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伊ランボルギーニ、創業者の生誕100周年を記念した限定モデル「チェンテナリオ」初公開

ヴィンケルマンCEOが発表する最後のランボルギーニモデル

2016年3月1日~13日(現地時間)

スイス ジュネーブ

GENEVA PALEXPO

プレスカンファレンスでアンベールされるチェンテナリオ

 ジュネーブショーにて伊ランボルギーニは、限定モデル「CENTENARIO(チェンテナリオ)LP770-4」のワールドプレミアを行なった。

 伊ランボルギーニは2月23日に、10年以上に渡って同社を牽引してきたステファン・ヴィンケルマン氏がアウディ クワトロGmbHのCEOに就任すると発表しており、後任となるのはスクーデリア・フェラーリのチーム代表などを歴任してきたステファノ・ドメニカリ氏。この人事は3月15日付けで実施されるということで、ヴィンケルマン氏にとってランボルギーニ CEOとして最後のプレスカンファレンスとなった。

ジュネーブショーのプレスカンファレンスは、ヴィンケルマン氏にとってランボルギーニCEOとして最後のスピーチとなった

 チェンテナリオのアンベールが行なわれ、車両の解説を終えたあとにはアウディのルパード・スタッドラーCEOが登場。ヴィンケルマン氏の功績を称えるサプライズ演出が行なわれた。

 スタッドラーCEOは、「ヴィンケルマン氏は10年以上に渡ってランボルギーニを率いて数々の功績を残してきました。CEOに就任している間に販売台数は倍増し、多くの雇用も生み出しました。これは、『アヴェンタドール』や『ウラカン』の成功を見ても明らかです。彼の実績はアウディ クワトロGmbHでも十分に発揮されるはずです」と、ヴィンケルマン氏への思いを語った。

 スタッドラーCEOのスピーチ後には、さらなるサプライズで後任となるステファノ・ドメニカリ氏も登場し、ヴィンケルマン氏にプレゼントを手渡した。そして、これまでヴィンケルマン氏を支えてきたデザイナーやボードメンバーも登壇し、最後の記念撮影を行なった。

プレスカンファレンス後の記念撮影に収るステファン・ヴィンケルマン氏とアウディのスタッドラーCEOなど
新たに着任するドメニカリ氏からヴィンケルマン氏にプレゼントが贈られた

 一方、プレスカンファレンスでアンベールされたチェンテナリオは、ランボルギーニの創業者であるフェルッチオ・ランボルギーニ氏の生誕100周年を記念した限定モデルになる。生産する台数は、クーペとロードスター各20台ずつの計40台となる。

 ベースとなるのは市販モデルのアヴェンタドールになるが、駆動システムやエンジン出力、ボディデザインなど多くの箇所がオリジナルとなっている。

 搭載されるエンジンは、アヴェンタドールと同様のV型12気筒6.5リッターになるが、最高出力は770HP/8500rpm、最大トルクは690Nm/5500rpmまで引き上げられている。最高速は350km/h、0-100kmの加速時間は2.8秒、0-200kmが8.6秒となり、動力性能では歴代最高のスペックを誇っている。

ワールドプレミアされた限定モデルのチェンテナリオ。ボディサイズは4924×2026×1143mm(全長×全幅×全長)、ホイールベースは2700mmとなる。車重は1520kgで、カーボンファイバーを多用することで軽量に仕上げた

 組み合わせているトランスミッションは「7速ISR(インディペンデント・シフティング・ロッド)」で、駆動方式は4WDとなる。これらはアヴェンタドールと共用となるが、チェンテナリオは独自の4輪操舵制御を採用。低速時にステアリングを切ると後輪は逆位相し、最小回転半径を小さくする。高速域では安定性を高めるため、ステアリングの操作と同位相の動きとなる。

 エクステリアデザインは独自性を高めたもので、FIA GT3マシンのようなフロントバンパーやディフューザー、サイドステップ、エアダクト、リアディフューザーなどを備える出で立ちとなっている。インテリアも専用のステッチが採用されていて、カーボンファイバーとアルカンターラというスポーティかつ高級感ある仕立てが特徴的。

 エンジンスペックや内外装ともに最高の性能とデザインを与えられたチェンテナリオは、175万ユーロ(税別)というプライスが付けられている。だが、限定40台は全車すでに受注を終えているそうだ。

タイヤサイズはフロント255/30 ZR20、リア355/25 ZR21。ホイールサイズはフロント9J×20、リア13J×21
攻撃的なエアダクトやディフューザーのデザインは、チェンテナリオの特徴的な部分
ボディパネルやエンジンフードなどはカーボン地が見えるスポーティなデザイン
シートなどにアルカンターラ表皮を使い、外観と同じくイエローの差し色を使っている

(真鍋裕行)