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写真で見る 日産自動車「はたらくクルマ」

高規格救急車の「パラメディック」からNV350 キャラバンのマルチベッド仕様までイッキに紹介

2020年11月2日 開催

高規格救急車「パラメディック」など日産の「はたらくクルマ」が集合

 日産自動車は2019年より「はたらくクルマ」と題して、日産が発売してるクルマの中から法人向け、行政向けなど、人が暮らしていく上で人の役に立つために作られたクルマを集めたイベントを開催している。

 2年目になる今回は新型コロナウイルス感染症の流行により開催中止の可能性もあったが、生活および経済活動を行なう上で一定の余裕が出ていたことから、取材者の人数制限および、イベントを午前と午後に分けて密にならないようにするなど各種の感染予防対策を取った上、11月2日に開催された。

「はたらくクルマ2」と名付けられた今回の開催。会場は神奈川県横須賀市にある日産追浜事業所内「グランドライブ」。今年の特徴はコロナ禍や近年続いている災害などで使用される「はたらくクルマ」を集めたものであることだった。

 実車見学の前に日産自動車 日本フリート事業本部副本部長 兼)フリート変革部部長 兼)日本LCV本部副部長の春山美樹氏があいさつを行なった。

 春山氏は商用車の商品企画にも携わってきた経歴があるとのことで、「商用車(はたらくクルマ)の企画はものすごく楽しいんですね。お客さまになっていただくのはプロフェッショナルの方なので、それぞれで求めるものがはっきりしています。そういった要望に対してキチンとお応えするクルマを作れば、それにちゃんと応えていただけるのです。このことは企画をする人間としてものすごくやりがいを感じることです」と語った。

 そして「はたらくクルマというと以前は価格が安く装備もシンプルなクルマを求める風潮でしたが、はたらくクルマは距離を走るクルマでもあることから、現在は“安全性”の高さが重視されています。また、仕事に就く人の年齢も幅広くなっているので、使いやすいクルマであることも求められています。こうしたことから、クルマの企画を行なうには難題も増えていますが、実はそういった状況は企画側として“より面白くなっている”ともいえます」と付け加えた。

日産自動車株式会社の日産追浜事業所内にある「グランドライブ」で開催された「はたらくクルマ2」。今回はコロナ禍などに絡んだクルマが揃えられた
日産自動車株式会社 日本フリート事業本部副本部長 兼)フリート変革部部長 兼)日本LCV本部副部長の春山美樹氏。商品企画として関わったクルマにはADバンやNV200などがある。春山氏はイベント冒頭のあいさつの中で「はたらくクルマとは社会インフラであり、これらのクルマがなければ日本の社会は成り立たないものです」と語った

パラメディック 電動ストレッチャーシステム搭載車

高規格救急車の「パラメディック」。左面はスライドドアから乗り込みができる

 さて、ここからは当日展示されていたはたらくクルマを順に紹介していこう。まずは日産製の救急車「パラメディック」から。

 パラメディックは救急救命活動がしやすい広い患者室を持ちつつ、路地などでも行動しやすいよう最小回転半径6.0mを実現。加えてアラウンドビューモニターも装備しているので、より取り回ししやすくなっている。

 さらに、今年度からは世界的にも救急車への導入が増えている電動ストレッチャーシステムが設定された。これは体重が約200kgの人まで対応する能力があるという。

 救急救命士が乗り込んでいても、けが人や患者を救急車の中に運び込めないことには本来の対処もできないだけに、大柄な患者であってもスムーズに運び込める電動ストレッチャーシステムは非常に有効な装備であるとのことだった。

NV350 キャラバンのイメージもあるフロントまわり
赤色灯の数に決まりはないとのこと。緊急車両が安全に運行するためには周囲に気がついてもらうことが大事なので、納入先によってはかなり派手に光るような仕様になることもあるという
右面はレスキュー用の道具などを収納するスペース
患者室右にあるのが電動ストレッチャーシステム
右スライドドアから見た患者室
運転席とは通路で繋がっていて収納スペースも多い。右側側に備え付けてある医療用酸素ボンベへのアクセス窓もあった
右壁面
左壁面
天井には手すりとネット収納
近年は女性隊員も増えているので、身体の大きい人に対応できる電動ストレッチャーシステムは有効。約200kgまで対応
右スライドドアを開けると作業用の道具類収納スペースがある
レスキュー用の道具が並ぶ
黄色い道具はガラスの切断などに使用するもの
カッターと医療用酸素ボンベ
NV350 キャラバンのバッテリーはキャビン下にあるが、パラメディックはここに移設。数も1つから3つへ増やしているという
車体側面での作業を補助するためのLED作業灯が付く。反対側にも同じ装備がある
作業灯の下にあるのはアラウンドビューモニター用のカメラ
後方視界はバックモニターで確認。アラウンドビューカメラ映像もこのモニターで見る
赤色灯やサイレン用のスイッチボックス

NV350 キャラバン マルチベッド

オーテックジャパンが取り扱うNV350 キャラバン マルチベッド

 アウトドアレジャー向けのマルチベッド仕様だが、高さ調節が可能なテーブルとベンチシートの装備はそのまま仕事用スペースとして使うことができる。そういった点から「今どきのはたらくクルマ」として展示されていたのが、オーテックジャパンの「NV350 キャラバン マルチベッド」だ。

 対面式のシートレイアウトなら車内で少人数の打ち合わせも可能。そして片側シートを収納して、会議室などで使うような長テーブルを置くと、数名で使える広い作業場所を作ることができるなど、テレワークやワーケーションでも便利に使えるのだ。なお、走行中の利用は不可だ。

対面シートの状態。テーブルは小さいがPC作業なら十分
作業例。対面シートの状態
センターのボードを追加してベッドスタイルに。テーブルはセットしたままで座敷のように使える
フロアは撥水性もある合板張りになる。床の硬さがあるのでカーペット式のようにテーブルを置いてもグラグラすることはない
テーブルはオプション品。これが最も低くセットした状態
最も高くセットした状態。高さの微調整も可能
サービスホールにパイプラックなどが追加できる
広い作業スペースがあっても2列目シートは普通どおり使える
スライドドアと後方は窓が開かないので網戸も設定されている
シートアレンジを紹介。これは両サイドのシートをしまった状態
片側のシートを出した状態
両側シートを出した状態
センターテーブルを追加
ベッドモード

日産ルークス 送迎タイプ

福祉施設の送迎に使用される日産ルークス 送迎タイプ。これもオーテックジャパンの取り扱い

 福祉施設などの送迎ではNV350 キャラバンも使用されるが、車体が大柄なので地域によっては道路事情にそぐわないこともある。また、ドライバーを務める職員さんによっては車体の大きさから運転に対して苦手意識を持つこともある。

 そんなニーズに対して用意されたのが、軽自動車「ルークス」をベースにした送迎車。運転手の技量面、精神的な負担を減らすことは安全な運行を実現することに大きく影響するので、こういったダウンサイジングは増えていくのではないだろうか。

 乗り降りする左側のスライドドア部には、足腰が弱った高齢者にとっての使いやすさを考えた乗降用グリップを装備。また、前席の背面には掴まりやすいグリップを新設することで、乗車中の体のホールドがしやすいようにしている。

 なお、高齢者ではシルバーカーを愛用している方も多いので、リアのラゲッジスペースにはシルバーカーを搭載するためのネットを追加している。搭載時にシルバーカーの接触からバンパーを保護するカバーも用意されている。

自分で歩くことができる人向けの送迎車。乗り込みの際に便利な装備を追加している
オプション設定のステップはスライドドアの開閉と連動。ステップは前方へ稼動しながら収納されるので、助手席ドアの下を通る。そのため、助手席ドア部に人がいるとステップが当たる恐れもあるので、助手席ドアが開いた状態ではステップが収納されない
標準のものよりグリップの下部を延長して、背が低い人でも握りやすく体重をかけやすくした形状になっている
前席のヘッドレストステーに大きめの後席用グリップを追加。走行中、体を支えやすくしてある
杖を固定するためのバンドも付いている
コロナ禍ということで、消毒がしやすいよう防水加工されたシートカバーが装備されていた
シルバーカーを積むためのネットとバンパーカバーを用意。バンパーカバーはいろいろと便利そうだったが、用品としての単品販売は行なっていないそうだ

NV200 バネット チェアキャブ

日産ライフケアビーグルの車いす搭載仕様車。NV200 バネット チェアキャブ

 NV200 バネットをベースにした車いす搭載仕様車。後部にワイド幅で重量もある電動車いすにも対応するスロープを設けていて、手押しでの乗り込みのほか、電動ウインチによる巻き上げで乗り込むこともできる作りなので、介助する人の負担が軽減されるところも特徴。

 ミニバンとしてはコンパクトな車体ながら、車いすが縦に2台乗り込める仕様で、2名の介助人がそれぞれの車いすの横に座ることができる。前席とあわせて6名の乗車が可能だ。なお、車いすの代わりにストレッチャーを乗せることもできるし、オプションとして助手席を電動スライドアップ仕様へすることもできるなど、福祉車として多機能な作りになっている。

右側スライドドアを開けて車いすのサポートができる。車いす1台仕様であれば2列目シート付きも選べる
乗降用グリップは専用品
地面から200mmの位置にあるオートステップ。耐荷重は110kg
引き出し式のスロープ。手動で展開する
電動ウインチの操作部
スロープは3段引き出し式。後方には車いすの待機分を含めて1車身ほどのスペースが必要だ

セレナ タクシー(八洲自動車)

 新型コロナウイルス感染症に対して、主に飛沫による感染を防ぐための対策が施されたタクシー。運転席と客席の間をクリアシートを使う隔壁で分けている。八洲自動車というタクシー会社の車両で、普段は業務に就いている。

八洲自動車のセレナ タクシー
左右でグラフィックが違っている
テイストは両方とも和柄
ドアサイドに感染対策車の表示が入る
運転席と客席は仕切られている。空調に関しての特殊装備はない
支払いは電子決済に対応
消毒剤も完備
ドライバーと乗客の会話はマイクとスピーカーを通して行なう。ドライバーはヘッドセット式のマイク、客席用はタブレット横にマイクが付く。それぞれの声は会話用のスピーカーから出る
同時に展示されていたNV200 軽症感染患者搬送車は、感染者を運ぶだけに運転席との仕切は一体式で隙間のないもの。会話はインターホンで行なうようになっていた
リアに車内空気を外部へ排出するファンが装備されているが、陰圧仕様というわけではない。あくまでも換気用
隔壁を設けたため、2列目シートの足下が狭くなっていたが、この部分は形状変更を行ない居住性を上げる予定とのこと

リーフ 青色防犯パトロールカー(練馬区所有車)

 練馬区が導入しているリーフの地域防犯用の安全・安心パトロールカー。現在7台あるとのこと。なお、練馬区は日産と「災害時における電気自動車からの電力供給に関する協定」を結んでいる。これは災害発生時に練馬区内の販社が持つ試乗車を無償で借りられることと、EV用急速充電スタンドの優先利用という内容。災害による停電発生時には、リーフを電源とした電力サポートが行なえるような装備も揃えている。

練馬区が所有するリーフ 青色防犯パトロールカー
災害による停電発生時には、リーフを電源とした電力サポートが行なえるような装備も揃えている
練馬区のキャラクターを使ったリーフ青色防犯パトロールカー専用のマーク。防犯パトロールカーの乗員は区が委託したスタッフが担当するという。事件、事故に遭遇した場合は警察や消防へ通報する
ルーフに付けられた特殊装備の青色回転ライト
ライトの操作はノブを引いて行なう。リーフという最新のクルマにレトロなスイッチの組み合わせ
緊急自動車のようなサイレンは鳴らないが、SDプレーヤー付きPAアンプを搭載しているので音声などをスピーカーから流せる

NISSAN GT-R トミカ50周年記念仕様 designed by NISSAN

GT-Rの前に立つのは株式会社タカラトミー マーケティング本部 ベーシック事業部 トミカマーケティング部 部長の岸田敬氏
デザインをした日産自動車株式会社 グローバルデザイン本部アドバンスドデザイン部に所属する長谷川聖氏を紹介するボード

 最後に紹介するのは「子どもの夢のためにはたらくクルマ」ということで用意されたGT-R。赤と黒のデザインは、ミニカーのトミカが50周年を迎えたことから、日産、トヨタ自動車、本田技研工業の3社協力のもと行なった「トミカ50周年自動車メーカーコラボプロジェクト」で採用されたものを実車で再現した特別仕様。

 このデザインコンペには日産に所属するデザイン部署の従業員の多数が参加。作品はデザイン部署をはじめ他部署の従業員が利用する通路に張り出され、社員による投票が行なわれた。そして選ばれたのがグローバルデザイン本部アドバンスドデザイン部に所属する長谷川聖氏の作品。

 デザインの元になったのは、1970年代後半~1980年代にかけてレースシーンで活躍したシルエットフォーミュラの「トミカスカイラインターボ」。長谷川氏のコメントには「GT-Rの名前を冠されなかったスカラインR30シルエットと、スカイラインの名を冠さなかったR35 GT-Rをこのトミカカラーリングで一緒にすることができたことには強い想いを持っています」とある。そして「トミカ50年の歴史、80年代の熱狂、そして現代の技術。半世紀に渡る多くの人の想いをこのトミカから感じていただけたら本望です」と結んでいた。

NISSAN GT-R トミカ50周年記念仕様 designed by NISSAN
NISSAN GT-R トミカ50周年記念仕様 designed by NISSAN
50周年なのでゼッケン風デザインも「50」
ルーフにも50周年のデザインが入る
リアウイング上面にはTOMICAの文字