写真で見るボルボ「V60/S60」（2013年モデル）

　2011年3月に日本に導入されたボルボのミドルクラスエステート/サルーン「V60/S60」は、クーペライクでスポーティーなスタイリングを身にまとって登場。それまでの「実用的なハコ」というボルボのイメージを見事に覆し、たちまち日本のボルボ・ラインアップにおけるトップ・セールス・モデルになった。

　人気の理由はスタイリングだけではないようだ。パワーと環境性能の両立、「シティ・セーフティ」「ヒューマン・セーフティ」といった自動ブレーキや全車速追従機能付きアダプティブ・クルーズ・コントロール（ACC）などの先進安全装備の充実も、新生V60/S60の魅力だ。

　もちろん、スカンジナビアン・テイストにあふれたスタイリッシュなインテリアや、使い勝手のよいラゲッジルームなどの美点も、従来のボルボ車からきっちり継承している。

　そんなV60/S60の2013年モデルには、エコカー減税への対応や、周囲の明るさに応じて灯火類が自動点灯する「オートライト」の標準装備など、重要なアップデートが施されている。

　ここでは「S60 T4」、「V60 T4 R-DESIGN」の詳細をお届けする。

S60 T4

　「T4」は、2012年モデルまでは「DRIVe」と呼ばれていたベーシックグレード。直列4気筒DOHC 1.6リッター直噴ターボエンジン＋6速デュアルクラッチAT「パワーシフト」で前輪を駆動する2WD（FF）車だ。価格はS60 T4が379万円、エステート版のV60 T4が399万円。

　T4のエンジン改良は2013年モデル最大のトピックと言えるだろう。JC08モード燃費が12.8km/Lから13.6km/Lに改善され、これにともなって50％のエコカー減税が適用されるようになったのだ。

　撮影した車両には、先進安全装備の「セーフティ・パッケージ」（20万円）、HDDカーナビと地デジTV、アクティブ・ベンディング・デュアルキセノンヘッドライト、ヘッドライトウォッシャーが含まれる「ナビゲーション・パッケージ」（25万円）、本革レザーシートなどの「レザー・パッケージ」（25万円）のオプションパッケージと、サンルーフ、パールペイント、ラミネーテッドガラス、パークアシストカメラ、ETC車載器などのオプションが装着されており、合計で486万7000円となっている。

今流行の「4ドアクーペ」と呼びたくなるようなスタイリング。しかし後席の居住性は損なわれていない。撮影した車両のボディーカラーはエレクトリックシルバーメタリック（メタリックパールペイントは8万円のオプション）

シートカラーはオフブラックとソフトベージュの組み合わせ

「レザー・パッケージ」には2013年モデルから「本革巻/シルクメタルステアリングホイール」と「アルミニウムベゼル付メーターパネル」が追加されているが、価格は据え置きとなっている

ライトコントロールにオートライトの「AUTO」ポジションが追加された。レインセンサーとトワイライトセンサーにより、ロービームを自動でON/OFFする

これも2013年からの新装備「イルミネーテッド・シフトノブ」。レバー上のシフトポジションがイルミネーションされる

タコメーター内部の「40」の表示が「ロード・サイン・インフォメーション（RSI）」。カメラで道路標識を読み取り、制限速度や追い越し禁止の情報をメーターパネル内に表示する。画面では40km/h制限の標識が表示されている

センターアームレスト内にAUXとUSB端子を備える

直列4気筒1.6リッター直噴ターボのT4エンジン

後席は4：6の分割可倒式で、センター部分のみのトランクスルーや小物を固定するゴムバンド付きの仕切り板を備える。後席はトランク後部からレバーで倒すことができる

V60 T4 R-DESIGN

　「T4 R-DESIGN」は、5月に発売された特別仕様車。「R-DESIGN」は専用の内外装と、スプリングやブッシュを強化したスポーツサスペンションを備えたスポーティーモデルで、直列6気筒3リッターターボエンジンで4輪を駆動する「T6 AWD R-DESIGN」のみ用意されていたが、特別仕様車の形でT4ベースのモデルがV60/S60ともに用意された。

　多数のR-DESIGN専用装備に加え、デュアル・キセノンヘッドライト（自動光軸調整機構付）/ヘッドライトウォッシャー、アクティブ・ベンディング・ヘッドライト機能、PCC（パーソナル・カー・コミュニケーター）、キーレスドライブ、ダークティンテッド・ガラス（リアウインドー5面）、HDDカーナビ、地デジチューナーといった通常のT4ではオプションの装備も、標準で装着される。

　T4 R-DESIGNの価格はV60が468万円、S60が448万円。撮影した車両にはセーフティ・パッケージ（20万円）とパークアシストカメラ（リア、6万円）、ETC車載器（2万5000円）のオプションが装着され、合計507万5000円となっている。ボディーカラーは2013年モデルから登場したR-DESIGN専用色のレーベルブルー。

フロントバンパー、リアディフューザー、デュアル・スポーツテールパイプ、5本スポーク「Ixion ダイヤモンドカット」18インチアルミホイール、235/40 R18タイヤがR-DESIGN専用装備。また、フロントグリルがピアノブラックになる

「セーフティ・パッケージ」のセンサー類

セーフティ・パッケージには新たにアクティブ・ハイビーム（AHB）が加わった。ハイビーム時にカメラによって先行車両のテールライトや対向車のヘッドライトを検知すると、自動的にロービームに切り替え、先行車や対向車がいなくなればハイビームに戻す

ACCのコントロールはステアリングホイール左のスイッチで行う。2013年モデルからACCには「追い越しアシスト機能」が付いた。ACC作動中にウインカーを使用して追い越しする際に、設定より先行車両に近づくよう加速し、追い越し時間を短縮する

R-DESIGN専用の本革スポーツシート（前席パワーシート）、本革/シルクメタル・スポーツステアリングホイール、本革スポーツシフトノブ、スポーツ仕様のアクセルペダルとブレーキペダル、アルミニウム・パネル、アルミニウムベゼル付きメーターパネル、フロアマットを備える。撮影した車両のシートカラーはオフブラック

後席は4：2：4の分割可倒式。トノカバーや4：6に分割できるラゲッジネットのほか、S60同様の仕切り板などを備える