試乗記

無限が仕上げた究極の「シビックTYPE R Gr.B」とライトチューン「プレリュード」の乗り味とは?

ワークスチューニング試乗会2025【無限(MUGEN)編】

無限が仕上げたシビックTYPE Rとプレリュードを試乗する機会を得た

まさに究極のFFピュアスポーツ「シビックTYPE R Gr.B」

 無限が用意したのは、「MUGEN CIVIC TYPE R Gr.B」と「MUGEN PRELUDE」だ。2台ともベース車が相当よくできているので、どうするのだろうと思っていたら、なるほど! という仕上がりだったことをあらかじめお伝えしておこう。

 まず、シビックTYPE R Gr.Bは、2024年に発表したGr.Aの発展版で、「究極のTYPE R」をコンセプトに、サーキットでの走行性能の向上を前提として、パーツ形状からドライカーボンやチタンといった素材を用いるなど、こだわり抜いて開発。これにより純正比で約38㎏の軽量化と、約3倍のダウンフォースを獲得したという。

無限シビックTYPE R Gr.B
LEDテールライトは16万5000円

 エクステリアは、Gr.Aでは設定のなかった軽量なドライカーボンボンネットや、フェンダー、テールゲートスポイラーが新たに装着されている。さらに、フロントロアスポイラーと一体のアンダーカバーにより整流することで効率よく排熱し、冷却性能を高めるとともに、フロントスポイラーで発生したダウンフォースとリアウイングからテールゲートスポイラーの組み合わせにより最適な前後バランスになるようセッティングしている。

カーボンエアロボンネットは132万円(2026年3月下旬発売予定)。裏側の骨格もしっかり造形してある
カーボンフロントバンパーロアスポイラーは165万円。フロントバンパーガーニッシュはGr.Aのアイテムで10万4500円
カーボンフロントエアロフェンダーは88万円(2026年3月下旬発売予定)
カーボンサイドスポイラーは165万円(2026年2月下旬発売予定)
カーボンリアバンパーディフューザーは165万円(2026年3月下旬発売予定)
カーボンテールゲートスポイラーは22万円。カーボンリアウイングは110万円(2026年1月下旬発売予定)
カーボンドアミラーカバーは11万円。ハイドロフィリックLEDミラーは5万5000円

 TYPE Rはノーマルでも完成度は高いが、サーキットを走るならもっとブレーキの強化や軽量化をしたほうがいいことから、パフォーマンス系ではエキゾーストとブレーキに手が加えられている。

鍛造アルミホイール「FR10」は1本17万6000円。ハイパフォーマンスブレーキシステムは、FR用ブレーキキャリパー、ブレーキディスク、ブレーキパイプ、ブレーキパッド、RR用ブレーキパッドの左右セットで110万円(2026年2月下旬発売予定)

 スポーツチタンエキゾーストシステムは、フロントパイプから専用開発したもので、チタン化による純正比で8.75kgの軽量化と、性能面ではパイプ径の拡大と1本出し化による排気効率向上で中間トルクが向上し、出力も3psほど向上する。

スポーツステアリングホイールは14万3000円。アルカンターラシフトノブは2万2000円。カーボンセンターコンソールパネルは7万1500円
スポーツマット(ブラック×レッド)は5万6100円
フルバケットシート「MC-S」は1脚29万7000円

 ハイパフォーマンスブレーキシステムは、スポーツ走行にも対応すべく、純正の鋳造4ポットから同じブレンボの鍛造6ポットキャリパーを採用するととともにローター径を拡大しながら、純正同等の重量を実現。ハードブレーキングにたえられるようにパイプやパッドもオリジナル品に交換されている。その他の部位にも発売済みの無限パーツが多数装着されている。

カーボンエンジンカバー&チャンバーカバーセットは19万8000円。エンジンカバー単体は16万5000円(2026年1月下旬発売予定)
スポーツチタンエキゾーストシステムは、純正バンパー用ガーニッシュセットが88万円で、エキゾースト単体が82万5000円

 バケットシートはすっぽり身体を包む感覚で。インテリアは黒を基調とし、マットなどは赤の縁取りが施されている、ステアリングやセンターコンソールはカーボンが用いられているのも見た目にも印象的で触感もいい。

 開発には2~3年を要し、ようやくものになったところだというが、ワインディングを想定し、いろいろなユーザーが購入しやすい設定だったGr.Aに対し、Gr.Bはガチでサーキットを念頭に、カーボンやチタンを用いておカネに糸目をつけず開発されている。

無限シビックTYPE R Gr.Bは、究極的のFFピュアスポーツに仕上がっていた

 いざドライブしてもスゴイ! エンジン特性はよりレスポンスよく力強くなっていて、音量は若干大きくなっていて、けっして騒々しくないながらも低く響く太いサウンドも迫力があっていい。

 ブレーキはどこまでもキャパシティがあり、つま先でそのままディスクを挟んでいるかのようにフィーリングがダイレクトでリニアだ。ちょっと鳴くのはご愛敬ということで。

低く響く太いサウンドも迫力があっていい

 一方、Gr.Aには装着していた売れ筋のパフォーマンスダンパーは、実は4kgあまり増えてしまうことから、軽量化のためGr.Bにはあえて装着していない。

 高いグリップには向上したダウンフォースも効いているに違いない。ただし、このエアロパーツが本領を発揮するのはもっと高速域とのことで、ぜひもてぎのレーシングコースを走ってみたかった気もする。究極的のFFピュアスポーツに仕上がっていた。

いつかはもてぎのレーシングコースを走ってみたい! そんな気にさせてくれる本気の1台だ

見た目を際立たせ、さらに気持ちのよい走りのプレリュード

 新時代のスポーツとして24年ぶりに復活をはたし、9月に発売されたばかりのプレリュードを、無限では「グライディングスポーツクーペ」をコンセプトに開発した。

 エクステリアでは、テールゲートスポイラーまでドライカーボンをふんだんに使用したエアロパーツ。クーペスタイルの流麗なフォルムと融合させた造形で先進的な上質感が際立つようなスポーツクーペとして仕上げている。

無限プレリュード

 TYPE Rと違って、プレリュードはオシャレなスペシャルティカーであることを訴求しているとはいえ、これだけ魅力的な 2ドアクーペで走りもいいとなると、見た目のほうももっと引き立てたいというユーザーにとって、こうしたアイテムが用意されているのがうれしい。

鍛造アルミホイール「FR10」は1本17万6000円。ブレーキパッドTYPE-Sはフロントが2万8600円、リアが2万4200円
カーボンフロントアンダースポイラーは価格未定(2026年年初発売予定)
カーボンサイドガーニッシュは価格未定(2026年年初発売予定)
カーボンリアアンダースポイラーは価格未定(2026年年初発売予定)
カーボンテールゲートスポイラーは価格未定(2026年年初発売予定)

 スポーツエキゾーストシステムには、無限初のブラックのフィニッシャーを採用し、プレリュードらしい上質感を演出している。

 走りにおいては、パフォーマンスダンパーの追加がポイントだ。ハンドリング性能を向上すべく、スポーティな走りに重点を置いたチューニングが施されているのが特徴で、さらにタイプRと同じ軽量なホイールが装着されている。

カーボンドアミラーカバーは11万円
ハイドロフィリックLEDミラーは5万5000円
スポーツマットは4万6200円。スカッフプレートは2万9700円
スポーツラゲッジマットは3万800円

 いざ走ってみて、発売まもないノーマルのプレリュードも気持ちよく走れると思ったばかりだが、さらに気持ちよくなっていた。パフォーマンスダンパーが効いてか、ステアリングの初期応答がよりリニアになり、イメージしたとおりにラインをトレースしていけて、意のままに操れる感覚が増している。

スポーツエキゾーストシステムは価格未定(2026年年初発売予定)
パフォーマンスダンパーは14万3000円

 TYPE Rもそうだったが、アクセルオフでノーズがスーッと入っていくのも気持ちがいい。アクセルで曲がり具合は自在にコントロールできるのが楽しい。

ノーマルよりもさらに気持ちよくなっていた無限のプレリュード

 このシャシーはデュアルアクシスストラットのおかげでフロントのグリップが高いだけでなく、実はリアの接地性も高くて、ハンドリングのよさに寄与している感じがする。聞いたところでは、まさしくパフォーマンスダンバーではリアの追従性アップを目指してチューニングしており、ハンドリング性能をとくに重視したのだという。

 エアロパーツにより、やはり空力性能も高まっているに違いなく、タイヤの接地性もが安定しているようで、より姿勢がフラットになっている。

スポーツエキゾーストシステムはリニアで高揚感のあるサウンドが楽しめる

 音質にこだわったというスポーツエキゾーストシステムは、高速域でも衰えない迫力のあるサウンドと重低音が響くようなチューニングになっており、リニアで高揚感のあるサウンドが楽しめる。軽快なサウンドで音量は控えめなところもプレリュードのキャラクターによく似合っている。TYPE Rなら話は別だが、個人的にはこれぐらいがちょうどいい。

パフォーマンスダンパーの効果でハンドリング性能も素晴らしかった
岡本幸一郎

1968年 富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報ビデオマガジンの制作、自動車専門誌の記者を経てフリーランスのモータージャーナリストとして独立。国籍も大小もカテゴリーを問わず幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもさまざまなタイプの25台の愛車を乗り継いできた。それらの経験とノウハウを活かし、またユーザー目線に立った視点を大切に、できるだけ読者にとって参考になる有益な情報を提供することを身上としている。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

Photo:堤晋一