写真で見る

写真で見る 三菱自動車「デリカミニ」「eKスペース」(2025年デビュー)

新型デリカミニ

 三菱自動車の軽乗用車といえば「eKクロス」などに代表されるekシリーズが中心。そんな中で2023年に登場したのが「デリカミニ」だ。人気のスーパーハイトワゴンスタイルとアウトドアテイストな外観の組み合わせは、一躍人気モデルの仲間入りを果たした。ただ、この初代モデルはあくまでも「eKクロススペース」をベースにしたもので、意匠変更や仕様強化が行われたとはいえまったくの新型車というワケではなかった。それでも販売台数の面ではeKクロススペースが月間8000台あまりであったのに対し、約4倍となる3万4000台もの数字を叩き出したのはユーザーから支持が高かったことに他ならない。

 そこで満を持して登場するのが正真正銘ブランニューとなる新型デリカミニだ。商品コンセプトは「Advanced Active reliable partner」(進化した頼れる相棒)で、アウトドアやアクティビティなどを好むユーザーをターゲットにしている。また、同時に新型「eKスペース」も撮影可能となっていたのでそちらも併せて紹介する。ただし、今回紹介するのはどちらもプロトタイプで、細かなスペックやグレード展開などは未公表となっている。そのため記事中写真で紹介している装備もグレード別なのか全車標準なのかは不明。オプションとアナウンスがあったものについては記載している。

デリカミニ

ダイナミックシールドを引き続き採用するがボディ同色となり目立たなくなった

 新型は初代で評価された「特徴的で親近感のあるスタイリング」「広くて便利で快適な室内空間」「運転のしやすさと走行性」を強化しつつ、数々の先進機能を採用している。

 外観はデリカらしさを感じさせるタフなイメージを随所に配置している。前後バンパー下部にスキッドプレート状の意匠を設けることでプロテクション感を高めつつ、フロントには三菱車ならではのダイナミックシールドや厚みのあるボンネットを、リアにはロゴ入りの大型ガーニッシュなどを採用。その一方でフロントライトは初代を踏襲しつつ大型化することで“お目めパッチリ”なだけでなく“ウルルン”感もある親近感あふれる表情とした。

 一方の内装は見た目にも進化を感じさせる仕上がり。Aピラーの角度を起こすことでフロントウインドウ上端を10cm前に出し、視界を広げてルーミーな空間とするとともに、インパネをアウトドアやギアを感じさせるデザインで統一。メーター類は7インチの液晶パネルと、インパネ中央にある12.3インチのセンターディスプレイを一体感のある造形に。センターディスプレイではGoogle搭載のインフォテイメントシステムを利用でき、Googleマップはもちろんアシスタントやストアも利用可能。スマホを使うことなくリアルタイムの情報を活用することが可能となっている。

 エンジンやミッションなどパワートレインは初代を踏襲しつつリファインを実施。スペックは公開されていないので参考までに初代の数値を書いておくと自然吸気エンジンは最高出力38kW(52PS)/6400rpm、最大トルク60Nm(6.1kgfm)/3600rpm。ターボエンジンは最高出力47kW(64PS)/5600rpm、最大トルク100Nm(10.2kgfm)/2400-4000rpmとなっている。なお、新型はハイブリッドシステムを搭載しない純粋なガソリンエンジン車となるが、燃費は「現行モデル同等」とのこと。

 走行性能の面ではインパネに設けられたダイヤルにより5モードの走行パターンが選択可能。「エコ」「ノーマル」「パワー」のほか「グラベル」「スノー」が選べるのは三菱車らしいところ。初代モデルから用意されていた「ヒルディセントコントロール」は車速域をよりワイドに設定することで使い勝手を向上させている。加えて全車にカヤバ製ショックアブソーバ「Prosmooth」を採用したほか、スタビリンクやブッシュ、ブッシュ位置変更などにより揺れやふらつきを抑え、荒れた路面でもスムーズな乗り心地を実現。また、CVTのチューニングを変更することでアクセルペダルの踏み込みに応じたエンジン回転数の上昇が得られるなどフィーリング面を改善しているほか、特殊遮音フィルムをフロントガラスに採用するとともに前後ドアに2層遮音シートを配置するなど、軽エンジン車No.1の静粛性を実現しているという。

 ボディカラーはモノトーンを9色、ルーフをブラックとした2トーンが6色と幅広いラインアップを用意している。

新型デリカミニ。撮影車両は最上級グレードとなる「T-Premium」の4WD車。ボディカラーはサンドベージュパールとブラックルーフの2トーン
ボディサイズは3395×1475×1830mm(全長×全幅×全高)。ホイールベースは2495mm。Dピラー部はボディ同色となった
乗降性に優れた低床かつフラットなリアフロア。スライドドアの開口幅も650mmとたっぷり
Aピラーの角度を立てることで上端を10cm前方に。同時により細くすることでフロントクォーターウインドウからの視界を向上
フロントウインドウ上部にはADAS用カメラ。下部はドラレコ用か
ルーフレールはメーカーオプション
リアコンビランプはブロックデザインに
ロゴ入りガーニッシュもボディ同色になった
スキッドプレートはワイドに見えるデザインを採用
ボディのあちこちにブロックモチーフが配置されている
ライトを点灯したフロントまわりとメーカーオプションとなるアダプティブLEDヘッドライトの点灯パターン
リアコンビランプの点灯パターン
ターボモデルのエンジンルーム。スペックは現時点では未公表
フューエルリッドまわり
アルミホイールはトレッキングシューズをモチーフとしたデザイン。タイヤサイズは165/60R15
フロントハブはアルミ製を採用
4WDモデルの下まわり。ショックアブソーバはカヤバ製のProsmooth
ギア感のあるインパネまわり。ブラックとカーキのコンビネーションはプレミアムグレード向けのものでスタンダードタイプはブラックとグレーのコンビネーションになる。インパネからAピラー、ルーフと囲むようにブラックのカラーリングが施されているのが面白い
2本スポークとなったステアリング。ヒーターも内蔵
マイパイロットなどクルーズコントロール系ボタンは左手側に。右手側は表示切替などのボタン
メーターとセンターディスプレイが一体となった造形
メーター表示は切り替え可能。これはアナログ風
こちらは文字などインフォメーション重視のもの
表示内容はメニューから選択できる
シフトまわり
ドライブモードダイヤルがあるのはデリカならではで、5種類の走行モードを選ぶことができる
グリップコントロールとヒルディセントも用意
ペダルまわり。電動パーキングブレーキの場合は2ペダル
こちらは足踏み式サイドブレーキ
デジタルインナーミラーを装備
Google搭載インフォテイメントシステムを搭載
さまざまな表示方法や機能が用意されている。音声操作にも対応しておりナビゲーションはもちろんエアコンなどの操作も可能
大画面でGoogleマップが利用可能。自車位置に関しても車速やジャイロセンサーからの情報を参照しているためスマホナビとは比較にならない精度を実現
3Dマルチアラウンドモニターを装備。前後8つのカメラによりクルマの周囲を自由な角度で見ることができる
クルマの下を確認できるフロントアンダーフロアビュー。撮影時は停車していたので黒くなっているが走行時はきちんと表示される
170°の超広角でフロントまわりをチェックできる。左右の確認が難しいT字路などで便利
フロントカメラにフロントタイヤまわりの映像を加えたもの。死角になりがちな部分を見ることができる
進む方向をラインで表示
ビルトインのドライブレコーダーも備わる
ステアリングコラム右側には多くのスイッチが並ぶ
インパネ中央にある引き出し式の収納
単なるカップホルダーかと思いきや先端の狭い部分は下側に穴が開いておりケーブルを通すことが可能。つまりスマホホルダーも兼用している
インパネ下部に用意されているUSB Type-C端子。HDMI端子とDC12Vソケットも
助手席前のトレイとカップホルダー
下部はボックスティッシュを収納できるアッパーグローブボックス
普通のグローブボックスももちろん用意
メーターパネル前方に運転席アッパーボックス
運転席側のカップホルダー。四角い紙パック飲料に対応するほか内側のフラップを起こせば缶飲料も安定して置くことができる
前席のルーフ部にはマップランプと緊急通報ボタン
サンバイザー裏にはバニティミラーがある
フロントシートはホールド性を高めた新形状を採用。表皮も肌触りが良く撥水性のあるものとなっている。座面にはシートヒーターも装備
運転席ドアトリムは編み込みパターン
アームレストにはサイドミラーとパワーウインドウのスイッチ
リアシートはサイドサポート形状変更や座面の延長により座り心地を向上
リアシートは50:50の分割式でどちらもロングスライドが可能
フロントシートを倒すことでフルフラットにも。初代モデルより段差も抑えられている
前席背後にはシートバックテーブルを装備
下部にはUSB Type-C端子も用意
初代モデルから引き続き後部座席の快適性を高めるサーキュレーターを装備
内蔵式ロールサンシェードも
サイドにはカップホルダーなどの収納も用意
分割可倒式&スライドが可能なリアシートによりラゲッジスペースの増減が可能
ラゲッジ下部にはパンク修理キットなどを収納
荷物の固定に役立つラゲッジフックを片側3か所用意

純正アクセサリー装着車

ワイルドアドベンチャースタイル

 外観では「ワイルドアドベンチャースタイル」「アクティブトーンスタイル」の2パターンを設定。もちろん、それ以外にも外観や内装、使い勝手をアップするアイテムなどが用意される。今回はワイルドアドベンチャースタイルが用意されていたので紹介しよう。

ワイルドアドベンチャースタイル。ベース車両はT Premium
フロントではバンパーエンブレム、ダイナミックシールドデカール(カモフラージュ)など
赤いマッドフラップはアウトドア感満点。サイドにもカモフラージュ柄のデカールを装着
無骨なデザインのルーフラック
リアにはロゴ入りのマッドフラップとリアアンダーデカール
フューエルリッドにはレトロなロゴのデカール
車中泊などに便利なリラックスマット
何かと使い道がありそうなユーティリティポール
大人気のデリ丸。新型でもプレゼントキャンペーンを行うという

eKスペース

新型eKスペース

 デリカミニと同時にeKスペースも新型となる。女性をメインターゲットと想定し、「Just-fit Reliable Partner」(私の日常に安らぎが寄り添うクルマ)をコンセプトに開発。先進安全装備の強化や快適、便利装備の充実化を図った。

 外観はスクエア基調としつつシンプルかつ高品質なフロントマスク、力強さと高級感を表現するサイドライン、洗練されたリアビューを採用した。内装面ではデリカミニと同様にAピラーを立てることで車内の広がり感をアップしつつ、フロントシートまわりの収納スペースを増加、USB Type-Cの増設、グレー基調のインテリアやフィット感を向上した新しい形状のシートなどにより上質で使いやすく仕上げている。

 また、衝突被害軽減ブレーキシステムなど予防安全技術「e-Assist」を強化し安全性の向上も図られている。

撮影車両はGグレードの2WD車。ボディカラーはナチュラルアイボリーメタリック。ボディサイズは3395×1475×1785mm(全長×全幅×全高)
フロントマスクはスクエア基調の造形
デリカミニと同様のスクエア形状のリアコンビランプ
撮影車両は自然吸気エンジンを搭載
タイヤサイズは155/65R14
造形はデリカミニと変わらないがグレーとベージュのコンビネーションを採用することでさわやかな印象
ステアリング形状もデリカミニと共通。ボタン類が少なくなっている
メーターパネル
シフトまわり。ドライブモードセレクターはトグルスイッチタイプ
ドライブモードは「エコ」「ノーマル」「パワー」の3種類
ディーラーオプションの9インチオリジナルナビゲーションを装着
ステアリングコラム右側のスイッチ群。デリカミニと比べるとだいぶシンプル
助手席前のトレーとドリンクホルダー
前席上部にはマップランプを用意
引き出し式のカップホルダー&スマホホルダー
インパネ下部にはUSB Type-C端子など
ベンチタイプのフロントシート。新形状と表皮でフィット感を向上している
リアシート
アレンジはデリカミニと同様