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ジャガー、錦織選手から“エア・ジャガー”と命名された新型「XF」発表会

「エア・ケイはパワーとバランスの両立が重要だが、新型XFもそれに通じる」

2015年9月25日開催

プロテニスプレイヤーの錦織圭選手と新型「XF」

 ジャガー・ランドローバー・ジャパンは9月25日、フルモデルチェンジした新型「XF」の発表会を、東京都港区にあるアークヒルズ アークカラヤン広場の特設会場で行った。

 定刻の11時になるとステージに置かれた新型XFがアンベールされ、続いてジャガー・ランドローバー・ジャパン代表取締役社長のマグナス・ハンソン氏と、ジャガーのブランド・アンバサダーを務めているプロテニスプレイヤーの錦織圭選手が登場。新型XFの前で握手を交わし、発表の瞬間を盛り上げた。

会場はアークヒルズのアークカラヤン広場。ステージにはベールを被った新型XFがあり、発表会定刻でベールが取られその姿を現した
続いてジャガー・ランドローバー・ジャパン代表取締役社長のマグナス・ハンソン氏と、ジャガーのブランド・アンバサダーを務めているプロテニスプレイヤーの錦織圭選手が登場

 知られている話だが、錦織選手は現在アメリカを拠点にしていて、現地では「Fタイプ」に乗っているほどジャガー好きである。その錦織選手から見た新型XFの印象だが、デザインについてはとてもカッコよいとのこと。とくに前から見たカタチが洗練されているとし、そうしたスポーティな外装に対してラグジュアリーな内装も魅力的と述べた。

 自身もFタイプに乗ると言うことで、走行性能についても興味があるとのことだが、それに関してはこの新型XFの車重がクラス最軽量という部分に注目していた。そのことについてMCからは錦織選手のプレースタイルである「エア・ケイ」に例えたフリがあったが、「飛んで打つときはパワーとバランスの両立が重要ですが、それはパワーと軽量ボディー、高性能サスなどを装備した新型XFにも通じると思います」と返答、さらに「そういったところから“エア・ジャガー”と呼んでいいようなクルマですね」とのコメントが述べられた。

錦織選手
ジャガー・ランドローバー・ジャパン 代表取締役社長 マグナス・ハンソン氏
ジャガー・ランドローバー・ジャパン マーケティング・広報担当の若林敬市氏

 次にマグナス・ハンソン氏による挨拶が行われ、「今年はジャガーブランドの80周年ということで、とても意味のある年になっています。この2015年においては3種類のニューモデルを発表しました。まず最初に日本の市場においてはジャガーXEを投入。これはジャガーとして新しい市場に向けたクルマとして作られていて、そのためにボディーの75%にアルミニウムを使用した軽量モノコック構造や、乗り心地と走りのよさを追求するためにフロントダブルウィッシュボーンサスとインテグラルリンク式リアサスペンションを採用。そして駆動方式はFRとした、スポーティなミドルクラスのセダンという位置づけです。XEの販売は8月から開始していますが、日本のマーケットでは素晴らしい販売台数を達成しています」「次に投入したのが今回紹介する新型XFで、フランクフルトショーで公開になったジャガー初のクロスオーバー『F-PACE』が続きます。このF-PACEにはC-X17という2013年に発表されたコンセプトモデルがありましたが、そこから2年で生産モデルが発表できたことは、ジャガーの開発スピードの速さを証明するものでもあります。これらXE、XF、F-PACEのいずれもそれぞれのセグメントを変えていく存在であると考えています」との強い思いが語られた。

 続いてジャガー・ランドローバー・ジャパンのマーケティング・広報担当の若林敬市氏が登壇。若林氏からは新型XFの詳細の説明が行われた。

 若林氏から開口一番に語られたのは、新型XFが「非常に大事なクルマである」ということだった。このXFという車種はジャガーのなかでも最量販車種という位置づけで、先代モデルは2007年から2014年までの期間で約28万台という台数が販売され、その間、ジャガー史上最多となる145もの賞を受賞しているという優秀な経歴を持つクルマとのこと。その先代のXFを上まわる性能と魅力を詰め込んだのが新型XFである。

 特徴を上げていくとまずボディー。XE同様、アルミニウムを75%使用した軽量モノコック構造を採用していて、その結果として最大190kgの軽量化と最大28%のねじり剛性の向上を得られている。

 エンジンに関しては新開発の直列4気筒2.0リッターディーゼルターボ「INGENIUM(インジニウム)」をラインアップし、ガソリンエンジンでは直列4気筒2.0リッターターボ(240PS)とV型6気筒3.0リッタースーパーチャージャー(340PS/380PS)の計3タイプがある。

 また、最新のクルマらしくドライバー支援システムも充実していて、低速域での走行安定性を向上させるオール・サーフェイス・プログレス・コントロール(ASPC)に、前走車を追従するアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)+キューアシストも装備。そして縦列駐車、並列駐車、出庫支援を行うパークアシストとレーンキープアシストも備えている。

展示車はV型6気筒3.0リッタースーパーチャージャーのXF S。XFシリーズの最上級モデルでパワーも380PSと強烈
先代のXFは2003年から2014年まで生産され計約28万台を販売。また、ジャガー史上最多の145もの賞を受賞しているというジャガーを代表するクルマだった
数々の栄光をもった先代XFに代わってジャガーの新しい顔となる新型XF。最大の特徴はアルミニウムを75%使った軽量ボディー
最新のドライバー支援システムも搭載。オール・サーフェイス・プログレス・コントロール(ASPC)は低速域で作動する機能で、滑りやすい路面等でも安定した走行を行えるよう、駆動力配分を自動調整する。アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)は前走車の後ろを安全かつ自動的についていく機能。キューアシストは渋滞時などで前走車が停車した際に、自車も自動的に停車する機能だ。パーキングアシストは360度ビューとバンパーに付けられたセンサーによって状況判断する
フロントグリルのエンブレム上に360度ビュー用のフロントカメラがあった。サイドカメラは両側ドアミラーの下部にある。リアカメラはトランク部にあり、バンパーにはセンサーが埋め込まれている

 室内も先進的な作りになっている。メーターパネルは直感的なタッチ操作が可能で、スマートフォンでおなじみのスワイプやピンチイン、ピンチアウトなどが使える。さらにホーム画面のデザインも自由にカスタマイズできる10.2インチ静電式タッチスクリーンのInControl Touch Proを装備。メーター自体も従来の針式ではなく、フリーデザインモニターを使ったデジタル表示式を採用。ここにはメーターだけでなくドライバー専用のフルスクリーンナビも表示することが可能だ。

 エクステリアも特徴が満載で、まずはひと目でジャガーと分かるフェイス、それに4ドアセダンながらクーペのようなプロポーションで、CD値0.26という空力特性も持っている。サイドウインドーもフロント、リア、クォーターと片側3面の窓がある6ライトのデザインを取り入れている。この6ライト化はルックスだけでなく、後席に座った際に開放感が得られるという居住性向上の効果もある。ヘッドライトはジャガー初のアダクティブ・フルLEDヘッドライトを採用し、テールランプはF-TYPEで採用されたデザインを継承したものになっている。

 80周年という記念すべき年に満を持して登場した新型XF。このグレードは世界的には人気があったものの、日本では今1つ認知度が低い存在だったと言うが、先ごろ発売された新型XEが好調ということなので、それをきっかけに新型XFも注目されてくるに違いない。

インテリアの基本的なラインはあえてクラシカル。しかし、そこに合わせるのは最先端のタッチディスプレイやモニター式のメーターというギャップが魅力的
横から見るとルーフが低くクーペのようなプロポーションになっているのが分かりやすい。ヘッドライトはアダクティブ・フルLEDヘッドライトを採用し、テールランプはF-TYPEで採用したデザインを継承
ホイールベースを長く取ることで室内空間は前席、後席ともに広い。ジャガーを代表するクルマだけに内装の質感もよかった
グレードはガソリンエンジンモデルが5機種、ディーゼルエンジンモデルが2機種という展開で、価格帯は2.0リッターターボのXF Pureの598万円からV6 3.0リッタースーパーチャージド(380PS仕様)のXF Sの1105万円。気になるINGENIUMディーゼルエンジン搭載車はXF Pureが635万円、XF Prestigeが693万円となっている
新型XFのプロモーションではXFがビルの間を綱渡りするPVがあり、それにちなんでステージの床はビル街に浮いているようなトリックアートになっていた
会場にはFタイプや新型XEも展示されていた。錦織選手は現在拠点にしているアメリカで手前のFタイプに乗っているとのこと

(深田昌之)