ニュース
BMW、“MINIの日”に第3世代となる新型「MINI コンバーチブル」発表会
新開発の電動開閉式ソフトトップ採用。ユニオン・ジャック柄のソフトトップも用意する「MINI Yours デザイン・プログラム」展開開始
(2016/3/2 19:47)
- 2016年3月2日 開催
ビー・エム・ダブリューは3月2日、同日に発売を開始した新型「MINI コンバーチブル」の発表会を都内で開催した。
MINI コンバーチブルは、2004年に第1世代、2009年に第2世代が誕生し、今回の新型モデルは第3世代目にあたる。2014年に登場した「MINI」(3ドア)をベースにする新型MINI コンバーチブルでは、直列3気筒DOHC 1.5リッターターボエンジン(136PS/220Nm)に6速ATを組み合わせる「クーパー」と、直列4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジン(192PS/280Nm)に6速ATを組み合わせる「クーパー S」、さらに新開発の直列4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジン(231PS/320Nm)に6速ATを組み合わせる「ジョン・クーパー・ワークス」を展開。
いずれもルーフには電動ソフトトップを採用し、30km/hまでであれば走行中でも開閉が可能。さらにスライディングルーフ機能も装備し、ルーフのあるモデルでいうところのサンルーフのように使うこともできる。ボディサイズ(クーパー)は3835×1725×1415mm(全長×全幅×全高)で、MINI(3ドア)よりも15mm低くなる一方で、車重は150kg重い1320kgとなっている。
日本市場の中でプレミアム・スモール・コンパクトのコンバーチブルはMINIしかない
発表会では、まずMINIディビジョン本部長のフランソワ・ロカ氏が登壇し、発表会が行なわれた3月2日について「今日はMINIにとって特別な日。MINIの誕生日です」と説明するとともに、2015年のMINIブランドの販売実績について振り返った。同ブランドでは2009年以降、毎年右肩上がりに販売台数を伸ばしており、2015年は2万1083台を販売。この数字は2009年比で200%に当たるという。また、対前年比の伸び率は世界の主要マーケットの中でも日本がもっともよかったといい、「その理由はマーケティングや戦略などももちろんあるが、商品の企画が素晴らしかったと思う。2014年に登場した3ドアのMINI、(MINI クロスオーバーなどに搭載する)クリーンディーゼルエンジン車、そして2015年に登場した5ドアのMINI クラブマンがけん引してくれた」と振り返る。
このMINI クラブマンから、MINIブランドは新CI(コーポレート アイデンティティ)として「プレミアム・スモール・コンパクト」を標榜し、これまで以上にプレミアム性を強調するようになっており、今回のMINI コンバーチブルはその新CIを採り入れた第2弾モデルとなる。ロカ氏は新型MINI コンバーチブルについて、「日本市場の中でプレミアム・スモール・コンパクトのコンバーチブルはMINIしかない。このおかげで我々の販売台数はさらに伸びると思っている」と強気の姿勢を示すとともに、「新型MINI コンバーチブルは素晴らしいデザインを持つとともに、ゴーカートフィーリングは変わらずに品質をかなり上げることができた」と自信を覗かせた。
後席スペースやトランクスペースが拡大するなど使い勝手向上
具体的な製品説明はMINIディビジョン プロダクト・マーケティング・マネジャーの岡田信之氏から行なわれた。
岡田氏は新型MINI コンバーチブルについて、「特徴的なのはどこから見てもMINIと感じていただけるデザイン、オープントップであること、上質なインテリア、効率的なパワートレーンあるいは先進的な装備」とし、エクステリアではMINIのデザインアイコンである丸型ヘッドライト、六角形のフロントグリル、独特のキャビンデザイン、前後の短いオーバーハング等を採用して維持しつつ、「ラジエーターグリルのフレームをつなぎ目のないシングルフレームにするなど、細かいディティールにこだわることでMINIと感じていただきながらモダンで最新のクルマであることを示すデザインに仕上げた」と紹介。また、万が一の車両横転時に後席乗員を保護する「ロールオーバー・プロテクション・システム」は、新型ではよりボディデザインに溶け込ませたことにより、モダンでスタイリッシュな印象に仕上げたという。
また、新開発となる電動開閉式のソフトトップは30km/hまでであれば開閉することが可能で、開閉にかかる時間は18秒。また、ルーフ前端から約40cmスライドさせることができる「サンルーフ機能」も搭載した。
インテリアでは、円形のデザインエレメントやトグル・スイッチといったMINIならではのデザインアイコンを採用するとともに、エレガントさを高めるMINI コンバーチブル専用オプションのレザー・チェスターモルト・ブラウン(スポーツ・シート)を装備することも可能。このシートについて、岡田氏は「オープンカーの室内は閉じられた空間だけでなく、ルーフを開ければ外からも見られる。つまり自分を表現する空間になるので、コンバーチブルでは特別なレザー・チェスターモルト・ブラウンを用意した。このシートは華やかでありながら落ち着きもあり、クロスステッチも採用するなどデザインにもこだわった」と紹介している。
使い勝手に関しては、従来モデルから後席ニ―ルームを約40mm、ショルダールームを約30mm拡大するとともに、トランク容量は約40L拡大され、ルーフオープン時に160L、クローズ時に215Lを確保。そして容量が拡大したとはいえ、コンバーチブルではトランク間口が狭いことから、幌の後端を跳ね上げることで開口部を広げることができる「イージー・ローディング機能」を新たに備えたことを説明した。
新型MINI コンバーチブルならではのユニークな装備としては、オープン状態でどのくらい走行したかを時間で表示する「オールウェイズ・オープン・タイマー」、アンロックにした際にドアミラーからMINIのロゴが路面に投影される「MINIロゴ・プロジェクション」、ルーフをオープンにした状態で日射量、外気温、車速などの情報を元にエアコンの制御を行ない快適性を高める「オープン・モード付2ゾーン・オートマチック・エア・コンディショナー」、ソフトトップの開閉も可能な「コンフォート・オープン/クローズ機能付コンフォート・アクセス」などがあり、このほかにも歩行者検知機能付前車接近警告、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)、アクティブ・クルーズ・コントロール、ヘッドアップ・ディスプレイといった先進の装備も与えられている。
また、MINI コンバーチブルからスタートし、今後導入される新モデルにも導入予定の新オプションプログラム「MINI Yours デザイン・プログラム」についても紹介。「MINI Yours デザイン・プログラム」では選び抜かれた素材、ディテールにこだわった数々の装備が用意され、一例としてはカフスボタンを連想させるバッヂやエンボス加工されたレザーによるエンブレムなどを採用したレザーシート、本物の材質にこだわったファイバー・アロイ(本アルミ)やダーク・コットンウッド(本木目)、滑らかなレザーを使ったスポーツ・ステアリング・ホイール、クロノグラフをイメージした2トーン・ペイントのアロイ・ホイールなどが挙げられ、これらは1品ずつ選択することも組み合わされたパッケージオプション「MINI Yours Package」として選択することもできる。
中でもヘリボーン柄を織り込むというこだわりの製法で作られたユニオン・ジャック柄のソフトトップはMINI コンバーチブルならではの装備で、「これはMINIの3ドア/5ドアモデルで人気のあるコントラストルーフで用意されるユニオン・ジャック柄をコンバーチブルでも実現したもの。ぜひ実物をご覧になっていただきたい」と、岡田氏はその完成度に自信を覗かせた。