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ZF、電動駆動モジュールや後輪操舵機能を追加できる「モジュラー・リアアクスル・システム」

HVやFCV、EVなどに対応

2016年1月27日発表

ZFが開発した「モジュラー・リアアクスル・システム」

 独ZF(ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン)は1月27日、駆動装置を持たないリアアクスルに、電動駆動モジュールや後輪操舵機能を追加できる「モジュラー・リアアクスル・システム」を発表した。

「モジュラー・リアアクスル・システム」は、HV(ハイブリッド車)やFCV(燃料電池車)、EV(電気自動車)などに対応。駆動装置を持たないリアアクスルを、要件に合わせて電動ドライブモジュールやAKC(アクティブ・キネマティクス・コントロール)による後輪転舵機能の追加など、アップグレードが可能になるという。

 ベースアクスルは、モジュール開発したセミ・トレーリングアーム・リアサスペンション(mSTARS)。この構成では後輪の外側の2つのキネマティックポイントを、ロアアームからインテグラルリンクとコントロールリンクに変更。このリンクでホイールの軌跡が決まりトー・インを調整する。

 セミ・トレーリングアームアクスルに通常用いられるサスペンション・ストラットの代わりに、インテグラルリンクを外側に配置することでスプリングとダンパーを離した使い方が可能。タイヤハウス左右の間隔を広げトランクスペースを広く取ることも可能となる。

 ベースアクスルは、アクスル中央に配置された電動駆動モジュールとの組み合わせが可能。このモジュールは高回転型非同期モーターを採用したコンパクトなユニットとし、電動モーターのほか、1速の差動トランスミッション、ハウジング、冷却ユニット、および制御ソフトウェアを含めたパワーエレクトロニクス・ユニットを組み込む。

電動駆動モジュール

 また、ZFの後輪操舵機能を持つアクティブ・キネマティクス・コントロール(AKC)との組み合わせも可能。この場合、前輪のステアリングが後輪のアクティブ制御によってアシストされ、車速に応じたステアリング操作時の機敏性や安定性を改善するという。

AKC(アクティブ・キネマティクス・コントロール)による後輪転舵機能

 ZFのシャシ・テクノロジー事業部長 ウヴェ・コスマン氏は「新型リアアクスル・システムにより、ZFは様々なセグメントの車両に幅広いソリューションを提供します。このシステムはハイブリッド車や燃料電池車、バッテリー式電気自動車に対応し、標準の全輪駆動モジュールや当社のAKC後輪操舵との組み合わせも可能です」とコメントしている。

(編集部:椿山和雄)