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日産、日本初のEV救急車が池袋消防署で稼働開始

33kWhと8kWhの2つのリチウムイオンバッテリーを搭載し、移動電源としても活用可能

2020年5月18日 発表

東京消防庁池袋消防署へ納車された日本初のEV救急車

 日産自動車は5月18日、東京消防庁池袋消防署へ納車した日本初のEV(電気自動車)救急車が稼働を開始したと発表した。

 今回のEV救急車は、東京都が推進する「ゼロエミッション東京」の取り組みの一環として、東京消防局に初のゼロ・エミッション救急車として導入されたもの。同車は池袋消防署のデイタイム救急隊(育児休業から復帰した職員を中心に、平日・日中に出動する救急隊)で運用される予定。

 車両には救急隊員の負担を軽減するための電動ストレッチャーや、すべてのシートに乗員の安全性を向上させるシートベルトを装備。また、33kWhと8kWhの2つのリチウムイオンバッテリーを搭載するため、電装機器やエアコンをより長時間作動させることが可能で、停電時や災害時には移動電源としても活用できるという。

 ベースモデルは同社が欧州で販売中の「NV400」で、日本法規への適合や専用の救急架装については、高規格準拠救急車「パラメディック」で豊富な実績を持つオートワークス京都に委託しているとのこと。また、内外装は欧州の緊急車両架装大手であるGruauに委託して、堅牢で合理的な救急架装パッケージを採用している。

 今回の発表について、日産の最高執行責任者兼チーフパフォーマンスオフィサーであるアシュワニ・グプタ氏は「日産は持続可能なモビリティによって、ゼロ・エミッション、ゼロ・フェイタリティ社会の実現に向けて貢献していきます。本車両は、地域社会において環境にやさしいクルマがより利用しやすくなっていく、大きな事例の1つとなるでしょう」と語っている。

車両には救急隊員の負担を軽減するための電動ストレッチャーや、すべてのシートに乗員の安全性を向上させるシートベルトを装備する
車両諸元

車両サイズ:5548×2070×2499mm(全長×全幅×全高)
車両総重量:3.5t
乗車定員:7名
モーター:最大出力 55kW、最大トルク 220Nm
駆動用バッテリー:容量 33kWh、充電 AC200V 最大 7kW 普通充電(タイプ2)
装備品用バッテリー:容量 8kWh、充電 AC100V 1.5kW
駆動方式:前輪駆動