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写真で見る 日産「エクストレイル」(2017年マイチェンモデル)

新型「エクストレイル」

 日産自動車の「エクストレイル」はミドルサイズの本格SUV。3代目となる現行モデルは2014年にデビューしたあと、2015年にハイブリッドモデルを追加。そして今回のマイナーチェンジに至っている。

 新モデル最大のトピックとなるのが、一部モデルにオプション設定された「ProPILOT(プロパイロット)」をはじめとした先進安全技術の充実だ。エクストレイルの場合、従来モデルにおいても「エマージェンシーブレーキ」「踏み間違い衝突防止アシスト」「LDW(車線逸脱警報)」「BSW(後側方車両検知警報)」などを備えていたが、今回のマイナーチェンジでさらに内容が充実している。

 目玉ともいえるプロパイロットは、先だってデビューした「セレナ」に初搭載された機能で、高速道路を主眼に置いた同一車線自動運転技術。ざっくりいうと、車速&車間距離をコントロールする「インテリジェントクルーズコントロール」と、全車速域で可能な「ステアリング制御」を組み合わせた技術となる。

 具体的には約30km/h~100km/h内の設定した車速を上限として前走車との車間距離を一定に保つとともに、車線中央を走行するようにステアリングを制御する。前走車の追い越しなどはできないものの、追従と停止に加えて停止保持まで行なってくれるため、渋滞走行や長時間の巡航時にはドライバーの負荷を大幅に軽減してくれる。

 このほか、ロービームとハイビームを自動で切り替える「ハイビームアシスト」、意図せず車線を逸脱しそうなときに注意喚起を行なう「車線逸脱防止システム(インテリジェントLI)」、後方を横切る車両を検知して注意喚起を行なう「後退時車両検知警報(RCTA)」など、最新の安全技術を採り入れている。

 エクステリアは特長的な「Vモーション」を拡大採用するとともに、ヘッドライトまわりをシャープなデザインに変更。力強さや存在感を際立たせ、より日産車らしいディテールとしている。一方、インテリアは素材やカラーの変更に加えて、ガソリン車の2列シート車ではリアシートにリクライニング&スライド機構を追加。ラゲッジスペースを拡大するといった仕様変更が行なわれている。

 パワーユニットは従来と変わらず、ガソリンエンジンとそこにモーターを組み合わせたハイブリッドの2本立て。両者ともにガソリンエンジンは直列4気筒直噴DOHCの「MR20DD」ユニットを搭載。ハイブリッド車の場合は、さらにリチウムイオン電池を電源とする「RM31」モーターが組み合わされる。エンジン単体での最高出力は108kW(147PS)/6000rpm、最大トルクは207Nm(21.1kgm)/4400rpm。モーターの最高出力は30kW(41PS)、最大トルクは160Nm(16.3kgm)。トランスミッションはエクストロニックCVTで、駆動方式は2WD(FF)と4WD(ALL MODE 4×4-i)の2タイプ。JC08モード燃費はガソリンエンジン車が15.6~16.4km/L、ハイブリッド車が20.0~20.8km/L。

 グレードはガソリンエンジン車が「20S」「20X」の2タイプで、20Xのみ3列シート車を設定。ハイブリッド車は2列シート車のみで「20S HYBRID」「20X HYBRID」の2タイプ。どのモデルでも2WDと4WDの選択が可能となっている。ボディカラーは「プレミアムコロナオレンジ」(特別塗装色)など新色6色が用意され、計12色のラインアップとなる。価格はガソリンエンジン車が219万7800円~282万7440円。ハイブリッド車は258万9840円~309万8520円。

20X HYBRID
エクストレイル 20X HYBRID。ボディカラーは新色のプレミアムコロナオレンジ
Vモーションが強調されて精悍な印象に
フロントウィンドウ上部にプロパイロット用の単眼カメラを装備
ハイブリッド車はテールゲート下端にバッヂが付く
アンテナはポールタイプからシャークフィンタイプになった
ハイブリッド車はドアパネル下側にシルバーの加飾を追加
シャープさを増したヘッドライト。20X HYBRIDはLEDタイプが標準、そのほかはハロゲンタイプ
ヘッドライトの点灯パターン
リアコンビランプの点灯パターン。こちらは全車LEDタイプ
直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴「MR20DD」エンジン
17インチアルミホイールを標準装備。撮影車両のタイヤはマイチェン前と同じく「GRANDTREK ST30」の225/65 R17
エアコン吹き出し口の加飾変更(シルバーからブラック)などにより、精悍な印象に
ステアリングは下端を水平にしたDタイプに変更
右側のステアリングスポークにオートパイロットのスイッチ類が付く
20X系グレードはステアリング、シフトセレクターともに本革巻タイプ
4WD車はカップホルダー後方にALL MODE 4×4-iのコントローラーを装備。シートヒーターは全車オプション
ペダルまわり
電動パーキングブレーキは20X系グレードにオプション設定。標準仕様は足踏み式
ハイブリッド車はタコメーター内下側にパワーメーターを装備
メーター中央に5インチ液晶パネルの「アドバンスドドライブアシストディスプレイ」を装備。プロパイロットの設定なども行なえる
アドバンスドドライブアシストディスプレイの各種表示内容
インパネ中央はナビ&オーディオエリア。全車「オーディオレス+4スピーカー」が標準で、写真の「NissanConnectナビゲーションシステム」はメーカーオプション
20S以外は運転席、助手席独立温度調整機能付オートエアコンを標準装備する
インパネ最上段にエアコン吹き出し口とハザードスイッチ
ステアリングコラム右側のスイッチ群
シートは全車防水タイプが標準となる
コンソールリッドはステッチデザインを変更
20X系グレードのドアトリムはカーボン調のデザイン
アームレストにパワーウィンドウ、ハンドル部にドアミラーのスイッチが付く
2列目シートはシートバック中央にアームレストを内蔵
2列シート車のラゲッジスペース
ラゲッジスペースは駆動用バッテリーがフロア下に設置されているので若干かさ上げされているが、2列目シートを倒すとフラットなスペースになる
20X系グレードはリモコンオートバックドアを標準装備。リアバンパー下部に足を抜き差しすることでバックドアを開閉できるハンズフリー機能も備わる
20X(3列シート車)
20X。ボディカラーは特別塗装色のガーネットレッド
直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴「MR20DD」エンジン。助手席側に補機類用の12Vバッテリーを配置しているのがハイブリッド車と大きく異なるところ
ガソリンエンジン車の20Xには18インチアルミホイールが標準装着される。撮影車両のタイヤはハイブリッド車と同じく「GRANDTREK ST30」で、サイズは225/60 R18となる
インパネはハイブリッド車と同様のデザイン
メーターパネル。タコメーター内下側には水温計を装備
インテリジェントルームミラーは全車オプション
フロントシートは防水タイプ
2列目シートの背もたれ部分は4:2:4分割可倒式、リクライニングやスライドは6:4
3列目シートは5:5分割
3列シート車のラゲッジスペース。3列目を収納するとフラットフロアになるなどアレンジは豊富

オーテックジャパンモデル

 ベースモデルのマイナーチェンジに合わせ、オーテックジャパン扱いとなる「モード・プレミア」「エクストリーマーX」もマイチェンされる。

モード・プレミア

 モード・プレミアは、インテリア&エクステリアの高級感をアップして上質な印象を持たせたモデル。20X系グレードをベースにして、専用のフロントバンパー、リアバンパーフィニッシャー、デュアルエキゾーストマフラー。19インチアルミホイールなどを装備。さらに「ハイコントラストインテリア」仕様として、ストーンホワイトレザーシート、専用色の本革巻ステアリングホイールなどを装備したモデルも用意される。ボディカラーはブリリアントホワイトパールなど全5色。価格はガソリンエンジン車が307万1520円~338万5800円、ハイブリッド車が347万3640円~366万5520円。

モード・プレミア ハイコントラストインテリア。ボディカラーは特別塗装色のブリリアントホワイトパール
メタル調フィニッシュの専用フロントバンパーを装着
専用19インチアルミホイール。タイヤサイズは225/55 R19
ドアミラーもメタル調フィニッシュ
スクエアタイプのテールパイプを採用した専用デュアルエキゾーストマフラー
ハイコントラストインテリア仕様は下側がストーンホワイトになる本革巻ステアリングを装着
レザーシートもストーンホワイトの専用タイプ
ドアトリムのフィニッシャーはピアノブラック調
エクストリーマーX

 エクストリーマーXは、専用ガードパーツなどによってオフロードイメージを強めたモデル。フロント、リア、サイドにダークメタリックカラーのスタイリングガードを装着するほか、グロスブラックカラーの18インチアルミホイールやドアミラーを装備している。20X系の4WD車をベースとしており、ボディカラーはチタニウムカーキなど全12色。価格はガソリンエンジン車が298万2960円(2列シート車)/305万5320円(3列シート車)、ハイブリッド車が328万3200円。

エクストリーマーX。ボディカラーは特別塗装色のチタニウムカーキ
フロント、サイド、リアにダークメタリックカラーのスタイリングガードを装着することでタフなイメージを強調
フォグランプフィニッシャーも専用タイプ
メーカーオプションのグロスブラックルーフレールも装着可能
18インチアルミホイールもグロスブラック仕上げ