルマの調子もよく、温度の変化などにも対応できて特にQ2ではいい走りができた」と述べ、どちらもポジティブな発言とホンダへの賞賛が目立つ会見となった。

 これに対して3位のロッテラーは「非常に難しい1日となった。朝のフリー走行では技術的な問題もあったが、最大の問題はホンダ勢が僕たちよりも全然いいことで、3位になれたことを上出来だと思わないといけない。今年になって、エンジンのパワーがダウンして2秒近く遅くなっており、それによりタイヤにも無理をしないといけないし、いいことはない。もっと速く走りたいね」と述べ、ホンダとトヨタのエンジンに現状では大きな差があることを認める発言をし、さらにそれを招いた原因として、今年からエンジンの燃料流入制限を1時間あたり100kgから95kgへと変更されたレギュレーションに対する不満をあらわにした。

2位のナレイン・カーティケヤン
エンジンパフォーマンスへの不満を述べるアンドレ・ロッテラー

 昨年のレースでも、一部のレースで燃料流入制限を少なくしたレースではホンダ勢がトヨタとの差を縮めたということがあり、今年のレギュレーションでは全レースで95kgとなるため、ホンダに対してアドバンテージがあると考えられただけに、それが開幕戦で確認されたといえるのではないだろうか。ロッテラーの発言はそのことに対する不満と、そしてトヨタの技術陣へ発破をかける目的があるものと考えることができるだろう。

 ただ、予選の一発のタイムと、レースでのロングランはまた別物だ。昨年のレースでもホンダ勢が上位に来ることはあっても、勝てたのは1レースだけだったし、そもそも明日の天気予報では明日はレースの終盤ぐらいに雨が来ることが予想されている。展開によっては今日の予選順位が意味ないぐらいに荒れたレースになる可能性もあるだけに楽しみだといえる。

 なお、明日のレースは15時スタートで、中継はBS放送のJ SPORTS4で14時半からライブ中継される予定だ。

(笠原一輝/Photo:奥川浩彦)