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写真で見る トヨタ「シエンタ」
(2015/7/9 13:30)
2003年にデビューして以来、12年に渡り改良を続け販売されてきたトヨタ自動車の「シエンタ」。ラクラク5ナンバーに収るコンパクトなボディーは取り回しに優れ、電動スライドドアの採用や3列シートによる7名乗車を可能にするなど、特に小さな子供を抱えるファミリー層から絶大な支持を受けてきたモデルだ。
満を持して登場した新型はそうした初代の思想を継承。加えて低床フラットフロアの採用により居住空間の拡大や乗降性の向上を果たしたほか、イマドキのトヨタ車らしくハイブリッドモデルが追加されるなど、正当派の進化を遂げたモデルだ。
ボディーサイズは4235×1695×1675mm(全長×全幅×全高。4WD車の全高は1695mm)と、全幅はそのままに全長を115mm延長。ホイールベースも2750mmと50mm延長されているが最小回転半径は5.2mと変わらず、先代の利点でもあった取り回しのよさはそのまま受け継がれている。その一方で室内長は20mm、室内幅は40mm拡大されており、外観からは想像できない3列シート+広々とした快適な室内を実現しているのだ。
コンパクトなボディーをまとめるエクステリアは「Urban Trekking Shoes」がコンセプト。ヘッドライトからバンパーへと伸びるバンパーガーニッシュは「FLEX TONE(フレックストーン)」と名付けられた“差し色”が入るモデルが用意されており、そのルックスはまさにトレッキングシューズなイメージ。全体的に「アクア」や「ヴィッツ」と共通したテイストながら、SUV的な力感を与える表情を持っているのが特長だ。
パワートレーンはガソリンとハイブリッドの2タイプが用意される。
ハイブリッド車はアクアと同じ1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジン「1NZ-FXE」に、モーターを組み合わせた「リダクション機構付 THS II」を採用する。スペックはエンジンが最高出力54kW(74PS)/4800rpm、最大トルク111Nm(11.3kgm)/3600-4400rpm。モーターは「1LM」のアクアに対して「2LM」に変更されているが最高出力は45kW(61PS)、最大トルクは169Nm(17.2kgm)と数字は変わらない。システム合計出力は73kW(100PS)となる。バッテリーも6.5Ahの容量を持つニッケル水素タイプで変わらないが、フロントシート下に収納する構造上、30mm薄型&ワイド化されている。JC08モード燃費は3列ミニバントップの27.2km/Lを達成している。
ガソリンエンジンは駆動方式によって2タイプを用意。2WD(FF)車には1.5リッター直列4気筒の「2NR-FKE」ユニット、4WD車には同じく1.5リッター直列4気筒の「1NZ-FE」ユニットが搭載される。前者は3月にマイナーチェンジしたカローラ系モデルから搭載された高効率ユニットで、高圧縮比&アトキンソンサイクル化および電動モーターによる可変バルブタイミング制御システム「VVT-iE」などを採用。スペックは最高出力80kW(109PS)/6000rpm、最大トルク136Nm(13.9kgm)/4400rpm。アイドリングストップおよびエンジン停止時にも冷風を送り出せる「蓄冷エバポレータ」などの組み合わせにより、快適さを保ちつつ20.6km/L(JC08モード、最良値)の省燃費を実現している。後者はヴィッツなどにも搭載されているベーシックなユニット。スペックは最高出力76kW(103PS)/6000rpm、最大トルク132Nm(13.5kgm)/4400rpm。JC08モード燃費は15.4km/L。トランスミッションはともにCVTとなる。
最新の安全装備を備えているのも新型の特長。新型には3つの先進安全装備をセットにした衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」を搭載。1つ目はレーザーレーダーと単眼カメラを組み合わせた「衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ」。約15km/h~140km/hで走行中に衝突が予測される場合には警報を発するほか、約30km/h~80km/hでは最大限の制動力を発生できるようブレーキをアシスト、ブレーキ動作がなかった場合には約10km/h~80km/hの領域で自動ブレーキが作動する。2つ目はレーン逸脱を警報する「レーンデパーチャーアラート」、3つ目がヘッドライトのハイ/ロービームを自動的に切り替える「オートマチックハイビーム」となる。そのほか運転支援機能として「先行車発進告知機能」も搭載している。
ラインアップはハイブリッド車が「HYBRID G」「HYBRID X」の2タイプで駆動方式は2WDのみ。Xは7人乗りのみ、Gは6/7人乗りが選択可能。ガソリン車は「G」「X」「X “V Package”」の3タイプ。全車2WDと4WDの選択が可能だが、4WD車は6人乗りのみとなる。また、ガソリンエンジンを搭載した車いす仕様車もラインアップ。こちらは2WD車のみとなるがグレードは「G」「X」の2タイプを選択できる。どちらも乗車定員は5人(車イス乗車時は4人)となる。価格はハイブリッド車が222万6763円~232万9855円、ガソリン車が168万9709円~212万1709円。車いす仕様車は213万円~228万円。
車いす仕様車
新型シエンタは車いす仕様車をカタログモデルとしてラインアップ。「車いす仕様車(タイプI)“助手席側セカンドシート付”」は持ち込み登録が不要の型式指定自動車。8ナンバー登録となる「車いす仕様車(タイプI)“助手席側セカンドシート無”」とストレッチャーを乗せることが可能な「車いす仕様車(タイプII)」は持ち込み登録が必要となる。